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TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」2nd Season 第10話感想 [アニメ]

#10「渋谷に響く歌」
#10「渋谷に響く歌」
 「ラブライブ!スーパースター!!」2nd Season 第10話は、奇しくも「ラブライブ!」シリーズのTVアニメとして通算100話目。そんな節目にふさわしい名エピソードと名曲でした。

■吹雪の中に響く声
 「前回の~」無しでスタート。今度こその特別な回を予感させます。そしてラブライブ!といえばのレポーターさん。大会を盛り上げてくれる貴重な存在。
 そんな東京地区予選を控えてLiella!は合宿中…なのですが、吹雪です。雪が吹き荒れる中青ざめた表情でカメラを構え撮れ高を稼ごうとする夏美ちゃん。たいした根性です。「あんまり離れると迷子になるっすよー」といつもの調子のきな子ちゃん。いやいや、迷子どころじゃ済まなそうな状況なんですけどw
 どうしてこうなった…。
 遡ること数日前。冬休みに強化合宿をしようとなったものの、さてどこでやるか。合宿場所に困っていると、きな子ちゃんが「あるっすよ。かのん先輩も来てくれたきな子のペンション」と北海道の実家での合宿を提案。…したのですが、かのんちゃんが北海道に行っていたことが初耳な他の1期生のみんなから問い詰められます。千砂都ちゃんも自分に黙って北海道に行っていたことがご不満の様子。静かに怒っているその姿が怖いw
 ともあれ、北海道のきな子ちゃんの家のペンションで合宿というこに。
 広大な北の大地。周りに何もないところだからこそ集中して練習できるし、2年生と1年生の距離も近くなる良い機会と捉えているようです。
 そして「今回は、1年生も一緒に!」というわけで、「東京大会は曲もダンスも全部1年生と2年生が共同で作る」ことに。
 まず、振り付けは千砂都ちゃんと四季ちゃんが担当することになったようですが、四季ちゃんは自信なさげ。どうも力量の差を気にしているようです。しかし「別にダンスで私と競争しようって言うんじゃないよ?」と千砂都ちゃん。あくまで一緒に振り付けを考えるのが目的。まずは千砂都ちゃんが考えて、四季ちゃんが意見を述べていくスタイルで始めようということに。
 さて、となると作曲はやはり恋ちゃんとメイちゃん…と思ったら、ゲームで遊んでますよこの二人…。久々の協力プレーが楽しすぎたようですが、気を取り直して作曲です。ピアノは「小さい頃から親に言われて習ってるだけ」と謙遜するメイちゃんですが、「続けてこられたということは嫌いじゃなかったはずです」というわけで、作曲に取りかかります。恋ちゃん続けてピアノを演奏するメイちゃん。
 で、作詞はかのんちゃんときな子ちゃん。なのですが、なぜかヨガ。まぁこれがかのんちゃん流の作詞術ではあるのですが、きな子ちゃんにしてみれば「ほんとにこんなので思いつくんすか?」ですよね(笑)
 そしてどうやら今日は調子が悪いようで詞が降りてこない様子なので、「昔書き溜めた歌詞ノートがある」と打ち明けるきな子ちゃん。でもやっぱり恥ずかしいと言うきな子ちゃんに、自分も恥ずかしいからいっしょで良かった。そして恥ずかしさの後には嬉しさや感動も待っているから、きな子ちゃんにもやって欲しいと思ったと想いを伝えます。
 曲作りの方はそれぞれ二人三脚でうまくいきそう。

 一方、残る衣装担当と広報担当はというと…。
 リモートでのPR会見用のセッティング中。そして相変わらず意見の食い違いでケンカしている可可ちゃんとすみれちゃんの二人。そんな二人の様子を見ていて、「お二人とも変ですの」と不思議がる夏美ちゃん。この前の「大嫌いで大好き」はいったい何だったのか。わかる。わかるよ夏美ちゃん。でもこれが通常営業なんだw

■ネットの海に響く声
 さて、そんなドタバタもありつつの、各出場グループが東京大会への意気込みを語るリモート会見の生配信時間です。東京ではかのんちゃんの両親や妹のありあちゃんもネットでの中継を見守ります。
 Liella!の順番がきて中継が回ってきます。まずは「私たちは」「結ヶ丘女子スクールアイドル部」「Liella!です!」と自己紹介して、さて何を話したものかと千砂都ちゃんが口ごもっていると、「私たちLiella!は去年、決勝には進めませんでした」とサッと助け船で話し始めるかのんちゃん。
 「それから1年。今年こそは全員で決勝に進もうって、がんばってきました!」…そう、全員で、なんですよね。そして、「叶うことなら優勝を目指して、みんなを笑顔にできるライブをしたいと思っています」と意気込みを語ります。
 「皆さんの応援」「よろしくお願いします!」
 「以上、Liella!でした」と出番が終わった途端、緊張の糸が切れたようにへなへなと椅子に座るかのんちゃん。「いつまでたっても慣れないなぁ…」なんて言ってますが、堂々としてましたよ。
 ホッしている間もなく、「続いては、今大会注目の、ウィーン・マルガレーテちゃんです!」という紹介と共に、ウィーンちゃんの中継映像。コメントの流れも加速し注目度の高さを伺わせます。
 そんな中、淡々と語り出すウィーンちゃん。
 「私がラブライブ!に出場するのは、ここがいかに低レベルであるかをスクールアイドルたちに知ってもらうため。私が、本当の歌を教えてあげる」それだけを伝えると、一方的に回線は切れてしまいます。なかなかに挑発的です。
 「これはとんでもないスクールアイドルの登場だー!」
 コメントもざわついています。
 そしてこちらも「ラブライブ!が低レベル!?」「いきなり出てきて好き勝手なことを!」と激おこな可可ちゃんとメイちゃん。何気にきな子ちゃんも不機嫌そうな顔してましたね。
 一方で、「でも、最強と言われたサニパさんに勝った」と冷静な四季ちゃん。そうなんですよ。なんだかんだで前回優勝者を破って地区予選を突破しているのは事実。まさに波乱含みの展開。

#10「渋谷に響く歌」
 お風呂でも怒りが収まらない可可ちゃんはともかく(サービスシーンに感謝)、かのんちゃんもウィーンちゃんの言葉がやはり気になるようです。
 「本当の歌ってなんなんだろう?」と千砂都ちゃんに聞いてみるかのんちゃん。ウィーンちゃんは確かに歌もダンスも圧倒的。でも「あれが本当の歌なのかな」…と。彼女だって歌は好きなはず。歌の喜びを知っているはず。
 「なのに、マルガレーテちゃんから伝わってくる気持ちは、“勝つ”…ただそれだけが胸に刺さる」
 なかなかに深い。かのんちゃんたちだって勝ちたいという気持ちは大きい。勝って喜びたい、勝って、歌の楽しさ、素晴らしさを共有したいから。では、ウィーンちゃんはなぜそこまで冷たく鋭く勝つという思いだけが突き刺さるのか。彼女の勝ちたいという意思は何なのか。今はまだ、そのこたえを知るには手がかりが少ない。

 とそこへ、お風呂から上がってきたすみれちゃんが窓の外に見える別棟で1年生が自主練に励んでいる様子を目にします。どうやらさっきの中継映像を見て触発されたようです。
 そんな1年生立ちの姿を見て思うことがあったのか、「ねえみんな、明日の練習メニュー私が決めてもいい?」とかのんちゃん。

■雪原に響く笑い声
 というわけで翌日、「今日は~練習無し~!」と宣言。
 「がんばるためには休みも大事」「うまくなるために、勝つためにと考えすぎていたのかも知れません」。だから「それを一回忘れたいんだ。歌も練習も全部忘れてみんなで楽しく遊ぼう!」というわけで、今日は一日思いっきり楽しむことに。
 張り詰めた糸を時には緩めるのも大事。

 凍った水面をスケートリンクに、持ち前のバレエセンスで鮮やかに滑る恋ちゃん。北海道育ちのきな子ちゃんは慣れたもの。一方、椅子に座ってきな子ちゃんに押されているだけなのに怖くて仕方ないメイちゃんかわいい。そして「怖がりさんっすねえ(ニヤニヤ)」ときな子ちゃん。この子実は意外とドSなのではw
 凍った湖ではすみれちゃん、可可ちゃん、四季ちゃんの3人がワカサギ釣り。2匹釣れてご満悦のすみれちゃん。一匹も釣れない可可ちゃんに「日頃の行い」とかマウント取っていたら、隣で嘘みたいに大量に釣り上げる四季ちゃんを前に形無しですw
 千砂都ちゃんはかのんちゃんといっしょに丸い雪だるまを作ってご満悦。その様子を撮影していた夏美ちゃんは、「もっと映える映像を」とリクエストしますが、「これでいいの。せっかく9人になったんだしたくさんの思い出作ろうよ」「今度は夏美ちゃんのやりたいことしよ?」と言われて、ならばと「思い切り雪合戦したかったんですの~!」と二人に襲いかかります…が雪に足を取られて顔から転倒。「あべし!」って叫び声のネタは今の若い子には通じるのでしょうか?w

 そんなこんなで、1日存分に遊んだみんな。
 たっぷり遊んだ満足感と共に、「でも1日全然違うことをしていただけなのに、もうレッスンしたいなって思っちゃってるっす」と笑顔のきな子ちゃん。1日遊んで気分転換になったということ以上に、レッスンをすることそれ自体もいつしか“楽しみ”のひとつになっていたことに気付かされる。勝つための努力もまた楽しい。それは他のみんなも同じな様子。
 そしてそんな今日のリフレッシュを提案したかのんちゃん本人はと言うと、楽しい1日の思い出が、新しい曲を生み出すきっかけになった様子。静かに奏でるギターのフレーズ。そっと耳を傾ける千砂都ちゃんとすみれちゃん。
 「遊んでいただけだと思ったけど」「違った」
 「かのんの生み出そうとしている曲を、みんなで完成させましょう!」
 「はいっす!」「ワクワクしてきた!」「これはバズる話題ですの!」
 「みんなで作る歌」
 みんな、自然と楽しそうな笑顔。

#10「渋谷に響く歌」
 そしてここからの練習風景と曲作りの様子の場面が本当に素晴らしかった。
 新しい振り付けでのダンス練習に励むメイちゃんと夏美ちゃんを、千砂都ちゃんに代わってコーチする四季ちゃん。バテバテのきな子ちゃんの背中を支え、押してあげる可可ちゃん。メイちゃんがピアノで曲のアイディアを演奏し、恋ちゃんが譜面を起こす。夏美ちゃんが綴ったLiella!の合宿風景はたくさんの注目を集める(すみれちゃんを盗撮した写真がちゃっかり混ざっていてすみれちゃんに怒られるシーンもクスッとさせられていいアクセントです)。ひみつのノートに書き溜めたアイディアから、かのんちゃんと一緒に詩を書くきな子ちゃん。「楽しいを超えて」…いいフレーズです。
 そして何といってもすみれちゃんが描いていた衣装のスケッチですよ!見た瞬間本当にびっくりしました。まさかのあの衣装!?
 そんなこんなで日も暮れて夜。「できたっす、歌詞」「振り付け、決まった」「曲も完成したぞ」「衣装も考えてみたわよ」と、各々がそれぞれの成果と想いを持ち寄ってたき火を囲みます。

 「一生懸命がんばって、みんなに応援して貰って、みんなと一緒に成長できる」
 「スクールアイドルって、ホントに素敵だと思う」
 「すっごく楽しくて…」
 「すっごく大変で…」
 「でも、ここにしかない喜びがあって…」
 「その気持ちが、歌になってあふれる」
 そう、それがスクールアイドル。それが歌。

 「Liella!って、思えばずっとそうだったよね」
 「それが、私たちにとっての本当の歌なんじゃないかな」
 「それって、マルガレーテさんの」
 「本当の歌…」

 たどり着いた答え。それはまた、最初から持っていた答えでもあります。Liella!はずっとそうだった。そしてかのんちゃんも、ずっとそうだった。最初から持っていた答えに、改めて気付く。一回りも二回りも大きくなって。

 温かく、けれど熱く燃えさかるたき火の炎はまた、熱く胸に秘めた情熱のようでもあります。

■心に響く歌
#10「渋谷に響く歌」
 そしていよいよ運命の時。東京大会当日です!
 何といってもステージサイドでLiella!のみんなが着ている衣装ですよ!2ndライブで初お披露目となったあの衣装です!見た瞬間、言葉にならない感動でしたね…。
 そんなLiella!に、いえ、かのんちゃんに対し、ひとり対峙するウィーンちゃん。
 「私が本当の歌を教えてあげる」
 「歌は力。そして、私は未来を私自身でビルドする」
 「歌の力で」
 そう言い残してステージに向かう彼女の背中を見つめるかのんちゃん。
 「違う…。違うよ。そんなの、本当の歌じゃない」

 さあ、まずはウイーンちゃんのステージです。
 モノトーンのステージを黄金のライトが照らす。そして黒い衣装とベールは、まるで「喪服」の様でもあります。
 「私は私を信じ輝く」「今、この願い叶えてみせる」
 鬼気迫る圧倒的な歌唱とパフォーマンス。歌が終わり、ひとときの静寂。…からの大歓声。圧倒的強者感溢れる曲調とパフォーマンス。圧倒的なオーラをまとったステージだったことは間違いありません。
 しかし、今のLiella!も、代々木スクールアイドルフェスの時のようにただ圧倒されるだけではありません。
 自分たちの歌を信じている。歌う楽しさを知っている。
 「さあ、いこう!学校のみんなも見に来てくれてる。Liella!の歌を、渋谷の街に響かせようよ!」
 恐れも迷いもないかのんちゃんの言葉を受けて、9人で円陣を組みます。
#10「渋谷に響く歌」
 「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」
 「結ヶ丘スクールアイドル部Liella!、たくさんの人に歌を届けよう!」
 「Song for Me, Song for You」
 「Song for ALL !!!!!!!!!」

 新曲「Sing!Shine!Smile!」。
 Liella!がみんなでつくり上げ、見つけた歌う喜び、歌う楽しさがギュッと詰まった最高に素敵なステージ。

 歌もダンスもステージ演出も、何もかもが素敵。9人になって深みの増したLiella!らしいハーモニーの美しさ。9人だからこそより一層映える鮮やかなダンスパフォーマンス。9人のLiella!だからできる、9人のLiella!でないとできないステージ。
 こういう歌が聴きたかった、見たかった。本当に素敵なステージでした。
 そしてまた、どことなく「Tiny Stars」のアンサーソング的な感じもありありましたね。夜空のステージ、花がデザインされた柱、シャンデリアの様なオブジェ。
 クーカーの二人がにっこり笑顔で歌う様子からの、街頭ビジョンに映る二人の姿と向かい合う様なショット。指で星を作るポーズ。
 「Tiny Stars」にこめた想い、あの日から始まったLiella!の、ひとつの集大成、到達点といった感じの素晴らしいステージでした。

 そんなステージをやり遂げて、あとは結果を待つばかり。
 果たして結果は…!

 次回につづく!

 そして次回予告。果たして結果はどうだったのか。そして千砂都ちゃんがウィーンちゃんを捕まえているシーンも気になります。ウィーンちゃんの本当の気持ちや狙いは何だったのかは明らかになるのでしょうか。
 また、次回は京極監督の師匠でもある菱田正和さんがお手伝いをされているそうなので、あの「ラブライブ!」2期12話以来の師弟コンビ回という点でも期待ですね。

 リエラのうたは千砂都ちゃん。かのんちゃんと同じ距離で歩んでいける喜び、そんな気持ちを歌った歌。小幡さん曰く「アンデスのフォルクローレ調」だそうです。


■みんなに届ける歌
 振り返れば、1期10話で幼い頃のかのんちゃんは言っていました。
 「歌は怖くない。楽しいものだよ。みんなががんばって練習してこられたのは、歌うのが楽しかったからでしょ。その気持ちで歌っていれば、きっと伝わる。この楽しい気持ちが」「だから歌おう!楽しく!」
 そしてまた、大きくなったかのんちゃんはそんな幼い頃の自分に伝えました。
 「大丈夫、大好きなんでしょ、歌」と。だから、大丈夫。

 まさにそれを有言実行したのが今回のお話だったともいえます。
 合宿で遊んだことも、がんばって練習したことも、みんなで曲を完成させたことも、そしてこれまでの毎日も、ぜんぶ楽しかった。その想いを歌にして、渋谷の街に響かせ、みんなに伝え、みんなで楽しみたい。
 ラブライブ!のステージで届けたい想いがある。届けたい歌がある。

 そしてそういう価値観と、ウィーンちゃんが掲げる、歌は力、私は私を信じ、私の力で願いを叶えるという想いとの対峙。

 ある意味「私を叶える物語」と「みんなで叶える物語」のぶつかり合いでもある。そしてそのどちらも価値があり素晴らしいものであることには変わりない。
 自らの願いを叶えるため、孤高の存在としてたった一人の力で完成されたものと、みんなで作り上げる楽しいものとの頂上決戦。優勝最有力候補同士の、事実上の決勝戦と言ってもいい。
 いやはや見応えのあるエピソードでした。

 →第10話見所チェック

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