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TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」第1話感想 [アニメ]

 #01「まだ名もないキモチ」
#01「まだ名もないキモチ」
 ついに始まりました、TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」。
 京極尚彦監督・花田十輝脚本・藤澤慶昌音楽で描かれる新たな始まり。本当に楽しみにしていたんですよ。
 そんな第1話。端的に言って最高でした。100点満点で軽く1億点ですね。

 冒頭、ギター片手に歌を口ずさむかのんちゃん。からの、「私の名前は澁谷かのんです」と自己紹介に続き、夢を語り、音楽科の入試で声が出ずそのままぶっ倒れてしまう…という展開は、大枠ではラブライブ!1期1話の冒頭を彷彿ともさせます。「みんなを笑顔にしたい!」のところで引きつった表情の場面に切り替わる絶妙なリズムも楽しいw
 どこか懐かしく、けれどこれまでとは違った新しい物語の始まり。
 …からの、かのんちゃんのヤサグレっぷりにビックリですよw こんなガサツな言動もするんだというのはちょっとした衝撃でした。
 そして今回も妹登場!(名前は澁谷ありあ、CVは松永あかねさん)しっかり者な感じの妹にぶっきらぼうにだらしなく応えるヤサグレ姉。注目のお母さん役はなんと能登麻美子さんです。そうきたかー。

 制服似合ってると言われて「似合ってない」と不機嫌な様子でこたえるかのんちゃん。
 かのんちゃんと千砂都や恋の制服が違うのがティザーPVの時から気にはなっていたのですが、なるほど普通科と音楽科で制服が違うんですね。で、本来着たかった音楽科ではなく普通科の制服だから「似合ってない」と不満顔だったと。

 あと、冒頭の場面はとにかくもう劇伴とのシンクロ具合が凄かったですね。発車ベルや飛行機の音、ザッザッという音に合わせて横断歩道を行き交う人々のカット、ストリートミュージシャンがギターを鳴らすのに合わせてギターやドラムが加わり、街の雑踏すら音楽を奏でているよう。そして街頭ビジョンに映る二人組のダンスとピッタリシンクロ。
 そんな「始まりは君の空」にも出てきた二人組の映像を目を輝かせて見ている可可ちゃん。彼女にとっての憧れのスクールアイドルなのでしょうか。

 一方、周りに人気が無いことを確認しつつ、よしっ…というところで中学時代のクラスメイトとばったり遭遇するかのんちゃん。ふたりは音楽科で、かのんちゃんは普通科。気まずい…w
 ちらっと目に付いた猫ちゃんを言い訳にその場を逃れます。総合マガジンのイラストストーリーで描かれていた光景を元にしたシーンですが、他の場面も今後アニメで登場したりするかもしれませんね。
 さて、気を取り直し、ヘッドフォン再装着で自分の世界に入って(ヘッドフォンを付けた瞬間周囲の雑踏がスッと聞こえなくなるんですよね)軽やかに歌い始めるかのんちゃん。素敵な歌声です。劇伴から流れるように歌へ。このミュージカル的な表現もラブライブ!の魅力です。
 そんなかのんちゃんを偶然通りがかった可可ちゃんが目撃。ベタすぎるくらいな運命の出会い的演出がイイ!驚愕の表情と「ホァァァ!」という声がコミカルさもあって面白い。
 そして歌の終わりと共に人通りのある通りに出てスッと素に戻るかのんちゃんの切り替えの早さよw
 そして道路に「LoveLive! Superstar!」のタイトル。あらオシャレ。
 そして停まっているバスの行き先案内板に1話のサブタイトル。あらオシャレ。
 なんでしょう、今度のラブライブ!、すごくオシャレですw

 「何でも無いときは、いくらでも声が出るのに」
 そこへ可可ちゃん。感激のあまり中国語でまくし立てます。何といっているのかはサッパリですが、とにかく感激しているようです(笑)。ちなみに、字幕表示にしたら台詞を確認できるかなと思ったのですが「(中国語)」でした!残念!w
 ビックリして逃げるかのんちゃん。路地に逃げ込みサッと車の影に隠れる。見失った可可ちゃんの「アレ?アレ?」という言い方が可愛いw
 逃げてドタバタしてようやく怒濤の序盤も一段落と思ったら「何やってるの?」と千砂都ちゃんに声をかけられてダメ押しのもうひとビックリという緩急の付け方が上手い。

 そうそう、ダンスを志望している千砂都ちゃんがどうして実績のある学校ではなく新設校を選んだのかすこし気にはなっていたのですが、なるほど音楽科があったからなんですね。
 ダンスのために音楽科を受けて、合格してやる気満々の千砂都ちゃん。一方、音楽科に落ちて、合格しなったからもう歌は諦めると言うかのんちゃん。
 結ヶ丘女子高等学校はいったん廃校となった学校の校舎を使って新設されたという設定なのですが、その前身は「神宮音楽学校」だった。そんなこの地に根付く音楽の歴史と伝統を引き継ぐ格式あるものとして期待される音楽科生徒と、フツーな普通科。ヒエラルキーを感じます。意外と世知辛い学校ですw
 そういうところも、かのんちゃんにとってはある種の負い目というか肩身の狭さみたいなものがあるのかもしれませんね。 

■もうおしまいにしたいキモチ
 クラスでの自己紹介。かのんちゃんの前後の席は前からヤエナナミココノの789トリオです(総合マガジン誌上では平仮名表記でしたが、アニメではカタカナ表記のようです)。今回もきっと活躍してくれることでしょう。
 ふと目をやると「スバラシイコエノヒト…!」目をキラキラさせている可可ちゃんw
 「平安名すみれです。よろしく」と、ぶっきらぼうに威嚇する様な挨拶のすみれちゃん。
 「上海から来マシタ、唐可可といいマス。お母さんは日本人デス」「みなさんと一緒にスクールアイドルがしたいデス!」と積極アピールの可可ちゃん。
 そんな自己紹介のホームルーム(?)が終わるやいなや、教室を飛び出し逃げるかのんちゃん。この展開のスピード感たまらない。
 そして再びの追いかけっこ。逃げるかのんのアップのカットは冒頭のシーンと同じパターンで、いわゆるお笑い用語で言うところの“天丼”ですね。終いには二人ともバテバテ。中国語で泣きすがる可可ちゃんも可愛いw

#01「まだ名もないキモチ」

 かのんの歌声に惚れ込み、一緒にスクールアイドルを始めようと持ちかける可可ちゃん。しかし、「こういうのやるタイプじゃない」と乗り気ではないかのんちゃん。まあ確かに家では大雑把に髪を結んで地味な部屋着でヤサグレているくらいですからね…。

 と、そこへ…。
 「このチラシを配っているのはあなたですね」
 出ました!ミトメラレナイブッブーですわポジションの人!(笑)…とはいえ、彼女にも彼女なりの想いや信念があっての言動のはず。「この学校にとって音楽はとても大事なものです」という言葉にはその片鱗を感じます。そこが今後どう明らかになっていくのか。

 スクールアイドルはこの学校にふさわしくないと言う恋ちゃん。
 生半可な気持ちではダメだと言いますが、生半可でなければ?ふさわしいとは?
 「すくなくともこの学校にとって良いものとは言えない」
 「どうしてそんなこと言い切れるの」
 「あなたはどうなの?あなたはやりたいのですか?スクールアイドル」
 「!…」返す言葉に詰まるかのんちゃん。

 気遣ってくれる可可ちゃんに、実は音楽科の受験に落ちたということを明かすかのん。才能が無い、「だからもう歌はおしまい」
 そう言って立ち去ろうとするかのんちゃんの背に向けて可可ちゃん。
 「好きなことを頑張ることに、おしまいなんてあるんですか!?」
 …名言頂きました。

 星空をバックにラブライブ!スーパースター!!のアイキャッチ。コレコレ、これですよ!

 場所は変わってかのんちゃん家の喫茶店。
 ココアを飲んだときの「ヴァ~」は、ラジオでも話していたリーちゃん自身の口癖も反映されていたりする感じなのでしょうか。
 改めて可可ちゃんに自分はアイドルには向いていないことを説明するかのんちゃん。
 「アイドル!?」「あんたが!?」「うるさいなあ!」
 「かわいい!?」「お姉ちゃんが!?」「聞かないでって言ってるでしょ!」
 このやりとりのリズム感最高ですw

 さらに場所を変えて、邪魔の入らないかのんちゃんの部屋へ。
 そして明かされるかのんちゃんが歌と距離を置こうとする理由。
 小学校の時、発表会で歌えなかったことがトラウマとなって、いざという時や人前で歌うことができなくなってしまった。大切なときほど声が出ない。歌が好きなのに、歌で笑顔にしたいのに。辛い…。

 自分がスクールアイドルは無理だけど、せめて可可ちゃんに協力してあげよう。早速千砂都ちゃんの元を訪れて訊いてみますが、逆に音楽科には興味のある子はあまり居ないと思うとの意見。なるほど確かにそうかもしれません。
 帰り道、通りがかったマンションの一室から発声練習をする可可ちゃんの声が聞こえてくる。好きに一生懸命な可可ちゃんに、かのんちゃんは何を思うのか。

 翌日、スクールアイドルに興味のある子を探すかのんちゃん。そうそう、ナナミちゃんがポスターを貼っていた掲示板に名物パン投票で選ばれたパンのチラシが貼ってありましたね。
 結局めぼしい人も見つけられず、通りかかったすみれちゃんには「あたしを誰だと思ってるの!」と一括されてしまいます。
 音楽科があるからといって、アイドルに興味があったりやってみたい人が多いとは限らない。ともすれば逆に程度の低いモノとみられているフシもあるかもしれません。うーむ。なかなか上手くいかないものです。

■まだおしまいにしたくないキモチ
 日も傾き、そろそろ帰る時間。でも…
 「かのんさん!やっぱり、やっぱりやってみませんか、スクールアイドル」
 どうしてもかのんとスクールアイドルをやりたい可可ちゃん。意を決して改めてかのんちゃんを誘いますが、それでもやはり無理だと拒むかのんちゃん。

 歌で笑顔にしたいからこそ、歌でがっかりさせたくないかのんちゃん。
 歌を好きな人と一緒にやりたい。歌を好きな人だから応援したい可可ちゃん。
 そんな優しいふたりのキモチがぶつかり合う。

 もう聞かないとばかりにヘッドフォンを付けて立ち去ろうとするかのんちゃん。冒頭のシーンでもそうでしたが、外界をシャットアウトする、自分の世界に入るアイテムとしてヘッドフォンが使われています。音を聴くためのものを、かのんちゃんは音を遮るために使っている。
 自分の世界に入り込み、自問する。
 私の歌を好きと言ってくれる人がいる。
 一緒に歌いたいと言ってくれている。
 …なのに。

 「本当にこのままでいいの?」

 校門を出る寸前。踏みとどまり、ガッと振り向いて走り出す。
 バッとヘッドフォンを外す。全力で走るその表情が素敵。
 そして駆けていく足下のカットが映った瞬間「ウァァァァ!!ラブライブ!だあああああ!」という感情が爆発しましたね…。
 「いつだって歌っていたい」
 そしてひらりひらりと舞い降りてきて、背負っているリュックのポケットにスッと入る一枚の羽根!(でも、かのんちゃんは掴んではいない。気付いていない)

 「やっぱり私…」
 ♪大好きって今叫ぼう!♪
 「歌が好きだ!」
 ♪夢見るしかないでしょ!♪

 素晴らしい!完璧!パーフェクト!
 なんと見事な挿入歌への入り方!


 並木道を進みながら歌う挿入歌。道路の真ん中で歌うのは由緒ある伝統。今回は車も走っていないので安全ですw
 爽やかで軽やかで疾走感があって、そして力強い。
 5人で一緒に歌って踊って、分割画面越しに背中を押し、ハイタッチしているけど、それぞれ別の場所で歌っていて別々のステージに立っているというのも興味深い演出ですね。
 青空をバックにLoveLive!ロゴからのラブライブ!スーパースター!!
 最高にラブライブ!です!

#01「まだ名もないキモチ」

 気がつけばいつしか町中の人前で歌っていたかのんちゃん。このあたりの理屈抜きなスピード感や突き抜けた感じもラブライブ!の魅力ですし、京極監督のフィルムだ!という感じです。

 「もしかして私…」
 入れ替わってる!?(違)

 次回「スクールアイドル禁止!」、いきなりピンチですw

 なんという痛快さ、なんという充実感。あー面白かったー!と思っていたら!「みんなのうた」ならぬ、「リエラのうた」が始まりました!
 そうきたかー!
 NHK Eテレでの放送だからこそできるアイディアと付加価値ですね。しかも「次回以降も素敵な楽曲が登場」(NHKアニメ公式twitter)するそうですよ。まさかの全話数でMV付き新曲追加です。
 こういう歌もラブライブ!でも聴きたかったんだよ!という感じのしっとりと聴かせるバラードで本当に素晴らしいし、MVも素敵です。ラブライブ!=アニメーションPV・ダンスシンクロというところを、AqoursがバースデーソロMVや実写PVで幅を広げて、それを更にLiella!が発展させた感じですね。
 Liella!はアニメの登場人物である以前にLiella!というグループなのですから、アニメとは関係なく歌やMVがあったって良いはずなんですよ。それをこういうカタチで見せてくれる。素晴らしい!


■トピック
 とにかくもう第1話は音楽と映像の一体感が素晴らしかった。まるで映画を見ているかのような贅沢な感覚でしたね。グイグイ引き込まれる冒頭のシーンはもちろんですが、情感たっぷりなクライマックスシーンも見事でした。
 映像も本当に綺麗でしたし、「始まりは君の空」のMVでも感じたことなのですが、夜の場面が色彩豊かな感じなのも印象的です。

 そしてヘッドフォンというギミックの使い方の巧みさ。
 本来音を聴くためのモノを、音を遮るために使う。もしかしたらかのんちゃんのヘッドフォンは何の音も鳴っていなかったのかもしれません。そう考えると切ない。
 でも、これからはちゃんと音楽を聴くためにヘッドフォンを付けるようになるのでしょう。
 1話ではヤサグレていたり歌うことに消極的に振る舞っていたりするかのんちゃんですが、冒頭、中学時代に自己紹介で夢を語っているところでは「歌でみんなを笑顔にすることです!」って言ってるんですよね。いつかそんな私を叶える時が来るのかもしれません。そしてその言葉は、かのん役の伊達さゆりさんがオーディションで語ったものでもあります。
 これは私を叶える物語なのです。

 また、「ラブライブ!スーパースター!!」1話と「ラブライブ!」1期1話に共通する印象的な走る足下のカット。どちらも画面右方向に向かっているのですが、穂乃果は校門の外へ、かのんは内側に向かって走っているのが違う点で、面白い。
 ちなみに、冒頭の歌う横顔も穂乃果は右向き、かのんは左向きで対比になってるのですが、これはまぁ、かのんの横顔の向きに関してはギターのネックを見せたかったという理由かもしれません。反対側からだとギターを抱えているのがわかりにくいですからね。ここはむしろその後の入試の回想で歌えない横顔と対になっている部分かなと。
 また、冒頭のかのんちゃんの高校入試の時の課題曲と、小学生の発表会の時の曲、同じなんですよね。劇場版ラブライブ!で冒頭の場面で「SUNNY DAY SONG」のフレーズが流れていた演出も彷彿とさせられますし、いつかこの曲をLiella!として歌う日が来たりして?

 そうそう、挿入歌で一瞬だけ映りましたが、可可ちゃんがノートに歌詞を書いてるんですよね。次回予告ではかのんちゃんがギターを弾いて何やら取り組んでいますし、かのんちゃんが作曲で、可可ちゃんが作詞担当、という感じになるのでしょうか。こちらも期待です。
 そういえば、冒頭の街頭ビジョンの「Spica**」や挿入歌のシーンで出てくるお店の名前の「Yuine」「0sing」などは、グループ名の最終候補の一つだったものですね。

 あとやっぱりCM無しで通して見られるのは良いですね。途中で流れが途切れないし、CM明けで画面の端に出てくる番組枠のロゴとか余計なモノが一切無いのも良かった。


■まだ始まったばかりの私の物語
 さて、これまでのシリーズの感想でも書いてきましたが、「ラブライブ!」そして「ラブライブ!サンシャイン!!」は、一貫して「私たち」の物語だったと思っています。「ラブライブ!」がμ's(私たち)の物語だったのに対し、「ラブライブ!サンシャイン!!」はμ'sが一世を風撫した後の「私たち」を描いた物語でした。μ'sに魅了された「私たち」の一人である千歌ちゃんが始めたのがAqours。
 そして「ラブライブ!スーパースター!!」はいよいよそんな「私たち」の中の「私の」物語です。私を叶える物語。そしてそんな物語の主人公を、ラブライブ!に憧れて、なりたいと思った「私」、一般公募オーディションという形でまさに「私を叶えた」伊達さんや青山さん、海を超えてやってきたLiyuuさん、ラブライブ!が大好きだった岬さんやペイトン尚未さん、そんな彼女たちが演じているという点に、この作品の持つ揺るぎない説得力と強度があると感じています。
 あと、時系列的にシリーズのどこに位置するのか…というのは、今作ではたいして意味を成さないのではないかなと思っています。サンシャイン!! は明確にμ'sの後であるからこその物語でしたが、スーパースター!!はそいうところは特に重要ではない気がするんですよね。作中で明示されない限りは全く関係ない世界線くらいの感覚で見ていこうかなと。

 去年1月のプロジェクト発表から換算すればおよそ1年半。ですが、キャスト発表からだと約半年強でのTVアニメスタートというのはこれまでとは少し違います。
 そして何といっても、一番最初のμ'sのときと同じオリジナルスタッフによって新しい「始まり」が紡がれていくのがとても楽しみです!

 というわけで、今回もあまり考察とか難しいことは考えず、好きなように楽しんで、ラブライブ!の面白さをたくさん見つけていこうと思いますので、よろしければお付き合いください。


 ■7/17追記:語り足りないので追加で書きましたw
 TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」第1話振り返り

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