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ラブライブ!μ’s「僕らは今のなかで」2D+3Dの魅力 [音楽]

今しかない、今を駆け抜けようっ!
 音楽関連の語彙に明るくないのでうまく表現できないのがもどかしいのですが、今回もホントいい曲。なんか毎回言っている気がしますが、ラブライブ!楽曲の真の魅力は後半にアリです。
 キラキラとした透明感のある出だしから、力強いティンパニロール(?)を合図にドラムがリズムを刻み出すイントロでガッチリ心をつかまれますし、歌詞がまた素晴らしくて…。この曲はホント、早くライブで一緒に歌いたいですね。
 カップリング曲の方は「男女デュエット構成」らしく、男役と女役に別れて歌っているそうです。いつもとちょっと違ったカッコイイ成分とレディ成分を楽しめるという趣向。

僕らは今のなかで
 付属のDVDには毎回オリジナルミュージックビデオが収録されているのですが、今回のDVDにはアニメオープニングのノンテロップ版が収録されています。まぁ、アニメOPといってもファンにはお馴染みのいつものPVと何ら変わりません(でも、アニメのオープニングとして見たら凄い贅沢な作りですし、珍しいパターンですよね)。唯一違うのは今回ばかりはショートバージョンということくらいでしょうか。楽曲自体の後半部分が相変わらず素敵なので、フルバージョンPVを見てみたい気も…。ちなみに、今回はラブカ+ではなくヴァイスシュヴァルツPRカードが封入されています。

 そんな今作のPV最大の見所はやはりなんと言ってもキャラクターが着ている衣装。ファンにとってはこの衣装というだけでも感動倍増なんです。
 実は、2012年2月に開催されたラブライブ!の記念すべき1stライブで、ライブのキービジュアルイラストをモチーフに作られたステージ衣装をキャストの皆さんが着たんですけど、それを忠実に再現してアニメに逆輸入した格好になってるんですね。
 待ち望んだテレビアニメの始まりを飾るオープニングで、アニメ化が発表されたあの日の、思い出の1stライブのあの衣装を着ているという感動。
 この“2次元と3次元が、虚構と現実が繋がってる”感じはラブライブ!の大きな魅力です。

僕らは今のなかで
 ステージシーンも相変わらずの素晴らしさですが、途中に挿入される学校の一コマ的なカットでみんながすごく楽しそうに歌っていて、見てるこっちも嬉しくなってきて幸せな気持ちになります。アニメのオープニングとして見れば、「あぁ、いつかこんな未来にたどり着くお話なんだろうな」というワクワクがありますよね。


 そして忘れてはいけない、2D(手描き)と3Dのハイブリッドアニメーションもラブライブ!の大きな特徴。
僕らは今のなかで
 豊かな表情やアニメ独特のタメやデフォルメなどの手描きが得意とするところと、ぐるっと回り込んだりといった空間的なカメラワークでの整合性や、複雑なダンスフォーメーションのような3DCGが得意とするところ、双方の得意分野や良さを活かし、時にはミックスすることで、全体的に俯瞰してみると手描きアニメの印象を強く保ちつつ全体の表現の幅をグッと広げていることが判ります。

 例えば3次元的なカメラワークの部分で背景やキャラクターも含めて3DCGならば、背景やカメラの動きに対してキャラクターが空間的にも正しく馴染むため、映像全体として見ると相対的に自然な印象になるんですね。手描きだとキャラクターと背景のパースや縮尺、位置関係がぎこちなくなったり書き割りのように見えてしまったり、地面に足が接地していない感じになったりしがちで、3Dなシーンをできるだけ3Dで統一するというのは理にかなっているとも言えます。

 もちろん、それでもあえて手描きにこだわるという選択はアリだと思いますし、3DCGでいったんシーンを描き出して、それを“作画のアタリ”と割り切ってコマ単位で出力した3DCGを下絵として手描きで起こし直す…という手法もあるでしょう。実際そうやって制作されたアニメーションも存在します。ただ、そこまでして手描きの質感に置き換えることにこだわり、3Dは一次素材と割り切るのか、あるいは表現上の制約を科してでも全部作画でこなすのか…と考えたときに、ラブライブ!は、作画は作画として本来の力を存分に発揮できる部分に注力してもらい、3Dは3Dとして作画では大変な表現を担ったり、3DCGならではの効果で表現を豊かにしてもらう。そして両者をうまく組み合わせる手法とノウハウを磨いていく、という道を選んだのだと思います。

 アニメーション的にキャラクターを魅せるために従来の手描きによる表現を突き詰めつつ、要所要所に3DCGのメリットや良さを積極的に取り入れ、相互に手を取り合い補完し合ってそれぞれのいいとこ取りで総合的に見てより魅力的な映像に仕上げる。どちらが優れているかどうかではなく、どちらも優れている。2Dか3Dかではなく、2D+3D。あるいは2D*3D。…そして、“だからこそ”の表現。

 昨今のアニメにおけるダンスシーン描写は、とことん3DCGで作り込む路線と、伝統的な作画による手法であることにこだわる二極が主流ですが、そんな中で(そんな中だからこそ)ラブライブ!がデビューシングルから連綿と培ってきた手法は、独自性と強み、そして今やファンにとって「ラブライブ!といえば」という作品自体の大きな特徴であり魅力になっているのではないでしょうか。
 あと、ラブライブ!のPVはちゃんとプロの振付師さんが振り付けを手がけているというのもポイントかもしれませんね。ちなみに今作はももクロの振り付けなども手がけられている石川ゆみ先生のようです。

 そうそう、「僕らは今のなかで」のPVの舞台は、(アニメ1話の感想でも書きましたが)おそらく晴海客船ターミナルだと思います。■追記:行ってきました!



■蛇足な余談
 そもそも論として、手描きの絵は“線”で構成されているものであり、3DCGは“面”で形作られているものであるからして、本質的な部分が異なる。似せることはできるけれど性質は異なる。ならばそこをどう捉えるか、ということですね。また、よくCGは省力化のためだとか手抜きかの様に言われますが、決してそうとは限りません。確かに手描きでは手間がかかったり難しかったりする表現が“得意”ですが、だからといってそのCG映像の制作に手間と時間がかからないわけではありません。必ずしもCGだから楽に早く簡単にできるということはなく、往々にして手描きの手間や時間とはまた別の性質の手間暇とコストがかかるものです。
 あと、以前にも書きましたが、例えば「プリキュア」は3D単体での表現をとことん追求し、「ラブライブ!」は組み合わせの表現を追求している。目指していることも方向性も違うんですよね。いろんな見せ方、やり方があり、それぞれの面白さ、良さがある。ちなみに、「ラブライブ!」の監督の京極さんは、「映画 プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち」でエンディングのコンテを担当されています。


■追記:もちろん数字が全てではありませんが、と前置きしたうえで。オリコンのシングル週間チャートで12位9,509枚(推定)を記録したそうです。凄い!アニメ化効果とはいえ、これほどとは…。5thシングルの実に倍の数字なので何かの間違いかと思ってしまうほどです。これまで事実上無名に近かった「ラブライブ!」のニューシングルが、「ラブカ+」が付いていたわけでも無く、DVD付きとはいえ従来のシングルほどのお得感は無く2,000円と決して安価というわけでもないにもかかわらず、これほど沢山の方の手にとってもらえたということは嬉しいですね。ベストアルバムの方も累計でなんと1万枚を超えたそうで、気に入って頂けていたら幸いです。

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