アイマスとラブライブ!の特徴 [雑記]
異次元フェスを見て、改めてアイドルマスターとラブライブ!の見せ方や文化の違いが良く現れていたなと思ったので、双方の初期を知るものとしてアイマスとラブライブ!のそもそもの特徴と違いについて少し語ってみようかなと(ざっくりとした話なのと、あと、アイマスに関してはDS以降はほとんど追えていないので、最近の状況には疎いのでその辺りは大目に見てやってくださいw)。
■アイマスとはそもそも―
アイマスはそもそもの起源がアーケードゲームで、プレイヤーがキャラを選んで自分だけのユニット(ソロ~3人)を組んで育成(プロデュース)して遊ぶゲーム。基本的には「個人(個々のアイドル)」の集合。
一応この歌はこの子といった持ち歌の概念はあるものの、初期のアイマスは全曲全員分の歌声(ラブライブ!でいうところのソロライブコレクションCDのソロ音源の様なモノ)があって、キャラを変えるとそのキャラの声の歌になって、大まかにではありますが歌割りも自由にできました。自分だけの歌唱メンバー・ユニット名・衣装・歌割りができる。ゲームセンターにプレイしに行くのは事務所に行くような感覚。そういった部部でまさに「プロデュース」的な遊びを体験するゲームがアイドルマスターの始まりでした。
■アイマスの構造的特徴
3Dライブシーンは当時はまだ(技術的・ノウハウ的にも)そんなに凝ったものでも無く、基本的にはその場に立って全員ほぼ共通の動きをしていました。
今も多くのアイドル系音ゲーのダンスシーンやモーションがそうであるように、キャラや配置を入れ替えても動きやダンスは共通モーションを適用することで、自由度を持たせつつデータや制作のコストを下げるという、3DCGのゲームでは一般的な発想と構造が根底にはあります。
…で、アイマスは元々がそういう共通化や組み替えを前提とした構造の(自分だけの組み合わせを楽しむ)ものだったので、CDも様々な組み合わせで歌唱していたり、リアルのライブもゲームコンテンツのイベントとしてその延長線上にありました(観客はライブでも「プロデューサー」としてライブを観に行く)。それもあってアイマスのリアルライブはよく歌唱メンバーの組み替えがあるし、「そういうもの」として受け入れられるコンセンサスというか、下地がある。
初期の楽曲である「団結」でも歌っているように、みんなまとめてアイドルマスター、的なところも。
■ラブライブ!とはそもそも―
一方、ラブライブ!はそもそも実在するいちアーティストとしてμ'sがデビューした、というところから始まっています。ユニットとして誕生し存在していて、アニメやゲームのキャラクターとしてではなくμ'sやAqours、Liella!というアイドルとして2次元と3次元双方に存在し活動しています。
また、そもそもがG's伝統の読者参加企型画ということや、「みんなで叶える物語」というキャッチコピーもあり、私たちはいちファンとして時に投票や総選挙といった形で参加し応援していきます。
■ラブライブ!の特徴とウリ
ラブライブ!の特徴はなんといっても、普通のアイドルグループと同じように活動していることにあります。自分たちの名義でCDを出し活動して、時には本当のアーティストと同じようにMVを付けたりもする。そしてそのパフォーマンスを実際に披露し(映像でキャラクターがやっていることは可能な限り再現するというのがある種の伝統になっています)、作り込まれたパフォーマンスで魅せることを特徴としウリとしています。
ちなみに、ラブライブ!シリーズのダンスの振り付けは、ももいろクローバーZの振り付けなどで有名な石川ゆみ先生。
例えば、オタク的信頼の厚い宮田君がいるキスマイと、先日Liella!も出演した番組で司会だった相葉くんの嵐は、大枠では同じ所のグループですがそれぞれに独自に活動していますし、同じ番組に出演したりすることはあっても、アーティストとしてはそうそう簡単にはコラボしたり、ましてや互いにメンバーをシャッフルしてパフォーマンスをやったりはしませんよね。多くのアーティストが基本的にはそうであるように、いちアーティストグループとして活動しているラブライブ!も基本的にはそれと同様です。
あとそう、ラブライブ!のライブは時期によっては物語の追体験・補完的な側面があるのも特徴で、TVアニメ1期を見たら、その後の時期に開催されていたライブを観る、という順番で鑑賞するとより楽しめると思います。
■親和性的な部分
アイマスの中でも、シャイニーカラーズなどはユニットが前面に押し出されているので、そういう点ではラブライブ!寄りだと思いますし、ラブライブ!でも虹ヶ咲は元々のゲームの構造的にも(アイマスで言うところの「P」に相当する存在として「あなた」が居る)アイマスに近い性質を持っています。
そして実際、それがアイマスファンは虹ヶ咲に、ラブライブ!ファンはシャニマスに入りやすいという傾向としても現れているのかなと。
蓮ノ空はバーチャルスクールアイドルと銘打っているだけあって、いわゆるVTuberの活動とよく似ていて、だからこそ「歌ってみた」的なことも割と簡単にやってしまえたりします。
vα-liv(ヴイアライヴ)は蓮ノ空よりもよりシンプルにVTuberですよね。
あと、アイマスに極めてよく似ている構造のコンテンツと言えば、「ウマ娘」でしょう(開発の初期に関わった人が元アイマス開発関係者というのもあると思いますが)。
ラブライブ!は最近ハンドマイクによる歌唱も増えてきていますし(それこそ蓮ノ空はハンドマイクが基本です)、そもそもアニメーションを背負っていない曲も昔から普通にたくさんある。
アイマスもゲームの3DCGダンス映像の進化に伴ってより凝ったダンスパフォーマンスになってきている傾向もあると思いますし、ユニット主体なシャイニーカラーズなどはラブライブ!に近い部分もあります。
そういう点では以前ほどアイマスはこうでラブライブ!はこうという単純な特徴や図式でも無くなっていると思いますが、それでもやはり、アイドル達や観客の立ち位置(アイドルと私との関係性)の違いは根本的な違いとしてありますし、パフォーマンス全体の印象、ダンスの振り付けの傾向や特徴などには意外と違いが現れていて、そこは見ていて面白かったですね。
■アイマスとラブライブ!のライブ衣装の違い
今回改めてそういえば違うんだなと感じたのが衣装ですね。
アイマスは基本的には楽曲と衣装が紐付いていません。これは最初に述べたように、曲も歌い手も衣装も組み合わせも自由に組み替えて遊ぶゲームだったということに端を発する部分も少なからずあると思います。
衣装はそれぞれのブランドやグループ(ユニット)のテーマカラーの様なものでもあって、所属や個人を識別するためのアイコンというか、異次元フェスでは着ている衣装のテイストの違いでなんとなくの所属の違いがわかるようになっていて興味深かったですね(そういう点では、コロコロ衣装を変えるラブライブ!は、特に異次元フェスの様な構成だと初見の人には誰がどのグループの人か識別が難しくなってしまう部分もあったかも知れません。Liella!は今回全体衣装とユニット衣装で固定でしたが)。
それに対して、ラブライブ!はこの曲を歌うならこの衣装というのがあって、ライブでも可能な限り再現しようとしますし、ファンの側も期待しています。そこはやはり、2次元を3次元の世界に顕現させること、キャラクターとキャストがイコールの存在であることに重きを置くからこその部分ですね。
それこそμ'sのFirstライブの時から既にその方向性はあって(当時はまだ衣装まで完全に再現するには至っていませんでしたが)、所々で幕間ムービーを流すという構成は、歌う曲に合わせて全員が衣装を着替える時間を稼ぐ必要があるからでもあります(とはいえ、近年のラブライブ!は構成の更なる工夫によっていつの間にか全員が衣装を着替えたりしてしまうのですが…)。
余談ですが、Liella!の衣装はAKBなどの衣装で知られるオサレカンパニーさんが制作されています。ちなみに、今回の異次元フェスの衣装で特に話題になっている「繚乱~」の衣装もオサレカンパニーさんだそうです。
そんなこんなで、いろいろと面白い再発見もあった異次元フェスでした。
ずいぶん前にblogに書いたやつも参考までに。
「ラブライブ!」について軽くまとめてみた。
バーチャルアイドルのライブ
アイドルコンテンツの分類を考えてみる
ラブライブ!について軽くまとめてみた2022
■アイマスとはそもそも―
アイマスはそもそもの起源がアーケードゲームで、プレイヤーがキャラを選んで自分だけのユニット(ソロ~3人)を組んで育成(プロデュース)して遊ぶゲーム。基本的には「個人(個々のアイドル)」の集合。
一応この歌はこの子といった持ち歌の概念はあるものの、初期のアイマスは全曲全員分の歌声(ラブライブ!でいうところのソロライブコレクションCDのソロ音源の様なモノ)があって、キャラを変えるとそのキャラの声の歌になって、大まかにではありますが歌割りも自由にできました。自分だけの歌唱メンバー・ユニット名・衣装・歌割りができる。ゲームセンターにプレイしに行くのは事務所に行くような感覚。そういった部部でまさに「プロデュース」的な遊びを体験するゲームがアイドルマスターの始まりでした。
■アイマスの構造的特徴
3Dライブシーンは当時はまだ(技術的・ノウハウ的にも)そんなに凝ったものでも無く、基本的にはその場に立って全員ほぼ共通の動きをしていました。
今も多くのアイドル系音ゲーのダンスシーンやモーションがそうであるように、キャラや配置を入れ替えても動きやダンスは共通モーションを適用することで、自由度を持たせつつデータや制作のコストを下げるという、3DCGのゲームでは一般的な発想と構造が根底にはあります。
…で、アイマスは元々がそういう共通化や組み替えを前提とした構造の(自分だけの組み合わせを楽しむ)ものだったので、CDも様々な組み合わせで歌唱していたり、リアルのライブもゲームコンテンツのイベントとしてその延長線上にありました(観客はライブでも「プロデューサー」としてライブを観に行く)。それもあってアイマスのリアルライブはよく歌唱メンバーの組み替えがあるし、「そういうもの」として受け入れられるコンセンサスというか、下地がある。
初期の楽曲である「団結」でも歌っているように、みんなまとめてアイドルマスター、的なところも。
■ラブライブ!とはそもそも―
一方、ラブライブ!はそもそも実在するいちアーティストとしてμ'sがデビューした、というところから始まっています。ユニットとして誕生し存在していて、アニメやゲームのキャラクターとしてではなくμ'sやAqours、Liella!というアイドルとして2次元と3次元双方に存在し活動しています。
また、そもそもがG's伝統の読者参加企型画ということや、「みんなで叶える物語」というキャッチコピーもあり、私たちはいちファンとして時に投票や総選挙といった形で参加し応援していきます。
■ラブライブ!の特徴とウリ
ラブライブ!の特徴はなんといっても、普通のアイドルグループと同じように活動していることにあります。自分たちの名義でCDを出し活動して、時には本当のアーティストと同じようにMVを付けたりもする。そしてそのパフォーマンスを実際に披露し(映像でキャラクターがやっていることは可能な限り再現するというのがある種の伝統になっています)、作り込まれたパフォーマンスで魅せることを特徴としウリとしています。
ちなみに、ラブライブ!シリーズのダンスの振り付けは、ももいろクローバーZの振り付けなどで有名な石川ゆみ先生。
例えば、オタク的信頼の厚い宮田君がいるキスマイと、先日Liella!も出演した番組で司会だった相葉くんの嵐は、大枠では同じ所のグループですがそれぞれに独自に活動していますし、同じ番組に出演したりすることはあっても、アーティストとしてはそうそう簡単にはコラボしたり、ましてや互いにメンバーをシャッフルしてパフォーマンスをやったりはしませんよね。多くのアーティストが基本的にはそうであるように、いちアーティストグループとして活動しているラブライブ!も基本的にはそれと同様です。
あとそう、ラブライブ!のライブは時期によっては物語の追体験・補完的な側面があるのも特徴で、TVアニメ1期を見たら、その後の時期に開催されていたライブを観る、という順番で鑑賞するとより楽しめると思います。
■親和性的な部分
アイマスの中でも、シャイニーカラーズなどはユニットが前面に押し出されているので、そういう点ではラブライブ!寄りだと思いますし、ラブライブ!でも虹ヶ咲は元々のゲームの構造的にも(アイマスで言うところの「P」に相当する存在として「あなた」が居る)アイマスに近い性質を持っています。
そして実際、それがアイマスファンは虹ヶ咲に、ラブライブ!ファンはシャニマスに入りやすいという傾向としても現れているのかなと。
蓮ノ空はバーチャルスクールアイドルと銘打っているだけあって、いわゆるVTuberの活動とよく似ていて、だからこそ「歌ってみた」的なことも割と簡単にやってしまえたりします。
vα-liv(ヴイアライヴ)は蓮ノ空よりもよりシンプルにVTuberですよね。
あと、アイマスに極めてよく似ている構造のコンテンツと言えば、「ウマ娘」でしょう(開発の初期に関わった人が元アイマス開発関係者というのもあると思いますが)。
ラブライブ!は最近ハンドマイクによる歌唱も増えてきていますし(それこそ蓮ノ空はハンドマイクが基本です)、そもそもアニメーションを背負っていない曲も昔から普通にたくさんある。
アイマスもゲームの3DCGダンス映像の進化に伴ってより凝ったダンスパフォーマンスになってきている傾向もあると思いますし、ユニット主体なシャイニーカラーズなどはラブライブ!に近い部分もあります。
そういう点では以前ほどアイマスはこうでラブライブ!はこうという単純な特徴や図式でも無くなっていると思いますが、それでもやはり、アイドル達や観客の立ち位置(アイドルと私との関係性)の違いは根本的な違いとしてありますし、パフォーマンス全体の印象、ダンスの振り付けの傾向や特徴などには意外と違いが現れていて、そこは見ていて面白かったですね。
■アイマスとラブライブ!のライブ衣装の違い
今回改めてそういえば違うんだなと感じたのが衣装ですね。
アイマスは基本的には楽曲と衣装が紐付いていません。これは最初に述べたように、曲も歌い手も衣装も組み合わせも自由に組み替えて遊ぶゲームだったということに端を発する部分も少なからずあると思います。
衣装はそれぞれのブランドやグループ(ユニット)のテーマカラーの様なものでもあって、所属や個人を識別するためのアイコンというか、異次元フェスでは着ている衣装のテイストの違いでなんとなくの所属の違いがわかるようになっていて興味深かったですね(そういう点では、コロコロ衣装を変えるラブライブ!は、特に異次元フェスの様な構成だと初見の人には誰がどのグループの人か識別が難しくなってしまう部分もあったかも知れません。Liella!は今回全体衣装とユニット衣装で固定でしたが)。
それに対して、ラブライブ!はこの曲を歌うならこの衣装というのがあって、ライブでも可能な限り再現しようとしますし、ファンの側も期待しています。そこはやはり、2次元を3次元の世界に顕現させること、キャラクターとキャストがイコールの存在であることに重きを置くからこその部分ですね。
それこそμ'sのFirstライブの時から既にその方向性はあって(当時はまだ衣装まで完全に再現するには至っていませんでしたが)、所々で幕間ムービーを流すという構成は、歌う曲に合わせて全員が衣装を着替える時間を稼ぐ必要があるからでもあります(とはいえ、近年のラブライブ!は構成の更なる工夫によっていつの間にか全員が衣装を着替えたりしてしまうのですが…)。
余談ですが、Liella!の衣装はAKBなどの衣装で知られるオサレカンパニーさんが制作されています。ちなみに、今回の異次元フェスの衣装で特に話題になっている「繚乱~」の衣装もオサレカンパニーさんだそうです。
そんなこんなで、いろいろと面白い再発見もあった異次元フェスでした。
ずいぶん前にblogに書いたやつも参考までに。
「ラブライブ!」について軽くまとめてみた。
バーチャルアイドルのライブ
アイドルコンテンツの分類を考えてみる
ラブライブ!について軽くまとめてみた2022
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