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TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」第8話感想 [アニメ]

#08「結ばれる想い」
#08「結ばれる想い」
 7話との前後編とも言える第8話。恋ちゃんの抱える思い。学校設立にまつわる歴史と思い。これまでに積み重ねられてきた布石。それらが結びつき、謎が解き明かされていく。
 学校にこめられた想い、そして迎えるグループの結成。ラブライブ!が「学校でアイドル」の物語である所以にも触れる名エピソードでしたね。

 再びの「前回の~」無しで始まる冒頭は、7話の続きから。
 恋ちゃんの口から明かされるお母さんと学校の話。
 「神宮音楽学校の生徒だった母は、“同じ場所に”再び学校を作りたいと願い続けていました」
 ところが、海外での仕事が決まっていたお父さんはそれに反対し家を出て行き、残されたお母さんはそれでも設立に向けて尽力したものの2年前に亡くなってしまった。
 お母さんが遺した学校のため、お父さんからの海外で一緒に暮らそうという提案も断り、今こうしてひとりきりで暮らしている。
 「母が遺したこの学校を、この街で一番の高校にしたい」、そして「より多くの生徒を集めなければその目標を成し遂げられない」。その一心で。

■散り散りの思い
 帰り際、勝手に押しかけたことを謝るかのんちゃんに、今までの態度から仕方ないと謝る恋ちゃん。そして今日話したことは生徒が不安になったり結ヶ丘に入学したことを後悔して欲しくないから一切口外しないで欲しいと言われます。
 要は学校の注目度を高め入学希望者を増やすための苦肉の策として、いわば学校の“ウリ”である音楽科を前面に押し出した学園祭を行うことにしたわけですが、そんな事情は知る由もない生徒達の間では、日に日に不満や対立が強まる一方。
 校内の雰囲気はどこか気まずいものになり、恋ちゃんには「創立者の娘とはいえ、学校はあなたのものじゃない」と厳しい声も向けられます。
 まぁ確かにそうですが、恋ちゃんもちょっと事務的に振る舞い過ぎなところもあるというか、根が真面目というか不器用なんですよね…。
 そんな様子を見かねたかのんちゃん。なんとかできないかと音楽科、普通科双方の生徒から話を聞いてはみますが、解決の糸口も見えず。恋ちゃんは普通科から嫌われ者のようになるし、そうこうしているうちにも音楽科主体で進んでいく学園祭の準備。

 どうしたものかと部室で途方に暮れるかのんちゃん達の元に、「私のせいです…」と部室に現れる恋ちゃん。かのんちゃんたちが話を聞いて回っていることを知って部室に来たようです。
 「私の発言のせいでみんなを困らせてしまいました…」と後悔する恋ちゃん。
 発端となったのは恋ちゃんの発言なのは確かですし、もうちょっと上手く説明しておけば的な部分もあったとも思いますが、後悔先に立たず。たらればを言っても仕方が無い。それに、すみれちゃんも言うように元々あった音楽科と普通科の溝も事態をこじれさせている要因でもあります。恋ちゃんの言い方がまずかったというだけでもない。
 今回の件に関しては理事長先生からも「明日の全校集会できちんと話し合いなさい。そこでまとまらなければ今年の学園祭は中止とします」と言われたそうで、まぁ確かに内輪でゴタゴタ揉めているような学園祭を見せたところでかえって印象を悪くするだけですし、学園祭をやりたいという気持ちは恋ちゃんだけでなく、音楽科も普通科の生徒も同じでしょう。
 ともあれ、今からでもちゃんと説明し直してみんなで一緒にやろうと促せば間に合うと諭すかのんちゃんでしたが、それを承知の上でやはり「スクールアイドルだけはやめて欲しい」「この学校で活動しないで欲しい」と頑なな恋ちゃん。
 なぜそこまで固執するのか。
 「理由を教えてくれる?」

■秘められた想い
 かつて“ここ”には、学校を救うためにアイドル活動をする生徒がいたこと。そしてそれが恋ちゃんのお母さん、葉月花さんだったこと。やはり部室のプレートは当時のものでした。しかも「まだスクールアイドルという言葉が生まれるずっと前のこと」だから「学校アイドル部」だったんですね。というか、ラブライブ!シリーズのかなり根源的な部分ですよそれ。
 そんな恋ちゃんのお母さん達の活動は話題になり注目を集めたものの、結局学校は廃校になった。
 「だから私は、母が新たに作ったこの学校で、スクールアイドルを始めようと思っていました」「母が願ったスクールアイドル活動で、学校を盛り上げようと」
 …えっ?どういうこと?
 「あんなに嫌がってましたデスのに?」ですよね。
 「じゃあ一緒にやろうよ!それこそ、私たちで力を合わせれば…」と誘うかのんちゃんでしたが、「何も残っていないのです!」と恋ちゃん。
 いくら探しても、母のスクールアイドル活動の思い出や記録だけが見つからない。学校でアイドル活動をしたその記録だけがどこにもない。
 「それで思ったのです。もしかしたら、母は後悔していたのではないか。スクールアイドルでは学校を救えないと感じていたのではないかと…」
 大切な写真一枚残さないほどに。だからこの学校でスクールアイドルはやるべきではないのだと考えた。
 とはいえ、だからと言ってかのんちゃんたちの活動を禁止することはないでしょうし、すみれちゃんが言うように「少なくとも、私らには何も関係ない」ことではあります。
 ただまぁ、恋ちゃんとしては、記録も一切残っていないと言うことは母はこの学校で再びスクールアイドルが活動することを望んでいないのではないか、そう考えたのでしょう。母の思いを継ぎたい、母の望んだ学校の姿を守りたいと考える恋ちゃんにとって、母が望んでいなかったことはやりたくない。だからスクールアイドルが活動することは認められない、と。
 でも、アルバムに映っていた恋ちゃんのお母さんの笑顔は輝いていた。決して後悔していたようには思えない。だから確かめたいと言うかのんちゃん。
 理事長先生に申し出て神宮音楽学校時代の資料を調べますが、やはり何も出てきません。当時の部活の記録はあるけれど、学校アイドル部のものだけが無い。
 そこだけ記録がないのはあえて処分したとしか思えないと恋ちゃん。
 「何か言ってはいなかったのデスか?」
 「いえ…。小さな頃聞かされたかもしれませんが…。ただ、いつも口癖のように“同じ場所で、想いが繋がっていて欲しい”…と」
 「だからここに学校を作った…ってことだよね」
 いえ、それだけではないはずです。
 「同じ場所で…想いが繋がる…」
 何かに思い当たったかのんちゃん。
 「この部屋の鍵って、葉月さんが渡してくれたよね」
 部室の鍵。そこには部屋の鍵とは別に何故かもう一つ鍵が付いていました。
 「理事長が見当たらないというので、家を探したら私の机から」
 なんと!それを早く言ってよ!w
 その言葉で部室に何かあるはずと確信したかのんちゃん。急いで部室に向かいます(このとき「廊下は走らないで」って言ってる恋ちゃんが地味に可愛い。真面目だなぁw)。
 そして部室の奥にあった物置部屋で見つけた古めかしい鍵穴の付いた箱。間違いありません。
 「これ、もしかして!」

■結ばれる名前
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 そして運命の全校集会。
 まずは先日の自分の発言で混乱を招いてしまったことを謝る恋ちゃん。
 この学校の良さを外の人に知ってもらいたかった。そして訳があって音楽科をメインにと考えたこと。しかしそれを説明する前に生徒からの不満の声が遮ります。ざわつく生徒達。うーん、キミたちまずはちゃんと話を聞きましょう、そういうとこが事態をこじらせてるんやで(苦笑)
 そんな中、それでもちゃんと説明しようとする恋ちゃんですが、「スクールアイドルもやっぱり禁止なんですか?」という言葉が耳に届いて「…それだけは…」と言葉に詰まります。
 と、そこへ「待って!」とかのちゃんが登場。手には何やらノートを持っています。理事長先生の許しをもらい壇上に上がったかのんちゃん、「さっき、スクールアイドル同好会の部室で、このノートを見つけました」と手にしたノートを見せます。
 “神宮音楽学校アイドル部Diary”と書かれた一冊のノート。
 そこにはかつてこの学校が廃校の危機に瀕したとき、アイドル活動で生徒を集めようとした生徒の想いが記されていました。
 学校でアイドル活動を続けたけれど、結局、学校は無くなることになったこと。
 「でも、私たちは何一つ後悔していない」
 「学校がひとつになれたから。この活動を通じて、音楽を通じて、みんなが結ばれたから。最高の学校を作り上げることができたから」
 学校がひとつになり、音楽を通じて最高の学校を作れた。一緒に夢を描き、一喜一憂する奇跡のような時間を過ごすことができた。だから約束した。

 「“結”と冠した学校を、必ずここにもう一度創る」
 「音楽で結ばれる学校を、ここにもう一度創る」
 「それが私の夢。どうしても叶えたい夢」

 まさしく、葉月花さんの“私の叶えたい夢”がそこに記されていた。
 「この学校を作った葉月さんのお母さんは、音楽で結ばれることを望んでいたんだよ」
 そしてこの結ヶ丘女子高等学校は…。
 「その夢を叶えるための学校。普通科も音楽科も、心が結ばれている学校」
 私を叶える物語を、みんなで叶える物語。繋がった!素晴らしい!

 「スクールアイドルは、お母さんにとって最高の思い出だったんだよ」
 「最高の…思い出…」
 思い起こされるあの日の母の、嬉しそうな笑顔の母の言葉。
 「恋…。スクールアイドルは、お母さんの最高の思い出!」

 「これも、ノートと一緒に」
 可可ちゃんが差し出したのは、かつて恋ちゃんのお母さんが着ていた衣装。
 涙する恋ちゃん。
 そして、学校創立者の知られざる想いに触れ、恋ちゃんと同じように、これまでの行いを悔い、いま改めてひとつになろうと前に進み始めた結女の生徒達。

 かくして謎も誤解もわだかまりも解け、ひとまず一件落着。
 「残っていたお母さん達の活動の記録」とどこかに仕舞ってあった資料を出してくる理事長先生。恋ちゃんのお母さんがスクールアイドル活動をしていたことも知っていたそうです。
 「どうして言ってくれなかったんですか」
 「責めないでよ。何も言わないで欲しいって、ただあの子が自分で決めるのを見守っていて欲しいって」
 まったく迷惑ったらありゃしないと愚痴をこぼす理事長先生。
 恋ちゃんのお母さんとしては、母の遺志にはとらわれず、自分の思う道を自分で決めて進んで欲しかったのでしょう。そのうえで秘密の箱を見つけて欲しかったから、鍵だけを恋ちゃんの机の引き出しに仕舞うという特別な残し方をした。
 あえて当時と同じ部室を割り当てたのも、理事長先生からのささやかなヒントだったのでしょう。
 結果的には資料を隠してしまったことが恋ちゃんのちょっとした疑心暗鬼を生んでしまったのですが、まぁそれも含めて乗り越えた。結果オーライです。
 音楽科と普通科の溝とか軋轢とか、これまで燻っていたモノが一気に表面化して、いったんそういうのを出し切って、なにやってたんだろうって気づけたという点でも一連の出来事は悪いことではなかったとも言えますし、全校生徒で結ヶ丘女子高等学校に込められた想いを共有できた、それこそ“結ばれた”ことに大きな意義があったと思いますね。
 あと、日誌の写真や回想、理事長先生の語り口を聞いていると、恋ちゃんのお母さんもけっこうお茶目でいたずらっぽい性格だったのかな、なんて気もします。
 理事長先生も肩の荷が下りたという感じでくだけた雰囲気になって(7話のたこ焼きの件でもその片鱗が見えていたんですね…)、今後の活躍にも期待したいところ(笑)

■“結”び“成”される想い
 そして改めて恋ちゃんをスクールアイドルに誘うかのんちゃん。
 「私、恋ちゃんと一緒にスクールアイドルとして歌いたい」
 「この学校のために。いや、この学校で作られた沢山の想いのために!」
 私でいいのかと躊躇う恋ちゃんですが、風がそっと恋ちゃんの背中を押します。一歩前へ。そしてしっかりと自らの意思で手を取ります。
 風に押されて勢いで手を掴んだとかではなく、ちゃんと自ら手を取るというところが素晴らしい。
 さあ、学園祭に向けて準備です!
 音楽科も普通科も一丸となり、みんな遅くまで残って学園祭の準備(公募で選ばれた結女マスコットキャラの「ゆいがおー」のぬいぐるみも出てきましたね。意外とでかいw そしてちゃっかり乗っかっている結いウサギ)。
 果たして入学希望者が増えるかどうか、それはわかりません。でも…
 「私ね、始まりの瞬間が好きなの」
 そう、今まさに何かが始まろうとしている。

 「そうだ」と手を差し出すかのんちゃん。「せっかくだからやってみようかなと思って」。円陣ですね!「おお!もしかして!可可夢見てマシタ!」と可可ちゃんも興奮気味ですw わかる、わかるよw

 「この学校を、歌で結んでいこう!」
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「1」「2」「3」「4」「5」
「結ヶ丘女子高校スクールアイドル部!」
「Song for Me, Sonf for You...」
「Song for All !!!!!

 何度見てもこの瞬間はグッときますね…。

 そして5人揃って初めての曲、「Wish Song」。美しい旋律と5人のハーモニーがとても素敵です。

 「五線譜」という歌詞にもハッとさせられました。ラブライブ!スーパースター!!というタイトルもあってLiella!の5人=星というふうに考えがちでしたが、五線譜も「5」です。そして五線譜の上で音符が“結んで”いくもの、それこそまさに音楽であり歌。
 5人揃ったLiella!の始まりに、そして「結女」の魅力を伝える学園祭のステージに、これほどふさわしい歌は他に無いでしょう。
 シリーズ伝統の芝生に囲まれた野外ステージで、シンプルな衣装に身を包んだ5人が歌うその姿も本当に感動的でしたね。

 歌い終えた5人は力強く宣言します。
 「私たちは、結ヶ丘女子高等学校の…」
 「スクールアイドルです!」
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 そしてここでサブタイトル!…美しい、完璧すぎる…。


■スクールアイドルの物語
 今回はグループ全員集合というターニングポイントになる回だったわけですが、もう一つ見逃せない点としてグループ名より先に学校名の由来が物語の重要な要素として明確に描かれた、という事が挙げられると思います。
 今作は学校名も公募と投票で選ばれました。だからこそグループ名と同じように学校の名前の由来も物語と密接に結びついて描かれたというのもあるでしょう。
 学校(そして学校名)そのものが「私を叶える」夢の結晶であり、込められた願いが「みんなで叶える」夢となり、そしてその「始まり」がまさに「学校でアイドル」をやったことであり、それがスクールアイドルの原点となり「今」に連なっている。ラブライブ!を象徴するキーワードが、これほど美しく結びついたエピソードがあったでしょうか。
 あと、7話で「また廃校か」みたいな見方をする声ももしかしたら一部であったかもしれません(知らんけどw)。でも、そんな「廃校」要素も含めて鮮やかに包み込んで見せた見事な回だったと思います。というかそもそも、結女に対しての廃校という表現は出てきてないんですけどね。
 そして最後の「私たちは、結ヶ丘女子高等学校のスクールアイドルです!」と言う言葉。勿論かのんちゃん達5人の事でもあるのですが、結女全校生徒を指しての「私たち」でもあると思います。そういう意味でも8話は「スクールアイドルの物語」でもあった気がしますね。

 そして次回、「君たちの名は?」
 今度こそ、もしかして私…入れ替わってる!?(違います)

 学校名のお話でもあった今回に続き、次回はいよいよグループ名を決めるお話になりそうです。
 感動のクライマックスからのドタバタを予感させる次回予告、からの、これまでのバラード調とは変わってキュートなリエラのうたも楽しくて、次回も楽しみです!

 ■感想の続き、追加で語る8話見所チェックはこちら。

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