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「IDOLY PRIDE」第1話感想 [アニメ]

 EPISODE:1「この一歩から」
EPISODE:1「この一歩から」
 密かに注目していた新たなアイドルコンテンツ「IDOLY PRIDE」。そのTVアニメシリーズがいよいよスタートしました。プロジェクト自体は2019年頃から動いていて、YouTubeの公式チャンネルにはMVや自己紹介動画などがけっこうアップされていたりします(バーチャルライブ映像は正直ちょっと違和感の方が強くて微妙かなと思わなくもないw)
 このコンテンツを知ったきっかけは、初音ミクの楽曲などで知られるkz(livetune)さんの楽曲提供作品の中にあったことですね。「Aile to Yell」という曲で、これがまたkz楽曲の魅力全開な曲で気に入って、そこからコンテンツもチェックして興味を持ったという感じです。
 とまぁ、前置きはこれくらいにして、1話の感想でも。

 【ネタバレ注意!】割と重大なネタバレを含むので、できれば視聴後に続きを読むことを推奨します。

 冒頭、いよいよこのときを迎えた、さあ、ステージへ!的なシーンからスタートし、そこから5年前の回想へ。1話は大部分がこの回想シーンで、まるっとプロローグ的なエピソードになっているのですが、いずれこの冒頭の場面へと帰結する(そしてこの先のステージでクライマックスになる)物語になるのだろうなというのを予感させます。
 そしてどうでもいいことですが、5年前の回想シーンで高校生って事は、冒頭のシーンは22、23歳。それでいっちょまえに檄を飛ばしているいるわけで、正直そこはいかにもギャルゲー的というかラノベ的な都合の良さを感じてしまったところではあります(笑)。

 1話では高校生時代の航平と麻奈の出会いから、航平が麻奈の専属マネージャーとして付いて麻奈がアイドルデビューし、スターダムを駆け上がっていくところがメインで描かれてくのですが、よくアイドルゲームなどであるアイドルランク的なシステムを、実際にそういうシステムが導入されてアイドルの勝ち負けを判定している、そして多くのアイドルがそこでトップアイドルを目指して競い合っている、という具体的な設定として盛り込んできたのはなかなか面白いなと思った部分です。
 これまでの多くのアイドル作品では、トップアイドルを目指す、というお話はやるものの、アイドルの大会って一体何なの?どう優劣を決しているの?といった部分は曖昧なことがほとんどで、そこを具体的にこういうシステムになっていると明確にしてきたのは意外でした。
 また、途中のアイドルランクを駆け上がっていくシーンで挿入歌として流れた楽曲、アニメ本編では止め絵でダイジェストシーン的な演出ですが、実は既にYouTubeで長瀬麻奈のニューシングルのMVとしてアニメとは関係なく公開されているんですよね。

 ちゃんとアイドルのMVという感じなのも良いですね。

 TVアニメはあくまで物語を描くもので、ダンスシーンとかそういうのは実際のライブ描写として入れる必要が無ければ無理に入れず、あくまで挿入歌は挿入歌。そしてそれとは別に実在するアイドルのMVとして既にネットで動画が公開されているというのは、アイドルアニメは(劇中で)ライブシーンをやってナンボという常識にとらわれないというか、その枠を超えた2.5次元アイドル的なコンテンツの新たな仕掛けとして面白い試みですし大いに評価したいポイントです。

 そしてまさかのヒロイン事故死という衝撃の展開。からのまさかの幽霊になって再び現れるという更なる衝撃の展開ですよ!w
 正直なところを言うと、事前に公開されていたトレイラーやPVを見た感じでは、まぁよくあるアイドル芸能事務所モノかなぁとタカを括っていたところもあったのですが、まさかそうくるとは思ってもみませんでした(笑)。
 悲しみに暮れた雰囲気から一転していくラストの展開は、幽霊麻奈のユーモラスさもあってコミカルで明るく不思議なワクワク感がありました。

EPISODE:1「この一歩から」
 1話ラストは再び現在に戻って、これからのメインヒロインとなるふたりの少女の運命の出会い?で、次回へ続く。
 からのオープニングも良かったですね!曲が凄く好みです。

 ■1/12追記:OP映像が公開になりました!



■この一歩からの物語
 さて、そんなこんなの1話サブタイトルの「この一歩から」。これにはいくつかの意味があると思うんですよね。
 ひとつは、高校時代の航平と麻奈から始まった「この一歩から」。ここが全てのはじまりの一歩です。
 そして麻奈の事故死によって何もかも失い終わってしまったかに思えたはじまりの一歩の物語が、幽霊となった麻奈と再会したことで、あの日と同じ教室のあの場所で再び「この一歩から」始まる。
 そのうえで、麻奈の妹の琴乃とさくらの運命的な出会い。もうひとつの「この一歩から」です。このふたりがいわゆるダブルセンター的なポジションとして描かれていくであろう、このアニメのメインとなる彼女たちのはじまりの一歩。
 これらの「この一歩から」始まった物語が、最終的に冒頭のシーンにどう帰結していくのか。そこがこのTVアニメシリーズの見所かなと。
 そうそう、冒頭シーンでの語り口からすると、あの時点ではもう成仏(?)して傍らには居ないという感じなんですよね。星見プロのアイドル達の出会いと成長の物語と並行して、航平と麻奈の“本当の別れ”に向けてどう物語が描かれていくのか。このタイプのシチュエーションでは、星里もちるの「夢かもしんない」(主人公の前に20年前に死んだアイドルの幽霊が現れて…)や、海原零の「銀盤カレイドスコープ」(フィギュアスケーターのヒロインに何故かカナダ人の幽霊が憑依して…)といった名作も思い起こされ、個人的にも好みなので、そこも楽しみにしていきたいところです。

 夢かもしんない(Amazon)|銀盤カレイドスコープ(Amazon)

■新たな2.5次元コンテンツのスタイル
 「IDOLY PRIDE」というプロジェクトの面白いところは、かなり意識的にアニメとゲームと仮想と現実のリンクや複合的なメディア展開を意識している、ごっこ遊び感を重視している、という点ですね。
 先にも述べたように、リアルに既に楽曲やMVが公開されていたり、アイドル達のインタビュー風動画があったり、資料が公開されていたり、2.5時限的な仕掛けや、いわゆる環境ストーリーテリング的な手法が効果的に用いられていたりと、既にかなりのボリュームのサイドコンテンツが用意されており、そういう部分での面白さとも相まって、これはちょっと侮れないぞ、と。
 ちなみに、1話のメインだった5年前のエピソードは、コミカライズで展開されていたりもします。

 アニメの放送終了と同時にアプリゲームの情報を大々的に出してきたり、アニメ放送直後からすぐにオープニング主題歌の配信開始&フルMVを公開(アニメとは独立して、アニメOPとは別の映像で、あくまでいちアイドルの楽曲的にMVが存在する)というのも斬新な試みですし、欲しいと思ったときに既にあるというのも素晴らしい。展開にもスピード感があります。


 YouTubeで即日公開になったMV。可愛らしい映像。楽曲もストリーミングサービスで聴いたり音楽ダウンロードで既に買うことができます。これから12週連続でアニメ放送後に新曲配信&MVが解禁されていくそうで、なかなか凄いですね。

 ポータルサイトではアカウント登録をしてマネジメント担当アイドルを決めて名刺を作ったり、専用コンテンツを楽しめたりと言った工夫も凝らされていますし、ゲームの詳細はまだ不明ですが、『アイドルからメッセージが届く,電話がかかってくるなど,マネージャーだからこそ体験できる機能も用意される(4Gamer.net)』らしく、疑似体験感を重視しているのが窺えます。
 余談ですが、自分はアーケード版時代の初期の「THE IDOLM@STER」を遊んでいました。正直言ってゲームとしては特筆するほど斬新で面白いものでもなかったのですが、ゲームセンターを事務所に見立ててわざわざ足を運んで育成する、携帯にリアルにメールが来る、という部分がアイマスの面白さの7割くらいというか、ゲーム体験の本質だったと今でも思っています(そしてコンシューマ以降のアイマスはそういったごっこ遊び部分が薄れてしまった)
 なんというか、それに近いモノを感じるんですよね。久々に体験の面白さで楽しめるアイドルコンテンツという感じがして、そういう点でも期待したいところです。

 「IDOLY PRIDE」公式サイト
 TVアニメ「IDOLY PRIDE」公式サイト





 アニメ放送直後に発表され、公開になったアプリゲームのCM。アイドルから電話がかかってくる、というのは、学校祭ライブの謎解きでの体験も思い起こさせます。「アイドルマネジメントRPG」というジャンルも、ときドルの「学園アイドルコミュニケーション」と通じるモノがあって期待させられます。文字通りマネジメントをロールプレイするゲームであって欲しいなと。


 少し長めのステージ映像も公開になっているのですが、なかなかのクオリティもさることながら、観客やペンライトの表現がちゃんとそれっぽいのが何気に凄い(笑)。これまでのほとんどのアイドルゲームで見られた光る棒がバタバタしているだけの客席描写とは一線を画しています。


 「IDOLY PRIDE」を知ったきっかけはこのkz曲。とてもとても好みです。あと、狙ってなのか知らないけれど、キャストの顔ぶれがあのグループと同じですw


IDOLY PRIDE Beginning of Lodestar 1 (電撃コミックスNEXT)

IDOLY PRIDE Beginning of Lodestar 1 (電撃コミックスNEXT)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: コミック






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