ラブライブ!サンシャイン!! 2nd Season 第5話感想 [アニメ]
#05「犬を拾う。」
地区予選に向けて沼津でのスタジオ練習に励む一同。何気に曜ちゃんが「入学希望者も50人超えてきた」と言っていたのも見逃せませんね。
しっかり練習したいところですが、雨や風も強まってきたので今日のところは解散。各々車で送ってもらう中、善子だけは家まで近いということでひとり歩いて帰ることに。
「胸騒ぎがするこの空。最終決戦的な何かが始まろうと…」とか言っている矢先に突風で傘を飛ばされる善子。善子を翻弄するかのような傘の動きに、「何、その動き。もしかして、何かが私を導いて…」とか言ってたら、本当に導いていたかのように傘を拾ったブロックの隙間に何かを見つけてふっと笑みを見せる善子。
いつもの中二病な感じのギャグパートかと思わせておいての、サブタイトルの「犬を拾う。」から犬が居たんだなと連想させるのもなかなか見事です。
■出会い
Aパート。何やらしいたけに触ろうと挑戦している梨子ちゃん。目が合って触れそうな気がしたらしく、それを聞いて「ほんと!」と嬉しそうな千歌ちゃん。どうぞどうぞと梨子の手を取って触らせようとしますが、ワンと吠えたのに驚いて梨子ちゃんは飛びのいてしまいます。
「しいたけ梨子ちゃんのこと大好きだと思うんだけどなぁ」と千歌ちゃんが言う通り、確かに少なくとも警戒はしていなさそうですよね。つぶらな瞳で見つめてますし(笑)、千歌ちゃん曰く、「犬は見ただけで敵と味方を見分ける不思議な力がある」そうです。
それはそうと、この日は千歌ちゃんの家で作戦会議。ラブライブ!地区予選に挑むにあたっての曲のテーマを話し合っているようです。
善子は「暗黒」を推しているようですが、さすがにそれは有り得ないと却下。千歌ちゃんはいつものように「やっぱり輝きだよ!」と提案。確かにAqoursにとって象徴的なテーマではありますが、「Aqoursの可能性を広げるためには他にも模索が必要」とダイヤさん…ちゃん。
実際、SaintSnowの2人などもひと味違った曲調で攻めてきている様子。
何か新しい要素も、と話し合う中、鞠莉はまたしても居眠りw そして善子はいつの間にかしいたけと入れ替わって一足先に帰り、なにやらホームセンターに寄り道。
一方、善子のお母さんが忘れていった携帯電話を届けにやってきた梨子。
「ここら辺だったわよね」と付近を探していると、神社の片隅に置かれた怪しげなゲージを発見。「何?」と覗き込んでみると…「ワン!」中には犬が。驚いた梨子を「静かにしなさい!」と背後から羽交い締めにする善子。
とりあえず落ち着いたところで、犬に餌をやる善子。「あら…かわいい…」と引きつった表情の梨子と、「フフ、慌てて食べなくてもいいのよ」と優しい堕天使ボイスでささやく善子。
善子が言うには拾ったのではなく出会った、「ディスティニーが二人を引き合わせた」という犬。しかし、善子の家は動物禁止のため飼うことができないらしく…。
「ほんの少しの間でいいの、この子の生きていく場所は私が見つけるから」と言う善子に対し、「そうだ、花丸ちゃんかルビィちゃんに頼んだら?」とかわす梨子。
とはいえ、花丸もルビィも家の許可を取るのが面倒のようですし、鞠莉はホテル、果南はお店、千歌ちゃんのところはしいたけがいるので難しい。
「じゃあ、曜ちゃんとか」とあくまで拒む梨子ちゃんに「そんなに嫌なの?」と善子。
まぁ実際の所曜ちゃんの所なら特に問題も無さそうですし近くでもあるのでそのつもりだったかもしれません。しかし、誰かにいったん預かってもらわないと、と思っていたところへ、たまたまそこに梨子がやってきて犬のことを見つけた、というのもある意味“ディスティニー”かもしれない、と善子は感じたのではないでしょうか。
「とにかくお願い!この子は堕天使ヨハネにとって神々の黄昏に匹敵する重大議決事項なの!」
というわけで、なりゆきで犬を預かることになった梨子ちゃん。
とはいえやはり小型犬でも犬は苦手(1期でもわたあめちゃんですら怖がっていましたからね)。かといってご飯をあげないわけにもいかない。仕方なく、ゲージの前に餌を置いて、扉にリードを結びつけて離れたところから開ける梨子ちゃんでしたが、ご飯を一口二口食べたところで、いっしょに遊ぼうとばかりに寄ってくる犬に慌ててドアを閉めます(ちょっとしゅんとした感じの犬の仕草もいかにもそれっぽい)。「敵と味方を見分ける不思議な力か…」と千歌ちゃんの言葉を思い出してそっとドアを開けると、嬉しそうにこっちを見ている犬。そんな様子に梨子ちゃんも思わず笑みがこぼれます。
このシーンの犬の動作は、ほんとうにいかにもあるあるな感じで可愛らしかった。
■別れ
夕暮れの屋上で練習に励むメンバーたち(このダンスフォーメーションも新曲のものだったりするのでしょうか)。日も短くなってきているので、今日の練習はこれまでということになり、「じゃあ終わり!今日は先帰るね!」とそそくさと帰っていく梨子。そんな梨子を「ムムム」な表情で見送る善子。
「このところ練習終わるとすぐ帰っちゃう」みたいですし、善子もペット用品を買いに行っていたホームセンターに嬉々として行ってたりと、すっかり愛着が出てきて犬の世話が楽しみになっている様子。とはいえ、ゲージからは出さないあたりがまだ犬自体と直接ふれあうのは怖いみたいです。
そこへ善子が訪ねてきました。「梨子ちゃん、犬凄い苦手だからやっぱり私の家で預かろうかなーって」と言う善子に、「あら、善子ちゃんの家はマンションだから駄目って聞いたけど」「少しなら大丈夫よ」「駄目って言うから私が預かったのよ」「さあご飯にしましょうねノクターン」「ノクターン…」とお互い譲らない痴話喧嘩勃発(笑)
「ま、どうぞごゆっくり」
「ちょっと!ノクターンって何よ!」「この子の名前!いつまでもわんちゃんじゃかわいそうでしょ」「この子は私が出会ったのよ!名前だってライラプスっていう立派なのがあるんだから」と口論は続きますw
と、そこへ梨子のお母さんが沼津の方で貰ってきたという迷い犬探してますというチラシを持ってきました。そこに載っていた犬はまさしく今目の前にいる犬。そして名前は「あんこ」…。ノクターンでもライラプスでもありませんでした。
というわけで、後日「あんこ」は無事飼い主の女の子の元に。
「あんこー良かったねー」と嬉しそうな女の子。犬もじゃれて喜んでいます。「あんこもお礼を言いなさい」と言われ、すたすたと梨子のまえに駆け寄って「ありがとう」と抱っこしたあんこを差し出す女の子。
戸惑いつつも手を差し出す梨子。怖くて触れない。かといって飼い主の女の子の前で露骨に怖がるわけにもいきません。そんな梨子を察してかどうか、差し出したまま躊躇う梨子の手をペロっとひと舐めするあんこ。
ハッとなる梨子。
女の子が「バイバーイ」と帰っていくなか、舐められた手を見つめる梨子。そして「うえーん、ライラプスぅー!」と泣く善子かわいいw
あんことの別れは、切ないけど良いシーンでしたね。
たぶん梨子ちゃんは結局一度も触ったりなでたりはしていない。でも、あんこの面倒を見るのは毎日の楽しみになっていた。恐る恐るだけどご飯もあげていただろうし、ゲージに入れっぱなしではあったけど、おもちゃを飼ってきて遊んだりもしてくれた。
そんな梨子の手を、そっと、ペロッと舐めるあんこ。ありがとうの気持ちか、お別れの挨拶か。
ちなみにこのシーンでワンフレーズだけ流れたBGM、「友情Diary」なんですよね。
■不思議な力
Bパート。部室のホワイトボードに書かれたワードの数々。これらが新曲にも反映されていたりするのでしょうか。そしてそんなホワイトボードを一人見つめる果南(慌てて隠したノートも気になります)。千歌ちゃんの「果南ちゃんはアイディアある?」という問いに、「ただ私は後悔しないようにするだけ。これが最後のラブライブ!だしね」と応えます。「ダイヤと鞠莉とここで曲を作って、その思いがつながって、偶然が重なってここまで来たんだもん。やりきったって思いたい」と。
そこへ曜ちゃんが「大変!」と駆け込んできます。何事かと思えば、梨子ちゃんと善子が情緒不安定(笑)
二人揃ってグラウンドに犬の絵を描いて(梨子ちゃんが書いたノクターンの絵は中の人であるところの逢田画伯の絵が元ネタですよねw)、棒を投げて「取ってこい…」とかやって溜め息付いてます。これは重傷です。しまいには「よく考えてみれば、あの人が飼い主だって証拠は無いはず」とか言い出す善子。
そんなこんなで、あんこの飼い主のお宅へとやってきた善子と梨子。「ライラプスの気配が、あの壁の向こうから」とか言いつつ隣の家と間違えたり、「呼び寄せる!」とかやっているところへ飼い主のお母さんが帰ってきたりとすったもんだありつつ、向かいの駐車場で出てくるのを待つ二人。
「前にも言ったけど、あの子は私にとって特別なの」と頑なに待つ善子。そんな様子が気になりつつもひとり先に帰る梨子でしたが、バスを待っているうちに雨が。
雨の中、相変わらず待ち続ける善子。そこへ「考えてみたら、帰っちゃったら、本当に出てきたときに会えないなって」と差し入れを持って戻ってきた梨子。
しとしとと降り続く雨の中、じっと待ち続ける二人。梨子は善子にどうして「運命」なのかをたずねます。ちょっとためらうようなそぶりを見せて善子は言います。「堕天使って、居ると思う?」と。
小さい頃からずっと運が悪く、何をしても自分だけ上手くいかなかったという善子。それで自分は特別で、だから見えない力が働いて(不幸な目に遭ったり上手くいかなかったりして)いると思うことにした、それが「堕天使」を自称するきっかけだったと。
そしてもう、薄々そんなはずはないと感じていること。
でも、本当に運命や見えない力というのは全く無いのか。そんなときに、まさに何か見えない力で引き寄せられる様に出会ったのが、ライラプスだった。
「これは絶対、偶然じゃ無くて、何かに導かれてるんだって。そう思った」
「不思議な力が働いたんだって」
そんな話をしているうちに、いつしか雨は上がり、雲間からは夕日が差してきました。まさに不思議な力が働いたかのような雨上がり。ちなみにこのシーンの様な雲間から差す光にはよく知られている通称があったりするわけですよ。「天使のはしご」っていうね。まぁそこまで意図した演出かどうかはさておき、BGMとも相まってとても印象的な場面です。
「はい、ライラプス」と缶ジュースを梨子に渡す善子。怪訝な表情の梨子でしたが、缶のラベルを見て納得。「あんこたっぷりぜんざい」。「ノクターン!」と訂正するやりとりがなんともユーモアが効いていて可笑しい。
と、そのとき。
「やんだねー!」と飼い主の女の子が「あんこ」を連れて出てきました!「萌ちゃーん、ちょっと」と母親に呼ばれて、あんこを門の扉につないで戻っていく女の子。
その様子を呆然と見つめていた善子。手にしていたぜんざいの缶を差し出して「気づいて!」と念を送ります。
そして…何かに気づいたかのように振り向くあんこ。
「見た…。私よ、わかる?」と問いかける善子でしたが、「?」と首をかしげるあんこ。そこへ飼い主の萌ちゃんも戻ってきてすっかり興味は移ってしまいます。そしてそのまま再びお家の中へ。
「ははは…」と苦笑いの善子。「やっぱり偶然だったようね。この堕天使ヨハネに気づかないなんて」と強がって見せます。少し寂しそうな、でも優しい表情が印象的。
そんな善子に、梨子ちゃんは言います。「でも、見てくれた」「見えない力はあると思う。善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも」「だから信じている限り、きっとその力は、働いてると思うよ」と。
その夜。家の前で雨上がりの満月を見つめ、「偶然が重なって、ここまで来た…、か」と果南の言葉を思い出す千歌ちゃん。
家に戻ろうとしたら、旅館の玄関でしいたけをなでてみようとしている梨子ちゃんが。
どうしたの?と問う千歌ちゃんに、「試してみようかなって。これも出会いだから」と応える梨子。
「私ね、もしかして、この世界に偶然って無いのかもって思ったの」
「偶然は…無い」
「いろんな人が、いろんな想いを抱いて、その想いが見えない力になって、引き寄せられて、運命のように出会う。…全てに意味がある。見えないだけで、きっと!」
手には犬のおやつ。そして差し出したおやつをそっと食べるしいたけ。
「わあ!」という喜びがまた素敵。
意を決して、そっとしいたけの頭に手を伸ばしてなでる。
「そう思えば、素敵じゃない?」
■奇跡・偶然・運命
善子と梨子は巷で人気の高い組み合わせだけに、放送前から期待の高まっていた5話。
良い子の善子な一面も見られましたし、善子と梨子の組み合わせの面白さは勿論、あらゆる面で期待以上だったというか、見返せば見返すほど素晴らしい完成度のエピソードだなと思います。
「偶然」というワードについて思いを巡らせる千歌と果南のパートがあって、その「偶然」の出会いや「運命」といったものを解き明かしていく善子と梨子のパートが本筋としてある。
いつものギャグ要素的な堕天使ノリからの運命的出会いの場面。だからこそより印象的に効いてくる善子の独白。
梨子の犬が苦手という部分が、いつしか愛着を抱いていく「あんこ」との触れ合いを経て、しいたけと仲良くなる場面へとつながる。犬との触れ合いを介して、千歌が果南から聞いた「偶然」と、梨子が善子から聞いた「偶然」が結びつく。
身に降りかかる出来事を、物語性や意味のあるものとして捉えてきた善子。善子だけは最初から羽を(黒いけどw)手にしていたし、堕天使キャラも手放していない。それを手放そうとしていたところへ訪れた出会い。一方の梨子は一度はピアノを諦めたけど、それを取り戻した。だからこそ善子の相談役としてもふさわしかったとも言えるし、そんな善子の姿に触れることで梨子は「気付き」を得る。
それぞれの要素が、相互に作用し合って物語を導いていく。
4話、5話と見てきて、一見すると「克服する」ストーリーのようですが、むしろ「気付き」がテーマになっているのかなと感じます。単に何かを克服するのではなく、何かに気づいていくことで答えを見つけていく、一歩前へ進んでいく(考えてみると、エンディングもそういう「気付き」の歌だなと。タイトルからしてそうですし)。
「偶然が重なってここまで来た」という果南の言葉。そして偶然とは「いろんな人の想いが見えない力となって導いた必然」。さらに3話での軌跡とは起こすものだという千歌の言葉。
奇跡とは何か、偶然とは、運命とは何か。Aqoursが目指すものは。
その答えが見えてくるような、そんな第5話でした。
そうそう、ラブライブ!で自販機で買う温かい飲み物といえばぜんざい。ぜんざいといえば「あんこ」。そんな「あんこ」の犬作画監督としてラブライブ!(μ’s)ではキャラデザ・総作監として参加されていた西田亜沙子さんがクレジットされていましたが、「あんこ」のモデルは西田さんの愛犬(名前は「しるこ」だそう)といった小ネタの仕込みも見事でしたね。
地区予選に向けて沼津でのスタジオ練習に励む一同。何気に曜ちゃんが「入学希望者も50人超えてきた」と言っていたのも見逃せませんね。
しっかり練習したいところですが、雨や風も強まってきたので今日のところは解散。各々車で送ってもらう中、善子だけは家まで近いということでひとり歩いて帰ることに。
「胸騒ぎがするこの空。最終決戦的な何かが始まろうと…」とか言っている矢先に突風で傘を飛ばされる善子。善子を翻弄するかのような傘の動きに、「何、その動き。もしかして、何かが私を導いて…」とか言ってたら、本当に導いていたかのように傘を拾ったブロックの隙間に何かを見つけてふっと笑みを見せる善子。
いつもの中二病な感じのギャグパートかと思わせておいての、サブタイトルの「犬を拾う。」から犬が居たんだなと連想させるのもなかなか見事です。
■出会い
Aパート。何やらしいたけに触ろうと挑戦している梨子ちゃん。目が合って触れそうな気がしたらしく、それを聞いて「ほんと!」と嬉しそうな千歌ちゃん。どうぞどうぞと梨子の手を取って触らせようとしますが、ワンと吠えたのに驚いて梨子ちゃんは飛びのいてしまいます。
「しいたけ梨子ちゃんのこと大好きだと思うんだけどなぁ」と千歌ちゃんが言う通り、確かに少なくとも警戒はしていなさそうですよね。つぶらな瞳で見つめてますし(笑)、千歌ちゃん曰く、「犬は見ただけで敵と味方を見分ける不思議な力がある」そうです。
それはそうと、この日は千歌ちゃんの家で作戦会議。ラブライブ!地区予選に挑むにあたっての曲のテーマを話し合っているようです。
善子は「暗黒」を推しているようですが、さすがにそれは有り得ないと却下。千歌ちゃんはいつものように「やっぱり輝きだよ!」と提案。確かにAqoursにとって象徴的なテーマではありますが、「Aqoursの可能性を広げるためには他にも模索が必要」とダイヤさん…ちゃん。
実際、SaintSnowの2人などもひと味違った曲調で攻めてきている様子。
何か新しい要素も、と話し合う中、鞠莉はまたしても居眠りw そして善子はいつの間にかしいたけと入れ替わって一足先に帰り、なにやらホームセンターに寄り道。
一方、善子のお母さんが忘れていった携帯電話を届けにやってきた梨子。
「ここら辺だったわよね」と付近を探していると、神社の片隅に置かれた怪しげなゲージを発見。「何?」と覗き込んでみると…「ワン!」中には犬が。驚いた梨子を「静かにしなさい!」と背後から羽交い締めにする善子。
とりあえず落ち着いたところで、犬に餌をやる善子。「あら…かわいい…」と引きつった表情の梨子と、「フフ、慌てて食べなくてもいいのよ」と優しい堕天使ボイスでささやく善子。
善子が言うには拾ったのではなく出会った、「ディスティニーが二人を引き合わせた」という犬。しかし、善子の家は動物禁止のため飼うことができないらしく…。
「ほんの少しの間でいいの、この子の生きていく場所は私が見つけるから」と言う善子に対し、「そうだ、花丸ちゃんかルビィちゃんに頼んだら?」とかわす梨子。
とはいえ、花丸もルビィも家の許可を取るのが面倒のようですし、鞠莉はホテル、果南はお店、千歌ちゃんのところはしいたけがいるので難しい。
「じゃあ、曜ちゃんとか」とあくまで拒む梨子ちゃんに「そんなに嫌なの?」と善子。
まぁ実際の所曜ちゃんの所なら特に問題も無さそうですし近くでもあるのでそのつもりだったかもしれません。しかし、誰かにいったん預かってもらわないと、と思っていたところへ、たまたまそこに梨子がやってきて犬のことを見つけた、というのもある意味“ディスティニー”かもしれない、と善子は感じたのではないでしょうか。
「とにかくお願い!この子は堕天使ヨハネにとって神々の黄昏に匹敵する重大議決事項なの!」
というわけで、なりゆきで犬を預かることになった梨子ちゃん。
とはいえやはり小型犬でも犬は苦手(1期でもわたあめちゃんですら怖がっていましたからね)。かといってご飯をあげないわけにもいかない。仕方なく、ゲージの前に餌を置いて、扉にリードを結びつけて離れたところから開ける梨子ちゃんでしたが、ご飯を一口二口食べたところで、いっしょに遊ぼうとばかりに寄ってくる犬に慌ててドアを閉めます(ちょっとしゅんとした感じの犬の仕草もいかにもそれっぽい)。「敵と味方を見分ける不思議な力か…」と千歌ちゃんの言葉を思い出してそっとドアを開けると、嬉しそうにこっちを見ている犬。そんな様子に梨子ちゃんも思わず笑みがこぼれます。
このシーンの犬の動作は、ほんとうにいかにもあるあるな感じで可愛らしかった。
■別れ
夕暮れの屋上で練習に励むメンバーたち(このダンスフォーメーションも新曲のものだったりするのでしょうか)。日も短くなってきているので、今日の練習はこれまでということになり、「じゃあ終わり!今日は先帰るね!」とそそくさと帰っていく梨子。そんな梨子を「ムムム」な表情で見送る善子。
「このところ練習終わるとすぐ帰っちゃう」みたいですし、善子もペット用品を買いに行っていたホームセンターに嬉々として行ってたりと、すっかり愛着が出てきて犬の世話が楽しみになっている様子。とはいえ、ゲージからは出さないあたりがまだ犬自体と直接ふれあうのは怖いみたいです。
そこへ善子が訪ねてきました。「梨子ちゃん、犬凄い苦手だからやっぱり私の家で預かろうかなーって」と言う善子に、「あら、善子ちゃんの家はマンションだから駄目って聞いたけど」「少しなら大丈夫よ」「駄目って言うから私が預かったのよ」「さあご飯にしましょうねノクターン」「ノクターン…」とお互い譲らない痴話喧嘩勃発(笑)
「ま、どうぞごゆっくり」
「ちょっと!ノクターンって何よ!」「この子の名前!いつまでもわんちゃんじゃかわいそうでしょ」「この子は私が出会ったのよ!名前だってライラプスっていう立派なのがあるんだから」と口論は続きますw
と、そこへ梨子のお母さんが沼津の方で貰ってきたという迷い犬探してますというチラシを持ってきました。そこに載っていた犬はまさしく今目の前にいる犬。そして名前は「あんこ」…。ノクターンでもライラプスでもありませんでした。
というわけで、後日「あんこ」は無事飼い主の女の子の元に。
「あんこー良かったねー」と嬉しそうな女の子。犬もじゃれて喜んでいます。「あんこもお礼を言いなさい」と言われ、すたすたと梨子のまえに駆け寄って「ありがとう」と抱っこしたあんこを差し出す女の子。
戸惑いつつも手を差し出す梨子。怖くて触れない。かといって飼い主の女の子の前で露骨に怖がるわけにもいきません。そんな梨子を察してかどうか、差し出したまま躊躇う梨子の手をペロっとひと舐めするあんこ。
ハッとなる梨子。
女の子が「バイバーイ」と帰っていくなか、舐められた手を見つめる梨子。そして「うえーん、ライラプスぅー!」と泣く善子かわいいw
あんことの別れは、切ないけど良いシーンでしたね。
たぶん梨子ちゃんは結局一度も触ったりなでたりはしていない。でも、あんこの面倒を見るのは毎日の楽しみになっていた。恐る恐るだけどご飯もあげていただろうし、ゲージに入れっぱなしではあったけど、おもちゃを飼ってきて遊んだりもしてくれた。
そんな梨子の手を、そっと、ペロッと舐めるあんこ。ありがとうの気持ちか、お別れの挨拶か。
ちなみにこのシーンでワンフレーズだけ流れたBGM、「友情Diary」なんですよね。
■不思議な力
Bパート。部室のホワイトボードに書かれたワードの数々。これらが新曲にも反映されていたりするのでしょうか。そしてそんなホワイトボードを一人見つめる果南(慌てて隠したノートも気になります)。千歌ちゃんの「果南ちゃんはアイディアある?」という問いに、「ただ私は後悔しないようにするだけ。これが最後のラブライブ!だしね」と応えます。「ダイヤと鞠莉とここで曲を作って、その思いがつながって、偶然が重なってここまで来たんだもん。やりきったって思いたい」と。
そこへ曜ちゃんが「大変!」と駆け込んできます。何事かと思えば、梨子ちゃんと善子が情緒不安定(笑)
二人揃ってグラウンドに犬の絵を描いて(梨子ちゃんが書いたノクターンの絵は中の人であるところの逢田画伯の絵が元ネタですよねw)、棒を投げて「取ってこい…」とかやって溜め息付いてます。これは重傷です。しまいには「よく考えてみれば、あの人が飼い主だって証拠は無いはず」とか言い出す善子。
そんなこんなで、あんこの飼い主のお宅へとやってきた善子と梨子。「ライラプスの気配が、あの壁の向こうから」とか言いつつ隣の家と間違えたり、「呼び寄せる!」とかやっているところへ飼い主のお母さんが帰ってきたりとすったもんだありつつ、向かいの駐車場で出てくるのを待つ二人。
「前にも言ったけど、あの子は私にとって特別なの」と頑なに待つ善子。そんな様子が気になりつつもひとり先に帰る梨子でしたが、バスを待っているうちに雨が。
雨の中、相変わらず待ち続ける善子。そこへ「考えてみたら、帰っちゃったら、本当に出てきたときに会えないなって」と差し入れを持って戻ってきた梨子。
しとしとと降り続く雨の中、じっと待ち続ける二人。梨子は善子にどうして「運命」なのかをたずねます。ちょっとためらうようなそぶりを見せて善子は言います。「堕天使って、居ると思う?」と。
小さい頃からずっと運が悪く、何をしても自分だけ上手くいかなかったという善子。それで自分は特別で、だから見えない力が働いて(不幸な目に遭ったり上手くいかなかったりして)いると思うことにした、それが「堕天使」を自称するきっかけだったと。
そしてもう、薄々そんなはずはないと感じていること。
でも、本当に運命や見えない力というのは全く無いのか。そんなときに、まさに何か見えない力で引き寄せられる様に出会ったのが、ライラプスだった。
「これは絶対、偶然じゃ無くて、何かに導かれてるんだって。そう思った」
「不思議な力が働いたんだって」
そんな話をしているうちに、いつしか雨は上がり、雲間からは夕日が差してきました。まさに不思議な力が働いたかのような雨上がり。ちなみにこのシーンの様な雲間から差す光にはよく知られている通称があったりするわけですよ。「天使のはしご」っていうね。まぁそこまで意図した演出かどうかはさておき、BGMとも相まってとても印象的な場面です。
「はい、ライラプス」と缶ジュースを梨子に渡す善子。怪訝な表情の梨子でしたが、缶のラベルを見て納得。「あんこたっぷりぜんざい」。「ノクターン!」と訂正するやりとりがなんともユーモアが効いていて可笑しい。
と、そのとき。
「やんだねー!」と飼い主の女の子が「あんこ」を連れて出てきました!「萌ちゃーん、ちょっと」と母親に呼ばれて、あんこを門の扉につないで戻っていく女の子。
その様子を呆然と見つめていた善子。手にしていたぜんざいの缶を差し出して「気づいて!」と念を送ります。
そして…何かに気づいたかのように振り向くあんこ。
「見た…。私よ、わかる?」と問いかける善子でしたが、「?」と首をかしげるあんこ。そこへ飼い主の萌ちゃんも戻ってきてすっかり興味は移ってしまいます。そしてそのまま再びお家の中へ。
「ははは…」と苦笑いの善子。「やっぱり偶然だったようね。この堕天使ヨハネに気づかないなんて」と強がって見せます。少し寂しそうな、でも優しい表情が印象的。
そんな善子に、梨子ちゃんは言います。「でも、見てくれた」「見えない力はあると思う。善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも」「だから信じている限り、きっとその力は、働いてると思うよ」と。
その夜。家の前で雨上がりの満月を見つめ、「偶然が重なって、ここまで来た…、か」と果南の言葉を思い出す千歌ちゃん。
家に戻ろうとしたら、旅館の玄関でしいたけをなでてみようとしている梨子ちゃんが。
どうしたの?と問う千歌ちゃんに、「試してみようかなって。これも出会いだから」と応える梨子。
「私ね、もしかして、この世界に偶然って無いのかもって思ったの」
「偶然は…無い」
「いろんな人が、いろんな想いを抱いて、その想いが見えない力になって、引き寄せられて、運命のように出会う。…全てに意味がある。見えないだけで、きっと!」
手には犬のおやつ。そして差し出したおやつをそっと食べるしいたけ。
「わあ!」という喜びがまた素敵。
意を決して、そっとしいたけの頭に手を伸ばしてなでる。
「そう思えば、素敵じゃない?」
■奇跡・偶然・運命
善子と梨子は巷で人気の高い組み合わせだけに、放送前から期待の高まっていた5話。
良い子の善子な一面も見られましたし、善子と梨子の組み合わせの面白さは勿論、あらゆる面で期待以上だったというか、見返せば見返すほど素晴らしい完成度のエピソードだなと思います。
「偶然」というワードについて思いを巡らせる千歌と果南のパートがあって、その「偶然」の出会いや「運命」といったものを解き明かしていく善子と梨子のパートが本筋としてある。
いつものギャグ要素的な堕天使ノリからの運命的出会いの場面。だからこそより印象的に効いてくる善子の独白。
梨子の犬が苦手という部分が、いつしか愛着を抱いていく「あんこ」との触れ合いを経て、しいたけと仲良くなる場面へとつながる。犬との触れ合いを介して、千歌が果南から聞いた「偶然」と、梨子が善子から聞いた「偶然」が結びつく。
身に降りかかる出来事を、物語性や意味のあるものとして捉えてきた善子。善子だけは最初から羽を(黒いけどw)手にしていたし、堕天使キャラも手放していない。それを手放そうとしていたところへ訪れた出会い。一方の梨子は一度はピアノを諦めたけど、それを取り戻した。だからこそ善子の相談役としてもふさわしかったとも言えるし、そんな善子の姿に触れることで梨子は「気付き」を得る。
それぞれの要素が、相互に作用し合って物語を導いていく。
4話、5話と見てきて、一見すると「克服する」ストーリーのようですが、むしろ「気付き」がテーマになっているのかなと感じます。単に何かを克服するのではなく、何かに気づいていくことで答えを見つけていく、一歩前へ進んでいく(考えてみると、エンディングもそういう「気付き」の歌だなと。タイトルからしてそうですし)。
「偶然が重なってここまで来た」という果南の言葉。そして偶然とは「いろんな人の想いが見えない力となって導いた必然」。さらに3話での軌跡とは起こすものだという千歌の言葉。
奇跡とは何か、偶然とは、運命とは何か。Aqoursが目指すものは。
その答えが見えてくるような、そんな第5話でした。
そうそう、ラブライブ!で自販機で買う温かい飲み物といえばぜんざい。ぜんざいといえば「あんこ」。そんな「あんこ」の犬作画監督としてラブライブ!(μ’s)ではキャラデザ・総作監として参加されていた西田亜沙子さんがクレジットされていましたが、「あんこ」のモデルは西田さんの愛犬(名前は「しるこ」だそう)といった小ネタの仕込みも見事でしたね。
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