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バーチャルアイドルのライブ [音楽]

 バーチャルアイドル、アイドルコンテンツ、2.5次元のライブ…ということに関して、思いついたことをつらつらとメモ。

 思いついたことを適当に書き並べてるだけで、たいして推敲もしてないのであしからず。言うまでも無いことですが、決してどれが優れている劣っているとか、新しい古いとか優劣を付けるものではありません。
 ちなみに自分はアイマスはアーケード版が稼働し始めた当時にプレイしており、初期のZepp Tokyoでのライブに参加、μ'sも1stライブに参加しています。

 初音ミクのライブはミクの映像にステージ演出とバンドの生演奏が完璧に同期することでバーチャルアイドルを実体化させている。
 空間投影による効果、ディラッドボードに映像を投影するという手法による効果も大きい

 これとは逆のことをやっているのがPerfume。ステージ演出や映像にPerfume本人(生身の人間)が完璧に同期することである種のバーチャルな存在となり独特のステージをつくっている。

 バーチャルな仮想アイドルユニットをリアルアイドルユニット(演者)を依り代にしてステージ上に顕現させているのがμ’s。

 初音ミクがほぼ完全で純粋なバーチャルアイドルを志向しているのに対し、μ’sの場合は、「μ’sという架空のアイドルがいるという仮定」に基づき、その架空のアイドルをキャラクターの演者を依り代として三次元に顕現するというアプローチでの2.5次元的バーチャルアイドル。
 アニメ化を切っ掛けにアニメの世界観のイベント化という側面も実現可能となったが、基本的にはμ’sというアイドルが存在していて、全ては彼女らの活動というコンセプトが軸としてある。ラブライブ!のμ’sではなくて、μ’sという架空のアイドルの活動を追う展開の総称がラブライブ!…みたいな。

 μ’sのライブイベントは、ラブライブ!というコンテンツのイベントである以前に、μ’sという架空のアイドルユニットのライブ、である。ゲームやアニメに登場するキャラクターとしてでは無く、現実のアーティストと同じようにμ’sというアイドルグループが実際に居て、CDを出してPVがあって、そしてライブをしている。
 なので、例えばアニサマなどのフェスに参加する際もμ’s名義で、μ’sというユニットとして参加する(初期の頃は「from ラブライブ!」と補足されていた)。

 ラブライブ!というコンテンツはAKB的なエッセンスを取り入れている。センター総選挙もそうだし、「ぼららら」の衣装は明らかにAKBを意識していたと思う。けれど、アイドルユニットの姿としては全く異なるし、実際のライブ自体は世界観やエンタテインメントショーとしての作り込みで魅せる路線。
 そしてそのステージは2次元と3次元をイコールにし再現すること。バーチャルとリアルが渾然一体となった不思議な体験を実現する。そういう方向性。


 同じくアニメ・ゲーム・声優系企画モノで架空のアイドルのライブという側面を持つアイドルマスターのライブ(だけに限らず、プロジェクト全体も)は、逆に構造的な部分ではかなりAKB48的になってきている様に感じる。とにかく沢山居ていくつかのまとまりで分家的な活動をしていて…という点もそうだが、よく似ている(AKBメンバーという肩書きを持つ子が沢山居るように、アイマス声優という肩書きを持つ声優も増殖している。765プロがAKB48なら、876や961、ミリオンガールズやシンデレラガールズはSKE48やNMB48、HKT48といったところか。あるいはAKB48内の「チーム○○」的な。等々) 。あとは、ボスとしてのディレクターやプロデューサー(ファンのことではない)の存在感が明示的で、彼らを統括としてその下に(部下としての見立てでファンがあり、その教え子的な見立てとして)アイドルであるところのキャスト陣が位置する構図になっているという点もかな。バンダイナムコのプロデューサー&ディレクターがいてキャスト陣が居て…と言う構図もまさに、秋元康とAKBメンバーの構図と重なる。
 すくなくともライブに関しては、AKBのライブとアイマスのライブは(豪華さや規模的な面での違いはあるが)非常によく似ていると思う。

 もちろんソロや少人数で歌うこともあるだろうが、そこはAKBのライブもそうだ。そういう部分の見せ方等も含めて、似ているなと。そしておそらく、今後のアイマスのライブはそんなAKBスタイルでいくと思う。ユニット等の固定メンバーの概念が希薄なこともあり、開催数を増やしても膨大なキャラクターと多数のキャストからその都度ブッキングできるメンバーで流動的に揃えてステージを組める。
 「アイマス」というのは、コンテンツの更なる継続発展のために、初期の9人ないし11人のキャラクターを指すモノからよりAKB的モデルに向かっていこうとしていると思われる。

 「Tokyo 7th シスターズ」などもアイマス型のコンテンツと言える。


 架空のアイドルやバーチャルアイドルを扱った作品と言えばマクロス。初代のリン・ミンメイにはじまり、マクロスプラスのシャロン・アップルは文字通りバーチャルシンガーとして描かれていた。その空想の世界は後に(形は違うが)初音ミクが現実のものとしていく。
 マクロスシリーズにおいて、そういった作品世界内のアイドルを現実世界に再現する試みを本格的に試みたのがマクロスF(マクロス7あたりでも若干試みられてはいたが)。
 マクロスFではライブをはじめとして様々な展開においてアニメと現実のリンクやマクロスFのアニメの世界観の延長というコンセプトがより明確に貫かれていた。CDをリリースしているのはシェリルやランカであり、ステージに登場するのはMay'nや中島愛であると同時にシェリルやランカである。バーチャルアイドル的なコンセプト、架空の世界観を現実に再現という見せ方を意識的にやってきたコンテンツ。マクロスFというアニメが起点としてあり、その世界を再現し拡張するモノとしてのライブという位置づけ。劇中のツアーの一環で地球でライブをやっている、的な設定があり、ある意味マクロスFという世界観の内側でやっている。

 マクロスFとよく似ているのが、AKB48をモデルとしたアニメ「AKB0048」から誕生した架空のアイドルグループ「NO NAME」。仕掛けとしては同じ河森正治総監督作品ということもありよく似ているが、キャストがリアルにアイドルで、リアルにAKBグループのメンバーで構成されたユニットであり、リアルにAKBの派生ユニット「NO NAME」でもあるという点で現実とのリンクの強度がきわめて強く独特なのが他のバーチャルアイドルやアイドルモノの作品との大きな違い。


 ミルキィホームズもアニメ・声優系の派生ユニットとしては独特のポジションを確立している。いわゆる声優ユニットと異なるのは「ミルキィホームズ」の世界観をバックボーンに持っていることと、ライブステージがエンタテインメント性を強く指向していること(μ’sとはまたすこし違う方向性)。ももクロを意識しているとかいうのを何かで見聞きした気がする。


・・・・

 初音ミクのライブは生歌でも無ければ生身でも無い。バーチャルの存在であるはずの彼女が、あたかも本当に目の前に現れたかのような感動とその特別な時間・空間を体験すること、そしてバーチャルシンガーならではの存在感と現実を超越したライブパフォーマンスが観客を魅了している。生かどうかに優劣を付けたり、口パクだなんだと論じることのばからしさを痛感させてくれる。

 Perfumeのライブはその完璧で超絶なダンスパフォーマンスがリアルに目の前で再現され、あの独特のPVの世界観が生身でステージ上に構築されていく凄さで圧倒的にショーとして成立している。初音ミクの生身版ともいえる。ある意味で肉体を持ったバーチャルアイドル。

 μ’sのライブは生歌ではあるけれど基本生演奏ではない。彼女たち自身がμ’sであり、アニメPVの世界が目の前にリアルに再現される驚きや、声優ユニットの常識を越えたパフォーマンスで観客を魅了している。架空の存在を現実の世界に再現し、二次元のμ’sというバーチャルアイドルと、三次元のμ’sというリアルアイドルをイコールの存在と定義する2.5次元バーチャルアイドル。


 μ’sのライブは「μ’sとファン」という図式がそのまま当てはまる。コンテンツそのものがμ’sという架空のアイドルが居て、それを応援する私たち、という図式だからだ。アニメも、μ’sとそれを応援するファンという構図をメタ的に内包している。そこが他とは違う魅力だし面白い。
 マクロスシリーズのライブも基本的には同様だ。いちファンとしてランカやシェリルが地球で開催したライブに参加しているという構図。
 μ'sが2次元の世界から飛び出し現実に拡張する方向だとすれば、マクロスはライブ会場をマクロスワールドの内側に包み込むという違いがあるとも言える。

 アイマスやナナシスの場合は「プロデューサーとアイドル」「支配人とアイドル」という見立てや、場合によってはコンテンツ制作サイドのプロデューサや総監督という存在が介在する。これらはゲームを楽しむ上では問題ないが、ライブ空間の様なアイドルとファンという図式においてはある意味異物でもあり(客席に大勢居るのはファンでは無く一人しか居ないゲームの主人公であるところのプロデューサーなのだ。アイドルがライブ会場でプロデューサーに向けてステージを披露している。普通に考えるとヘンだw)、バーチャルアイドルのライブというより、コンテンツのイベントとしてのライブという側面を色濃くしている要因でもある。
 ファンとしてライブに行くと言うよりは、担当アイドルの晴れ舞台を見に行く、といったところ。


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