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「絶滅危愚少女 Amazing Twins」第1話感想 [アニメ]

 佐藤順一監督のOVA最新作「絶滅危愚少女 Amazing Twins」の第1話がAT-Xで先行放送されました。
「絶滅危愚少女 Amazing Twins」第1話
 率直な感想は、荒削りな部分も多いけど面白かった。このテーマをどう描いていくのか、次でどういう結末を迎えるのか楽しみ。ただ、前後編なのにいろいろ欲張って詰め込み過ぎて、要素が絞れず話や展開が整理しきれてないというか、勿体ないので1クール作品として見たかった…といったところでしょうか。あと、またひとつ横浜が舞台のアニメが増えたな、と。
 所々のコメディタッチな部分やユーモアはサトジュン作品らしくて楽しかったし、覚醒シーン(?)は音楽も格好良くて良かった。マフラーを武器や防御に使うギミックはどうしてもゲーム「マリシアス」を連想してしまうけど…。

 問題はプロモーションの課程で形成されてきたイメージや公式サイトに載っているストーリー紹介との微妙なズレというか…。そこが、「あれ、なんか思ってたのと違う」みたいな部分になってるのかなという気がしますね。

 冒頭のあまねのショウの場面も、ISHという能力をマジックや大道芸のように見せている感が弱いので、芸自体が微妙と言うより単にグダグダで微妙なだけという感じになってしまっている(後半の実はマジックではなく特殊能力でした、という部分も説得力が弱くなっている)のが残念というか、この辺りを、人を楽しませようと良いショウを見せてるんだけどウケない、マジックとか大道芸なんてショボいし古いよなー、もうエスペランザマジックの時代じゃない、IAMのイリュージョンの方が派手ですげーよ、みたいな社会的バックボーンとして描けていれば、あまねの笑顔にするショウを!みたいな想いの部分や、世間が熱狂するIAMだがその裏の顔は実は…みたいな方向で膨らんでいけそうな気がするんだけど…。
 あと、ISH能力者に対する社会的偏見な部分がいまひとつ弱い(この世界でISH能力者というのがどういう存在でどういう風に見られているのかいまいち実感として伝わってこない)ので、そこに対する「人を喜ばせたい・良い力だと知って欲しい」というあまねと、「無能力者は差別してくるろくでもないヤツ・恐がらせてナンボ」というアヤのアプローチの仕方や価値観の対立構図も自ずと弱く感じられただの説明台詞になってしまい、アヤの歪んでる感じもちょっと薄っぺらくなってしまってるんですよね…。
 「愚」というキーワードや「マジック」というモチーフを全面に出すが余りいまいち空回りしてる感があって、そこがちょっと勿体ない。中盤の懸命に追いかけるシーンは愚直さがよく出ていたけど。

 ただ、根底にあるテーマの部分はまっすぐでストーレート。文字通り“愚直”な感じがして、サトジュン監督作品らしい温もりが感じられる。

 あまねにとって「ISHの能力」というのは「大切な妹の存在」とイコール。あまねのISH能力は妹であるリリアンの存在そのものなんですよね。つまり、ISH能力を認めて貰う=妹が居ても良い理由、もっと言えば妹の存在価値そのものでもある。だから、なんとしても素敵なものだ、価値のあるものだと伝えたいという想いがある。
 一方、リリアンは自分の存在(=ISH能力)があまねを不幸にしてしまうんじゃないか、自分が居ない方が良いんじゃないか、と思っていた。でも、あまねはそんなことない、と言ってくれた。存在理由を認めてくれた。だから、大切なお姉ちゃんのために、みたいな想いがある。

 リリアンの居場所を作るため、居場所を作ってくれるあまねのため。だれかのために、だれかの笑顔のために。誰かを想う愚かしいほどまっすぐな気持ち。

 荒削りな感じとかそういうのもあるけれど、このあたりのテーマが紡いでいく物語を、続く2話(というか後編)でどうまとめるのかに期待。なんか、リリアン消えそうフラグが立ってる気もするけど…。
 (…というか、2話しかないんだから余計な要素を持ち出さないで、この部分にシンプルに絞って描いた方が良かったんじゃ…)

 あと、マジック、エンタテインメント、芸、想いを具現化する力(=想像力が生み出す能力)っていうのは、芸能を見せる者=役者としての在りよう、物語を創造する力を持った能力者=クリエイター…みたいな部分とメタ的な見方もできるのかなぁとか思ってみたり。

 ところで、所々カットの繋がり等が変な所があったけど、Blu-rayでは直るのかな?
 ■2014/1/10追記:やはり制作の遅れ等による不完全なカットが含まれていたようで、完成版がAT-Xで1/19 22:30~再放送されるそうです。
 ■1/20追記:愚"直"Ver.見ました。主にエフェクト系が完成形になっているのと、一部のミスが修正されていましたね。あとエンディングに絵が付いてました。


 そうそう、エンディングテーマソングの「心 アシンメトリー」がとても素敵な曲だったので、これはぜひCD買って聴きたい。
 オリジナルビデオアニメーション「絶滅危愚少女 Amazing Twins」オープニン愚テーマ 絶滅危愚少女!(Amazon)


 OVA「絶滅危愚少女 Amazing Twins」公式サイト
 AT-Xでは2014年1月4日にリピート放送、ニコ生で1月11日に配信もあるのでぜひ。


絶滅危愚少女  Amazing Twins  第1巻 [Blu-ray]

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絶滅危愚少女~Amazing Twins~第2巻 [Blu-ray]

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 余談。なんというか、この微妙に勿体ない感は、放課後のプレアデスの時と似てる。
 物語の世界は広がっててすごく見せたくて伝えたい感情があるんだけど、見せたい欲求が空回りしすぎて前後編の2分割に収めないといけないのにうまく絞り込めなくて窮屈になってる感じ。

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