TVアニメ「ラブライブ！スーパースター!!」第9話見所チェック

　ドタバタと楽しい感じだった第9話。テンポ良く展開する場面や、コメディタッチの楽しさ、繰り返しの面白さがありつつ、さりげない描写などの見所もありました。
　あと何といっても、「始まったばかり」という感覚が現実での感覚とも一致してより納得感が感じられると言う点は本作ならでは、そしてリアルタイムで見ている今だからこその面白さだろうなと思います。
　（第9話感想はこちら）

■繰り返し

　除幕で始まり除幕で終わる。冒頭とクライマックスの可可ちゃんが垂れ幕を下ろす一連のシーンは、カット割りからカメラアングルまでほぼ同じ。
　で、冒頭は「ラブライブ！のエントリーが始まるぞ」というシーンで、ラストは「ラブライブ！にエントリーするぞ」というシーンになっているんですよね。
　ラブライブ！にエントリーするお話、という点で一本芯が通った構成になっていて巧いなぁと思ったところです。

■ビデオチャットの音声
　ビデオチャットの音質がそれっぽい感じになっていて芸が細かいなとｗ

■パッと華やぐ曲でお願いよ
　すみれちゃんの「パッと華やぐ～」という台詞、「Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!」の「パッとあらわれた扉から～」という歌い方を彷彿とさせますね。

■時代の変化
　アニメで描かれる動画配信画面のコメントといえば、一昔前は当たり前のようにニコニコ動画のスタイルでしたが、最近ではほとんど見かけなくなりました。
　実際、今のネット動画配信のコメントと言えばYouTubeなどのスタイルを思い浮かべる人の方が圧倒的に多いでしょう。
　あとはやはり、ラブライブ！スーパースター!!の雰囲気にはニコ動スタイルのコメントは合わないｗ

■コメントを見る

　恋ちゃんが配信のコメントを見る場面、配信を表示しているノートPCを恋ちゃんは見ているわけですが、配信画面でまるで画面の中にあるコメントを見ている様な感じになっているのが面白い。こういう視線になることを考慮してコメント閲覧用にノートPCをあの場所に置いたのだとすると配信センスありますよね。

■詞先／曲先
　歌詞をまず書いてそれに曲を付けるのを「詞先（しせん）」、曲に歌詞を付けるのを「曲先（きょくせん）」と言います。
　有名なところでは、「サクラ大戦」が全ての楽曲で広井王子さんがまず詞を書いて、それに田中公平さんが曲を付ける「詞先」であることで知られていますね（唯一の例外が「新サクラ大戦」のゲキテイ＜新章＞だったとか）。
　今回はそんな詞先か曲先かを決めずにお互いに出来上がってくるのを待っていたために起こった不幸でした（笑）

昨日のラブライブ！
作詞がはかどらず苦しんでいるかのんを見て「分かる、分かる、分かるよー！」と共感の嵐でした。できれば一緒にお茶して語り合いたいくらい。ついでに言うと詞先の方が作詞は大変です。個人的な意見ですけど。#lovelive #Liella

— 宮嶋 淳子 (@Junko_Miyajima) September 27, 2021

■瞳ハイライト回転

　瞳のハイライトがクルッと回転する表現が今回は印象的に用いられていました。
　まず冒頭の可可ちゃんのアップでハイライト回転を印象的に見せておいて、その後ハッとなるすみれちゃんの瞳のアップでも改めて見せるなどしておいて、そのうえでかのんちゃんが作詞とグループ名のヒントを得る場面で瞳をキラッとさせて、何かに気付いた感じが印象に残るようにしてあるのかなと。

■気付き

　ヤエちゃんたちの言葉からヒントを得るシーンはずっとかのんちゃんの表情の変化だけを捉えているのですが、表情の変化や瞳のハイライトだけでなく、最後の所ではわずかにぱあっと明るくなっているんですよね。
　ヒントを得て、ハッとなって、気持ちが晴れていく様子がワンカットとさりげない効果だけで絶妙に描かれているシーンです。

■翻訳家
　かのんちゃんのお父さんが翻訳家という設定が今回も活きていましたね。お父さんの部屋からいろんな言語の辞書を借りてきて、グループ名の着想を得たわけです。

■まだ始まったばかり
　これまでのシリーズでは、アニメ化までの間の実際の活動などの中で起きたことや、定番になったお約束、キャスト発信の要素などが「小ネタ」としてアニメ本編に盛り込まることが少なからずありましたが、本作ではそういった要素は今のところほとんど無いんですよね。
　もちろんそれは活動が本格的に動いてからアニメ放送開始までの期間が短かったからでもありますが（活動が本格化した頃には既にアニメ制作もそれなりに進行していたはず）、逆にそれが「まだ始まったばかり」で「何もない」という物語の内容とも一致していてより納得感のあるものになっていると思いますし、今作はむしろ投票企画の結果をより積極的に反映してあって、「みんなで作ってきた」というのが実感できる内容になっていると感じます。
　あと個人的には、これによって過度な内輪ウケ感が減るのと、「スタッフの愛」みたいな変な持ち上げ方をされずに済んでいて、元ネタに詳しいかどうか関係なく楽しめ、一見さんお断り感が大幅に軽減されていると感じています。小ネタはあくまでちょっとした遊び心やサービスですからね。

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