「放課後のプレアデス」第3話感想 [アニメ]
#03「5人のシンデレラ」
5人でどうにかこうにかカケラを集めようとがんばるすばる達。そんな彼女たちに対して一人で颯爽とカケラを奪っていく謎の少年。
部室で5人がかりでもうまくいかない自分たちの不甲斐なさにちょっぴり気落ちするすばる達。しかし、会長はそんな彼女たちを「可能性のかたまり」と評します。
様々な可能性を秘めつつも、まだ何物にも確定していていない、子供でも大人でもないどっちつかずな存在である、と。自分の人生は一通りでしかないけれど、あらゆる可能性は認識できないだけでどれも実在しているとしたら。難しい話にいまいち褒められている気がしないみんなですが、すばるはその点にピンときた様子。
プレアデス星人はそんなあらゆる可能性の中から任意の一つを膨大なエネルギーで確定させる技術を持っているらしいというなんだか重要な布石っぽいことを語りつつ、ダントツの一番を選んだはずなのに5人集まったのは誤算だったなんて余計な憎まれ口の会長がまた面白い。
すばるが家に帰るとお父さんがなにやら機械の部品を広げています。聞けばエンジンの部品だそう。
バラバラだと変な形だけど、みんなそれぞれに意味がある。そしてそれが集まれば大きな力を生み出す。可能性や一人一人の役割の話をエンジンの部品に重ねて物語るというのも実にこの作品らしいですね。
ただ、すばるのお父さんが見せてくれた部品は不良品(正確には規格外品)だったため、「不良品がいくら集まっても何もできない」と悲しむすばる。様々な思いを胸に一夜を過ごすみんなの描写もじんとくる場面。
本編の構成ではこの後翌日の学校の場面へと続くのですが、本編ラストでこの後の場面が描かれ、そこでお父さんはすばるに「人間は部品とは違う。たった一つの形に決まる必要もないし、そもそもすばるはまだ何の形にもなっていない。だから悲しむことなどない」と優しい言葉を贈っています。続くBパートの一連のシーンを、この言葉を聴いたうえでのすばる…ということを念頭に改めて見直してみるのも面白い。
翌日の放課後、掃除当番でゴミ捨てに行くすばる。
扉を開けたらそこはいつもの謎の温室。考え事や悩み事があるとふとした瞬間に繋がるのでしょうか。それにしてもみなとくんはすっかりカウンセラーですな。迷ってると言いつつ心の内は決まっているすばる。
夕方はみんなで飛行練習。スパルタなあおい、ひかる、ななこに対して、やさしくアドバイスをするいつきちゃん。それにしても高性能なエアバッグですね…。「いつきちゃんと違う」という台詞は優しさのことなのかそれとも…。
ゆっくりと上昇しつつ、空を飛ぶ事への憧れをかたるいつき。彼女の「みんな空を飛べると思ってた」というエピソードは、実は声を演じている立野さん自身のエピソードが反映されているのだとか。
そして流星予報通りに現れたカケラ。そしていつものように登場する謎の少年に対し、いつもやられっぱなしではないぞとばかりに攻撃を蹴り返すひかる。思わぬ反撃に謎の少年はうっかりカケラを落としてしまう。
しかし、ななこの流星レーダー(?)はカケラの反応をキャッチしている様子。それを見たひかるは機転を利かせて「せっかくだから泳いでいこう」ここなら誰も見てないから水着に着替えようと小芝居を打って謎の少年を追い払います。
が、どうやらカケラ海の中に落ちたようで、本当に泳ぐことに。
そしてまさかの水着に変身!まさかの水着回!変身してしまえば多少の物理法則はお構いなしということで、深海に潜っていくすばるたち。
深海の闇と静寂から宇宙空間のイメージと重なっていく演出が、そして暗闇を利用してさりげなく謎の少年が加わっているという描写が実に見事。
カケラを驚かさないように慎重に…だったのですが、ウナギに足をなでられて思わず吹き出してしまい、カケラは巨大な竜巻と共にはるか上空へ。
高度が高すぎてそこまで飛んでいけない。そこへすばるがシャフトから出る光でいつきに風の流れを示す。それを頼りに風の流れを掴んで(ついでにシャフトもなんだかパワーアップして)一気に成層圏まで。
あおいがスピードを生かしてカケラに接近。シャフトで弾いたカケラをひかるがキャッチ…できずにいつきとななこの胸に収まる会長とカケラ。このシーンはYouTube版の再現ですが、水着姿でよりいっそう…なんというか、ひかるちゃん…どんまい(笑)。
しかし今度は不安定になった竜巻が崩壊し、その衝撃で気が付けば宇宙に。
女の子が水着姿で宇宙で泳ぐというビジュアルを生み出しただけでもこのアニメには歴史的な価値があるといっても過言ではないでしょう!(言い過ぎw)
そうですよ、宇宙は海原であり泳ぐ場所じゃないですか。これぞまさに宇宙遊泳の正しい姿。未だかつてこんな壮大なロマンあふれる水着回があっただろうか…。
まぁそれはそうと、宇宙空間に飛び出した際に、すばるのシャフトだけが駆動していたのはちょっと気になりますね。
そして宇宙の渚で宇宙の音を聴く5人。
真空の宇宙に音は無い。しかし聞こえるとしたらこんな音なのかもしれません。
スプライト現象や宇宙から見たオーロラなど、最新の科学に基づいた映像美も素晴らしく、宇宙の話をする会長の声が歌っているようだったのも可笑しくもロマンチック。
地球でもなければ宇宙でもないという曖昧な場所を、冒頭での大人でもなければ子供でもないどっちつかずという話と重ねてくる見事な構成。どっちつかずの場所だけど、こんなにも素晴らしいじゃないか、と。
何物でも無ければないほど可能性に満ちている。そしてその可能性の力が、彼女たちに宇宙を肌で感じさせている。可能性や選択肢が限られている者も居るのに、君たちと出会えた僕はとても幸運だと誇らしげに語る会長もカッコイイ。
そして不意に「シンデレラ…」と呟くあおい。「私たちはガラスの靴一つに集まった5人のシンデレラなんだよ!」と力説。ぽかーんとした空気に急に恥ずかしくなってしどろもどろになるのが実にニヤニヤですw「恥ずかしいセリフ禁止!」という声が聞こえてきそうw…でも、確かに言い得て妙ですね。
冒頭でさりげなくブレーキ(減速)について描写していたり、練習シーンで限界高度についてさりげなく触れたりと、放課後のプレアデスは布石の置き方というか、物語の組み立てが巧いのも見所です。このアニメはそれぞれのエピソードでのテーマとモチーフの組み合わせと見せ方、物語の描き方がほんとうに上手い。
3話は空から深海、成層圏、そして宇宙とダイナミックな場面転換が魅力的で、また、YouTube版第3夜の「あの場面」もアレンジを加えて再現されていてファンとしては思わずニヤリとさせられたりと、実に楽しいお話でした。
5人でどうにかこうにかカケラを集めようとがんばるすばる達。そんな彼女たちに対して一人で颯爽とカケラを奪っていく謎の少年。
部室で5人がかりでもうまくいかない自分たちの不甲斐なさにちょっぴり気落ちするすばる達。しかし、会長はそんな彼女たちを「可能性のかたまり」と評します。
様々な可能性を秘めつつも、まだ何物にも確定していていない、子供でも大人でもないどっちつかずな存在である、と。自分の人生は一通りでしかないけれど、あらゆる可能性は認識できないだけでどれも実在しているとしたら。難しい話にいまいち褒められている気がしないみんなですが、すばるはその点にピンときた様子。
プレアデス星人はそんなあらゆる可能性の中から任意の一つを膨大なエネルギーで確定させる技術を持っているらしいというなんだか重要な布石っぽいことを語りつつ、ダントツの一番を選んだはずなのに5人集まったのは誤算だったなんて余計な憎まれ口の会長がまた面白い。
すばるが家に帰るとお父さんがなにやら機械の部品を広げています。聞けばエンジンの部品だそう。
バラバラだと変な形だけど、みんなそれぞれに意味がある。そしてそれが集まれば大きな力を生み出す。可能性や一人一人の役割の話をエンジンの部品に重ねて物語るというのも実にこの作品らしいですね。
ただ、すばるのお父さんが見せてくれた部品は不良品(正確には規格外品)だったため、「不良品がいくら集まっても何もできない」と悲しむすばる。様々な思いを胸に一夜を過ごすみんなの描写もじんとくる場面。
本編の構成ではこの後翌日の学校の場面へと続くのですが、本編ラストでこの後の場面が描かれ、そこでお父さんはすばるに「人間は部品とは違う。たった一つの形に決まる必要もないし、そもそもすばるはまだ何の形にもなっていない。だから悲しむことなどない」と優しい言葉を贈っています。続くBパートの一連のシーンを、この言葉を聴いたうえでのすばる…ということを念頭に改めて見直してみるのも面白い。
翌日の放課後、掃除当番でゴミ捨てに行くすばる。
扉を開けたらそこはいつもの謎の温室。考え事や悩み事があるとふとした瞬間に繋がるのでしょうか。それにしてもみなとくんはすっかりカウンセラーですな。迷ってると言いつつ心の内は決まっているすばる。
夕方はみんなで飛行練習。スパルタなあおい、ひかる、ななこに対して、やさしくアドバイスをするいつきちゃん。それにしても高性能なエアバッグですね…。「いつきちゃんと違う」という台詞は優しさのことなのかそれとも…。
ゆっくりと上昇しつつ、空を飛ぶ事への憧れをかたるいつき。彼女の「みんな空を飛べると思ってた」というエピソードは、実は声を演じている立野さん自身のエピソードが反映されているのだとか。
そして流星予報通りに現れたカケラ。そしていつものように登場する謎の少年に対し、いつもやられっぱなしではないぞとばかりに攻撃を蹴り返すひかる。思わぬ反撃に謎の少年はうっかりカケラを落としてしまう。
しかし、ななこの流星レーダー(?)はカケラの反応をキャッチしている様子。それを見たひかるは機転を利かせて「せっかくだから泳いでいこう」ここなら誰も見てないから水着に着替えようと小芝居を打って謎の少年を追い払います。
が、どうやらカケラ海の中に落ちたようで、本当に泳ぐことに。
そしてまさかの水着に変身!まさかの水着回!変身してしまえば多少の物理法則はお構いなしということで、深海に潜っていくすばるたち。
深海の闇と静寂から宇宙空間のイメージと重なっていく演出が、そして暗闇を利用してさりげなく謎の少年が加わっているという描写が実に見事。
カケラを驚かさないように慎重に…だったのですが、ウナギに足をなでられて思わず吹き出してしまい、カケラは巨大な竜巻と共にはるか上空へ。
高度が高すぎてそこまで飛んでいけない。そこへすばるがシャフトから出る光でいつきに風の流れを示す。それを頼りに風の流れを掴んで(ついでにシャフトもなんだかパワーアップして)一気に成層圏まで。
あおいがスピードを生かしてカケラに接近。シャフトで弾いたカケラをひかるがキャッチ…できずにいつきとななこの胸に収まる会長とカケラ。このシーンはYouTube版の再現ですが、水着姿でよりいっそう…なんというか、ひかるちゃん…どんまい(笑)。
しかし今度は不安定になった竜巻が崩壊し、その衝撃で気が付けば宇宙に。
女の子が水着姿で宇宙で泳ぐというビジュアルを生み出しただけでもこのアニメには歴史的な価値があるといっても過言ではないでしょう!(言い過ぎw)
そうですよ、宇宙は海原であり泳ぐ場所じゃないですか。これぞまさに宇宙遊泳の正しい姿。未だかつてこんな壮大なロマンあふれる水着回があっただろうか…。
まぁそれはそうと、宇宙空間に飛び出した際に、すばるのシャフトだけが駆動していたのはちょっと気になりますね。
そして宇宙の渚で宇宙の音を聴く5人。
真空の宇宙に音は無い。しかし聞こえるとしたらこんな音なのかもしれません。
スプライト現象や宇宙から見たオーロラなど、最新の科学に基づいた映像美も素晴らしく、宇宙の話をする会長の声が歌っているようだったのも可笑しくもロマンチック。
地球でもなければ宇宙でもないという曖昧な場所を、冒頭での大人でもなければ子供でもないどっちつかずという話と重ねてくる見事な構成。どっちつかずの場所だけど、こんなにも素晴らしいじゃないか、と。
何物でも無ければないほど可能性に満ちている。そしてその可能性の力が、彼女たちに宇宙を肌で感じさせている。可能性や選択肢が限られている者も居るのに、君たちと出会えた僕はとても幸運だと誇らしげに語る会長もカッコイイ。
そして不意に「シンデレラ…」と呟くあおい。「私たちはガラスの靴一つに集まった5人のシンデレラなんだよ!」と力説。ぽかーんとした空気に急に恥ずかしくなってしどろもどろになるのが実にニヤニヤですw「恥ずかしいセリフ禁止!」という声が聞こえてきそうw…でも、確かに言い得て妙ですね。
冒頭でさりげなくブレーキ(減速)について描写していたり、練習シーンで限界高度についてさりげなく触れたりと、放課後のプレアデスは布石の置き方というか、物語の組み立てが巧いのも見所です。このアニメはそれぞれのエピソードでのテーマとモチーフの組み合わせと見せ方、物語の描き方がほんとうに上手い。
3話は空から深海、成層圏、そして宇宙とダイナミックな場面転換が魅力的で、また、YouTube版第3夜の「あの場面」もアレンジを加えて再現されていてファンとしては思わずニヤリとさせられたりと、実に楽しいお話でした。
2015-04-28 08:42
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