「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」第5話感想 [アニメ]
第5話「人ならざる者」
いやぁ、ホント回を重ねる毎にグングン面白くなっていく。
蒔絵の元に保護され、蒔絵との交流の中で徐々に変化を見せていくハルナが実にイイ。
コンゴウとの精神共有空間(…とでも言うのかな?)での会話シーンも、コート姿ではなく蒔絵に着せられた洋服姿だったというのもさりげないポイントですね。この場面の「その格好気に入ったのか」というコンゴウの言葉はぬいぐるみ姿のキリシマに向けられたモノではありますが、同時にハルナに向けた皮肉のようにも受け取れます。
5話は「人ならざる者」というサブタイトルにあるように、“人では無い者達”というのがエピソードの中心人物を占めていました。
ハルナとキリシマは人間ではなく“霧”のメンタルモデルですし(キリシマに至っては人の形すら成していませんがw)、蒔絵は“ヒト”ではあるけれど、“人工的に作られた”存在。そして“人間扱いされていない”。
博士は人間ではあるけれど機械によって生かされているある意味“人間を捨てた”状態。そして館のメイドさんたちも人では無さそうです。
生命反応無し、生命反応が極端に少ない、と言っていた矢先に背後に立っているメイドさん。これって要するに、メイドさんは人間ではないかもしれない、ということを臭わせていますよね。夜中ハルナ達を博士の下に導く場面も、どこか機械的です。
そんな“人では無い者達同士”が偶然にも出会い、同じ場所に集い、そしてそれによって変化を見せていく。
人類の敵と、その敵を打ち倒す兵器を開発した者との邂逅。そして、人ならざる者同士の出会いと交流の中から芽生える“人間性”。なんとも皮肉めいていて、そしてドラマチックで、切なくも引き込まれる見事なエピソードでした。
しかもエンディングが「Innocent Blue」というのがまたニクイ演出!
今期のアニメの中ではダントツで面白い本作。
実はアニメ開始と平行して原作も電子書籍(Kindle)で読み始めたのですが、比べてみると、アニメでは大胆な登場人物の整理と物語の再構築が行われていることがわかります。にもかかわらず、ストーリーの大筋や原作の持つ雰囲気を損なっておらず、実に見事。原作をうまく再構築することで話が整理されテンポも良くなっており、アニメ化かくあるべし!といったところ。
ところで、3DCGアニメとしても注目の本作。ぱっと見た感じは手描きのアニメと見紛うほどです。
もちろん、3Dモデルやトゥーンシェーディングの完成度の高さもありますが、従来の3DCGアニメと端的に違うのは“むやみに動かさない”ということでしょう。…CGなのに、ヌルヌル動かない。
3DCGとなるとどうしてもリアルで細かな動きやリップシンクなどさせたり、カメラをグルグル動かしたりしてしまいがちです。しかし、このアニメはあえて手描きアニメの制約に納めてある。
大きな仕草をするとき以外はほとんど動かないし、口の動きも単純な口パク。カメラワークも基本的には2次元的な動きです。背景や演出なども手描きのアニメ的。だからこそ、3DCGなのにまるで手描きのアニメのような映像に仕上がっているのではないでしょうか。
手描き(2D)のアニメと見紛う映像も見所ですが、そんな中での3DCGならではの部分も注目です。
例えば、第2話での浮上シーン。カメラは水平を維持したまま、船体の傾斜変化に合わせて(完璧に水平を保っている)イオナの足がゆっくりと滑らかに角度を変えていく動きなどは、3DCGならではでしょう。
手描き(2D)のアニメの見た目に似せつつも、所々に3DCGらしい表現がふんだんにあり、手描きのアニメのように見えるけれど、でもちょっと違う。3DCGならではの手描きではちょっと出せない感覚の映像になっていて面白い。
プリキュア、ラブライブ!、AKB0048、プリリズ、アイカツ!etc...そしてアルペジオ。
3DCGを手描きアニメの映像に馴染ませる、融合させる試みは、ここ数年で格段にレベルアップしていますね。手描きの良さ、CGの良さ、双方をミックスした新しい映像表現。これから先の進化も楽しみです。
いやぁ、ホント回を重ねる毎にグングン面白くなっていく。
蒔絵の元に保護され、蒔絵との交流の中で徐々に変化を見せていくハルナが実にイイ。
コンゴウとの精神共有空間(…とでも言うのかな?)での会話シーンも、コート姿ではなく蒔絵に着せられた洋服姿だったというのもさりげないポイントですね。この場面の「その格好気に入ったのか」というコンゴウの言葉はぬいぐるみ姿のキリシマに向けられたモノではありますが、同時にハルナに向けた皮肉のようにも受け取れます。
5話は「人ならざる者」というサブタイトルにあるように、“人では無い者達”というのがエピソードの中心人物を占めていました。
ハルナとキリシマは人間ではなく“霧”のメンタルモデルですし(キリシマに至っては人の形すら成していませんがw)、蒔絵は“ヒト”ではあるけれど、“人工的に作られた”存在。そして“人間扱いされていない”。
博士は人間ではあるけれど機械によって生かされているある意味“人間を捨てた”状態。そして館のメイドさんたちも人では無さそうです。
生命反応無し、生命反応が極端に少ない、と言っていた矢先に背後に立っているメイドさん。これって要するに、メイドさんは人間ではないかもしれない、ということを臭わせていますよね。夜中ハルナ達を博士の下に導く場面も、どこか機械的です。
そんな“人では無い者達同士”が偶然にも出会い、同じ場所に集い、そしてそれによって変化を見せていく。
人類の敵と、その敵を打ち倒す兵器を開発した者との邂逅。そして、人ならざる者同士の出会いと交流の中から芽生える“人間性”。なんとも皮肉めいていて、そしてドラマチックで、切なくも引き込まれる見事なエピソードでした。
しかもエンディングが「Innocent Blue」というのがまたニクイ演出!
今期のアニメの中ではダントツで面白い本作。
実はアニメ開始と平行して原作も電子書籍(Kindle)で読み始めたのですが、比べてみると、アニメでは大胆な登場人物の整理と物語の再構築が行われていることがわかります。にもかかわらず、ストーリーの大筋や原作の持つ雰囲気を損なっておらず、実に見事。原作をうまく再構築することで話が整理されテンポも良くなっており、アニメ化かくあるべし!といったところ。
ところで、3DCGアニメとしても注目の本作。ぱっと見た感じは手描きのアニメと見紛うほどです。
もちろん、3Dモデルやトゥーンシェーディングの完成度の高さもありますが、従来の3DCGアニメと端的に違うのは“むやみに動かさない”ということでしょう。…CGなのに、ヌルヌル動かない。
3DCGとなるとどうしてもリアルで細かな動きやリップシンクなどさせたり、カメラをグルグル動かしたりしてしまいがちです。しかし、このアニメはあえて手描きアニメの制約に納めてある。
大きな仕草をするとき以外はほとんど動かないし、口の動きも単純な口パク。カメラワークも基本的には2次元的な動きです。背景や演出なども手描きのアニメ的。だからこそ、3DCGなのにまるで手描きのアニメのような映像に仕上がっているのではないでしょうか。
手描き(2D)のアニメと見紛う映像も見所ですが、そんな中での3DCGならではの部分も注目です。
例えば、第2話での浮上シーン。カメラは水平を維持したまま、船体の傾斜変化に合わせて(完璧に水平を保っている)イオナの足がゆっくりと滑らかに角度を変えていく動きなどは、3DCGならではでしょう。
手描き(2D)のアニメの見た目に似せつつも、所々に3DCGらしい表現がふんだんにあり、手描きのアニメのように見えるけれど、でもちょっと違う。3DCGならではの手描きではちょっと出せない感覚の映像になっていて面白い。
プリキュア、ラブライブ!、AKB0048、プリリズ、アイカツ!etc...そしてアルペジオ。
3DCGを手描きアニメの映像に馴染ませる、融合させる試みは、ここ数年で格段にレベルアップしていますね。手描きの良さ、CGの良さ、双方をミックスした新しい映像表現。これから先の進化も楽しみです。
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やっぱ面白いね
by 二等軍曹 (2015-07-29 15:00)