■ランニングのシーンと勧誘のポスター 早朝の自主トレのシーンは今回のエピソードの重要なシーンの一つです。学校の校門前でのランニングもそうですね。これらのシーンを2話では度々印象的に描いてあります。
また、かのんちゃんの起床シーンは3回。1回目はスマホのアラームで起きてランニングへ、2回目はアラームは止めていたけど習慣的に飛び起きる。3回目はアラームなしでも起きて、意を決してランニングへ、という違いが描かれています。
そしてスクールアイドル部勧誘のポスターの場面。これは4回。序盤で四季ちゃんが見ている場面。中盤でかのんちゃんが見ていて恋ちゃんから他の部は集まっていることを告げられる場面と、目標を「出場」に張り替える場面。そして最後、再び「優勝」に戻っている場面です。
これらは2話の3幕構成の展開をわかりやすく示しているものでもありますね。
■窓の外にきな子ちゃん 早朝ランニングにでかけるかのんちゃんがマンマルに挨拶しようとして窓の外にきな子ちゃんを見つける、というのは、これまで度々描かれてきた“出かけるときにマンマルに挨拶する”というかのんちゃんの行動パターンを巧みに活かした展開ですよね。
■カルボナーラパン きな子ちゃんがメイちゃんに
カツアゲ…話があると連れて行かれたときに差し出そうとしたカルボナーラパンは、
名物パン投票企画で選ばれたパンの一つです。
■新入部員が欲しい きな子ちゃん一人だけが遅れて足を引っ張っているようになってしまう。だからもう何人か新入生がいて欲しい。これもどうにかして新入部員を確保したい(目標を「出場」に格下げして練習を軽くしてハードルを下げてたこ焼きセットで勧誘してでも)という気持ちに傾く一因になっているんですよね。
一方で、きな子ちゃんとしては自分が足を引っ張ってはいけないという気持ちがある。しかし、必死についていこうとすればするほど、周囲からはよりいっそう大変そうに見えてしまうジレンマ。
■すみれのせい 「やっぱりすみれのせい以外に考えられないです」という可可ちゃんに「なんでよ!」と反論し続けておいて、きな子ちゃんが「私のせい」と言い出したら慌てて「私のせいよ!」と自虐的にフォローするすみれちゃんw
「すみれのせい」をしつこくやってきたからこそ、「私のせい」の流れが効いてくる。
■気にするな 気にするな、メイちゃんは体育の授業の時と池のほとりの場面とで、2度この言葉をきな子ちゃんに伝えています。
■似たもの同士? 四季ちゃんがきな子ちゃんを呼び止めて「座って」と言うシーンと、メイちゃんがきな子ちゃんを呼び出して「座れ」と言うシーン、意図的に似せてあるんでしょうね。
この二人、けっこう行動パターンが似たもの同士なのかも。
■クーカー と かのきな かのんちゃんがきな子ちゃんをそっと抱いて優しく語りかけるシーンは、1期3話の可可ちゃんがかのんちゃんを抱いて語るシーンとどこか重なります。1話の喫茶店のシーンと同様に、あのときの可可ちゃんの立場に今度はかのんちゃんがいる。1話から度々見られる1期の可可ちゃんとかのんちゃんの立場との対比はなかなか興味深い部分です。
■2年生と1年生 早朝の公園できな子ちゃんが2年生の5人に自分の意見を思い切ってぶつける場面。2年生はウッドデッキの上に立っていて、きな子ちゃんは石畳の上。その間を隔てるように排水溝があるという構図は、スタンダードなわかりやすさですよね。
かのんちゃんが噴水の手前のベンチのところにいるのは、前半できな子ちゃんと一緒に走ったときと同じ場所。かのんちゃんのランニングルート。そんなかのんちゃんの向かい合うようにきな子ちゃんが来て、2年生は二人ずつかのんちゃんの居る場所の両サイドから集まる。これで自然と2年生5人ときな子ちゃんとで立ち位置が分かれています。
そして最後、きな子ちゃんは間にある“溝”を飛び越えてLiella!に改めて加わるのです。見方によってはウッドデッキの部分がステージにも見えて、“同じステージ”に上がっているようにも見えますよね。溝を超えると言うよりむしろこっちかな?
■ピース きな子ちゃんがLiella!の円陣に加わる場面は、「☆」に加わるというより「ピース」に加わる、文字通りLiella!の「ピース(小片)」のひとつになることを象徴している場面ですね。改めてきな子ちゃんがLiella!の一員になり、欠かせない存在になった瞬間です。
■朝日 1期から度々描かれてきた早朝ランニング。日々自主トレに励んでいるということを表現すると同時に、こういうシチュエーションでそのもう一つの効果が発揮されます。そう、朝日です。
1期2話のラストシーンもそうでした。迷いが晴れ、気付きを得たみんなの心境を表すかのように、台詞に合わせて徐々に朝日に照らされていく。
心が晴れ渡っていくさまを表しているかのような光景。
そして噴き上がる噴水の飛沫を朝日が照らし、虹が架かる。
お見事と言う他ない名場面でしたね。
■桜 満開の桜の公園。桜は桜小路きな子の「桜」でもあり、舞い散る桜の花びらは、円陣に加わる場面で舞う「6色の花びら」の呼び水的な効果も果たしています。
■優勝に戻ったポスター 「出場」に張り替えられた場面が印象深く、釈然としなかったからこそ、優勝に戻っているポスターがよりグッときます。
■おばあちゃんの電動カート アバンタイトルの練習シーンではおばあさんの電動カートにすら追い抜かれていたのに、ラストシーンではなんとか追い越して前を走れている。きな子ちゃんの成長ぶりをさりげなく描いています(実は最初のシーンの方が電動カートの速度は速かったりもするのですが、そこも含めての見せ方の巧さです)。
■謎の少女 パッと見てただの通行人では無いと分かって目を引くデザインや見せ方もそうですし、冒頭のランニングシーンとの同ポジで対比させるシーンでありつつ、反対側の歩道の通行人がカメラの手前を横切ることを想定したレイアウトでもあり、ランニングしているみんなで視線を左に誘導してからの左から右へフレームイン。見事だなと。
■追いかける夢の先で 歌っているのがきな子ちゃんですし、歌詞がまるで今回のお話を経たきな子ちゃんの気持ちそのもののようにも聞こえてきます。
同じ曲なのに、そのときのエピソードや歌っているメンバーによって違う表情を見せるのもラブライブ!のエンディングの面白さですから、次回以降も楽しみです。