■映像の印象 VRヘッドセットをかぶって見えるのは前方視野角100度ほどだそうです。よくPVなどで見かける周り一面映像みたいなのは、まぁ当たり前ですがイメージです。前方を注視していればほぼ視野角いっぱいに映像が見えるので気にはなりませんが、なんとなく丸い筒越しに映像を見ている感じはあります。
とはいえ、その場にいる臨場感は確かに凄くて、触れそうと思ってコントローラを持つ手をふとのばすと見えない壁に(現実世界に実在する物や壁の存在を忘れてしまい)ぶつかったり、没頭するとついついリアルの壁の存在を忘れたりするので、本当に周りはきちんと片づけて、なるべく広い空間で遊んだ方が良いです。
ちなみに、PSVRは1920x1080の有機ELパネルを左目用と右目用のに分割して映像を映し出していてる(VRコンテンツ以外の、通常の2D映像で使われる領域はさらにその一部)ので、普通にフルHDのモニタやテレビに映し出している時と比べるとどうしてもドットが荒く見えてしまいますが、1280x720解像度のプロジェクタで大画面を投影した映像を見ているようなものと考えるとそれほど気にはなりません。
VRではない通常のコンテンツは、仮想スクリーンによる大画面表示(シネマティックモード)なので、ゲームを映画館のスクリーンでプレイするような気分も味わえますし、ライブコンサートのBlu-rayなんかは“ひとりライブビューイング”気分で楽しめます。
アップデートでBlu-ray3Dにも対応したので、3D映画の鑑賞などでも活用できます。いつか視聴環境が整った時のためにと3D同梱版を買っておいた「ゼロ・グラビティ」をPSVRで鑑賞してみたのですが、やはりこの映画は3Dで鑑賞してこその臨場感ですね。VRだとクロストークもほぼゼロなので、ヘタしたら映画館で3Dメガネで観るよりも高精度で臨場感のある3D体験ができます。
■PSVRならではの特徴 PSVRはヘッドトラッキングに内蔵センサーの他に別途PSカメラを併用しています。昨今は追加のセンサーやカメラを置くことなく、単体でポジショントラッキングができることをウリにした製品もありますが、PSVRはある意味原始的な仕組みゆえにトラッキングの精度はかなり高く、また、カメラがあるおかげでヘッドセットを装着しているときも自分の周囲の様子を確認できるというのも地味に便利です。
いくつかのタイトルではプレイを始める前にカメラの映像を表示して周囲の安全確認を促してきますし、PSボタンを押してVRのメニューから「周囲を確認する」を選択すれはいつでもカメラが捉えている映像が表示されて、これが何気に便利だったりします。
例えば、安全確認はもちろん、VRに没入していると自分の体の向きなどが分からなくなって、正面ポジションがずれたりもする。そんなときにカメラの映像を確認することで、自分がカメラの正面に向いているか確認したうえでポジションをリセットできます。
■少し気になった点 映像が全く表示されていないとき(例えばソフトが起動するまでの間や、ロード中にローディング表示が無い間などの、電源は入っているが映像が無信号状態)の有機ELパネルのノイズが少し気になります。このノイズ自体は視差などとは無関係なので、VRヘッドセットのレンズを通して見るとちょっと気持ち悪いんですよね。人によっては軽い酔いを感じると思います。とりあえず表示が無いときは目を閉じるとか、片目閉じて見るとかすれば違和感を軽減できますが…。
■ゲームで遊んで観た感想 VRを買ったらまず最初にプレイしたいと思っていた「Rez Infinite」。ソフト自体は発売日に買って、通常の2Dモードでプレイしてもそれはもう感動したのですが、VRモードはそれ以上。本当に凄かった。水口さんが語っていた「モニタの枠が取り払われる」というのはこういうことか、という。とにかく凄い。
VRを買ったら必ずプレイすべき1本だと思います。というか、今回の値下げ分は実質このソフトの購入予算、事実上の同梱ソフトくらいの気分で購入必須です!ぜひ!
「VR WORLD」はVRローンチのデモンストレーションソフトとして良くできています。タイトル画面からしてザ・VRという感じの、VRならではな体験を端的に楽しめるソフト。様々なジャンルのVRコンテンツを楽しむことができ、個々の完成度も高くけっこう遊べるので買って損は無いでしょう。体験版では海に潜るコンテンツが楽しめるので、これだけでも試してみる価値はあります。
同様に「VR DemoDisk」もいくつかのVRタイトルの体験版詰め合わせになっていて、こちらもVRコンテンツの体験にはもってこいです。
そしてPSVRといえばの「サマーレッスン」も購入。新型の登場に合わせて発売になった3人目の子と、一番最初に発売になったのを買ってプレイしてみました。「サマーレッスン」は描画解像度が他と比べて若干低いのかややぼやっとした印象ですが、それでも“そこに女の子がいる(しかも至近距離!)”という存在感や、近くに顔を近づけてきたりしたときのドキッと感はなかなかのものです…。
余談ですが、初代PS用のソフトだった「NoeL」というゲームを思い出しましたね。
■VR酔いについて 自分はほとんど3D酔いはしないタイプなのでVRも平気だろうと思っていたのですが、VRではゲーム内の自分やカメラを動かすタイプのコンテンツ(体や頭の動きとゲーム内の視界の動きが一致しないケース)は動かした瞬間すぐに酔いを感じて、長時間プレイするのはきついと感じました。
ゲーム内の自分が動かないタイプの(実際に頭を動かすことで周りを見渡す)コンテンツでは違和感や酔いを感じることはほとんど無かったので、ハードウェア的な要素(トラッキングのずれや映像の遅延など)で酔うことはほぼ無いと思います。
酔いが心配な場合は予め酔い止めを服用しておくか、固定ポジションなタイトルを選んでプレイした方が良いかもしれません。
いずれにせよ、体調の優れないときはプレイは控えた方が良いでしょう。
しかし本当に、誰もが異口同音に語ることだと思いますが、やはりVRは体験してみないとその凄さがわからないですね。
PVの映像やゲーム実況プレイなども見てはいたのですが、自分も体験してみて初めて「あのとき見た実況プレイの出演者のリアクションも納得だわ!」ってなりましたからw
機会があればぜひ一度体験してみることをおすすめします。