■本当の気持ち 今回の千砂都ちゃんは8話のすみれちゃんとちょっと似たような立場ですね。屋上のシーンなんかは、見ていてやはり8話のことがいろいろと彷彿とさせられたのではないでしょうか。
■雪と風 屋上のシーンは雪が降って冷たい風も吹きすさんで、でもしっかり立ってる。
一転、その夜は穏やか。むしろどこか温かみもある。この作品特有の暗くない夜の描き方もそこに作用していますよね。
■それぞれの想い 可可ちゃんとすみれちゃん、恋ちゃんと千砂都ちゃん、2期生の4人。それぞれが自分の気持ちと向き合い、想いを伝える場面、みんなの個性や想いがしっかり描かれていましたし、ある種韻を踏んだ様な構成にもなっていて美しかったですね。
あと、2期生が悩んだり落ち込んだりしたときに、そんなみんなの気持ちを切り替えてくれるのが夏美ちゃんなんですよね。
そしてこの一連の場面で流れている劇伴が「私のSymphony」のインストアレンジですよ…。
■いてほしいし、いてほしくない これが全てですよ。この言葉に尽きる。
■こたえはここに みんなこたえは最初からちゃんと持ってるんですよね。なんとなくわかってる。だから悩む。考える。そして、やっぱり私のきもちはこれ、となる。
■千砂都ちゃんはバイト休み 千砂都ちゃんは今日はバイト休みというのを事前にさりげなく描いておいてからの、かのちゃんがたこ焼き屋さんに行ったけどそこに千砂都ちゃんはいなくて…というシーンに繋がる。上手い。
■帰り道 千砂都ちゃんのバイト先のたこ焼き屋さんからかのんちゃんの自宅までの帰り道で、途中可可ちゃんのアパートの前を通る、というのは1期1話でも描かれています。この地理関係が今回も活きていましたね。
で、なんとなく顔を合わせづらい。裏道に行こうとしたら2期生達が走って行く。このたたみかける感じもかのんちゃんの心理的に辛かったのでしょう。
そして千砂都ちゃんは別の場所にいるので会えない。
■澁谷かのんの孤独 かのんちゃんって、おそらくLiella!の中でも特に孤独なんですよね。みんなから頼られている故に孤独。才能ある選ばれた者であるが故に孤独で、それ故に留学の話が舞い込み、ひとりで旅立たねばならない。
そんなかのんちゃんの孤独感が強く感じられる一連のシーンでもあります。
■溢れる涙と母の言葉 誰にも頼れないかのんちゃん。ひとりで決壊寸前まで溜め込んだものが、母の何気ない言葉に涙となってこぼれ落ちることで、心が救われる。
全てを受け止め包み込んでくれる母、そして家族の存在。ひとりじゃない。
■私を叶える ウィーンちゃんは私の夢を叶える、ということに強い意志を持った子です。それは彼女の歌にも現れていました。
■ツンデレ ウィーンちゃんは、かのんちゃんを留学させれば自分も進学できる、自分はそれで構わないし手段は選ばない、ということをわざわざ話して、隠さずちゃんと明かした上で、それでも留学した方がいいと言うんですよね。だからこその言葉の重みです。そして彼女の強さであり優しさ。
で、あんたのためじゃなくて自分が進学するためなんだから「勘違いしないでね!」ですよ。まさにツンデレのお手本!w
■そして、考える ウィーンちゃんと話をして、自室で考えにふけるかのんちゃんの姿、1期1話の「未来予報ハレルヤ」の中のワンシーンに出てきたのと同じ構図。
■スクールアイドルのその先の物語 スクールアイドルとしての、Liella!としての夢がある。でもそれ以前に、澁谷かのんとして抱き続けてきた夢がある。スクールアイドルに出会う前から抱き続け、スクールアイドルのその先に続く夢。
「追いかける夢の先で」、ですよ。
■マンマルに声をかける そういえば1話ではマンマルが寝ているから声をかけなかったかのんちゃんですが、このときは寝ているマンマルに「行ってくるね」と声をかけています。大切な決心を秘めて出かけるから、大好きなマンマルに「行ってくるね」と自然と声を掛けたのかもしれませんね。
■夜の学校 いいですよね、夜の学校。何気に夜の結女校舎は初。
「ういっす~」と陽気に出迎える千砂都ちゃん。別にこの二人ケンカしているわけじゃないんですよね。怖がりなかのんちゃんも、あーそういえばそうだったねと可愛らしくて、ふたりのなんでもない姿に、大きなものを背負っているけど、それ以前に普通に高校生の女の子達なんだよなぁというのを思い出させてくれるシーンでした。
そして大事な想いを交わすのはやはり夜の、他に誰もいない自分たちだけの学校に限りますね。μ'sも、Aqoursもそうでした。そして、Liella!が集まるのはそう、「想いが結ばれる場所」です。
■大人達は手を貸さない 大人達は話を聞いたり、場を用意したりはしてくれるけれど、基本的に見守るだけです。
■いつか帰る場所 おしまいにすることを選んだμ’s。名を刻み継承するAqours。
Liella!もひとりでも欠けたら終わり、をいったんは決心します。でもそのうえで、だからこそ、心の支え、いつか帰る場所として続ける道を選ぶ。
そして解散せずに続けるからには、いつか帰ってこられる場所として、ふさわしい場所でなくてはならない。ならば、まずは優勝決めますか!と(そしてここでみんなでこたえを出した時点で優勝はもう決まったようなものです)。
かのんちゃんの夢と、みんなとの夢、どちらかではない。かのんちゃんの夢も叶える、Liella!の夢も叶えてみせる。誰かの夢のために誰かの夢を諦めない。そんな新しい夢です。
■ふむー 千砂都ちゃんこうなること予想してたでしょw なんならみんなもw
■ラブライブ!はラブライブ!の物語ではない 事あるごとに言っている気がしますが、ラブライブ!はラブライブ!(という大会)の物語ではないからこそ、ラブライブ!に出場し、その最高の結果を目指すのです。まさにそれが示されたお話でもあったかなと思います。
夜の部室での「ラブライブ!、優勝しましょう!」に、まさにそれが象徴されていた。
■サニパのふたり 可可ちゃんの憧れであり、Liella!の良きライバルであり先生でもあったSunny Passion。
3年生で大会期間も終えたサニパの二人は、いわゆるOG状態。勝ち負けはともかくとして、3年間を終えたスクールアイドルのひとつの姿。先行く存在です。
そして来年、Liella!の1期生は3年生になります。
■決勝 ぶっちゃけウィーンちゃんとの頂上決戦を繰り広げた東京地区大会以降は(過去のシリーズも概ねそうでしたが)もう消化試合ですよw 決勝とか勝敗の行方とかは実質どうでもよくて、こたえにたどり着いたLiella!がその想いを表現するための晴れ舞台なんです。
μ’sが「KiRa-KiRa Sensation!」で奇跡それは今さここなんだと歌い、Aqoursが「WATER BLUE NEW WORLD」でココロに刻むんだと歌った様に、ここでLiella!が歌うのが「未来の音が聴こえる」なんですよ。
■風が吹く 風が吹くんですよ。Liella!の大事な場面では。
■駆けていく足元 「未来の音が聴こえる」の終盤、前に向かって走っていく足元のカットは、ラブライブ!のライブシーンだなぁと感じる象徴的な映像のひとつですよね。「僕らは今のなかで」とか思い出します。イマとミライ。
■LoveLive! New Superstar!! キービジュアルのシーンがあって、街頭ビジョンにLiella!の映像が映し出されるという決勝大会後の一連の日常の風景は、1期1話の冒頭のシーンとどことなく似ている、対比になっているんですよね。1期1話でSunny Passionがいたポジションに、今は…これからはLiella!がいるわけです。
追いつけ追い越せ。追われる側になっちゃいましたよ。
■一等賞 一等賞っていう言い方がもう…グッときます。
■がんばる可可 かのんの分までがんばる、と言う可可ちゃん。クーカーの時の言葉を思い出しますが、あの頃よりずっと頼もしい。
■制服 ウィーンちゃん普通科の制服着てるんですよ。普通科なのか、音楽科だけど普通科の制服を着ているのかは定かではありませんが。前者だとしたらなぜ音楽科ではなく普通科なのか(まぁ、かのんの元で、ということでしょうけど)、後者ならプライド高そうなのに普通科の制服を着ているというのがちょっと可愛いなと思ったりw
っていうかそもそも何故結女の制服を!?なんですけどねw
■留学中止 留学はなんか中止になったみたいですけど、でも、卒業は否応なくやってくるわけで、いずれそことは向き合うことになる。スクールアイドルを終えたその先に長く続く道。
12話はそのプチ先取りみたいなところもあったのかなと。
■逃げれば一つ、進めば二つ かのんちゃんが留学を決意して結女からは居なくなり、Liella!は残された8人になるかおしまい、…という展開と、かのんちゃんは結局留学を断り、これからもLiella!9人で続いていく、という展開の2択だと誰しも思っていたと思うんですよ。
その後のLiella!がどうなるかはともかくとしても、留学をするかしないかのどちらかを選ばざるを得ない以上、どっちかだろうと。
後者は一見元の鞘に収まるでめでたしめでたしかもしれないけど、留学はやめてみんなと一緒はそれはそれで玉虫色だし夢のために夢を奪うだし千砂都ちゃんもかわいそうです。モヤッとしてスッキリしない。
だからやっぱり、留学をちゃんと決意するのを見たいし、彼女たちは留学するという道をきっと選ぶだろうなとは思っていました。それが見られたのは嬉しかったし清々しかった。
でもまだ何かが引っかかるような感覚がある。ある意味平凡な結末だな、みたいな。このまま終わりではないよね、と。そしてなんだかんだで寂しいし、やっぱり3年生編も2連覇も9人で続いていくLiella!も見たかったな、と思っていたらですよ…。
留学の決意とかのんちゃんの残留。まさかその両方を叶えるなんて思ってもいませんでした。
すげぇ!両方つかみ取っちゃったよ!っていう痛快さ。これよこれ!w
しかも、かのちゃんが「やっぱり嫌だ!」とか言い出したわけでも、みんなが「行かないで!」と引き留めたわけでもありませんからね。かのんちゃん自身は最後までちゃんと留学するつもりだったし、みんなもちゃんと納得して送り出すつもりだった。学校側の都合(か何か)で中止になっただけなんです。
で、これはあくまで想像の域を出ないので全く的外れの可能性もありますが(違ったらその時はその時でw)、その中止の理由も単に白紙、やっぱ留学の話しナシ…みたいなのではないと思うんですよ。何かしらの理由で、かのんちゃんは結女に居させてそのうえで…みたいな判断があったのかなとも思わなくも無い。
ウィーンちゃんが結女に来てるからには“かのんの元で学べ”という交換条件が生きているということでしょうし。 そしてたぶん、それはLiella!がラブライブ!で優勝したからであって
(ラブライブ!は向こうでも知られているそうですし)、優勝できたのはやっぱり、あの夜部室でみんなでちゃんと決意したからだと思うんです。あれが無かったら、それこそ何も手に入れることができなかったかもしれない。
また、かのんちゃんとウィーンちゃんは留学と進学で一蓮托生みたいになっていたし、何はともあれかのんちゃんの元で学べ、ということになっていて、ウィーンちゃんもそれでも構わないという覚悟だったから、こういうことになっているのかもしれない。
まったく…って感じの顔してましたがw みんなの気持ちがあって、悩みがあって、そしてそれぞれの決意があったから、新たな可能性をたぐりよせた。道が結ばれた。本当にワクワクする展開!
某水星の魔女さんじゃないですけど、まさに
「逃げれば一つ、進めば二つ」手に入れてみせた!
■たとえ3期が無くても この終わり方は大満足です!大好きな終わり方のひとつですから。
■「あなた」の私を叶える物語 12話は、それ自体が3期生オーディションに参加しようと思うあなたに向けたエールでありメッセージとしての一面も持ち合わせているようにも感じます。
それを直接的に表現しないところも巧いなぁと思う部分。 突然舞い込んだ「留学」=「一般公募」。
心のどこかで抱いていた夢を、叶えるチャンスがきた。でも…どうしよう。
そう考えると、この物語の…とりわけ12話の主人公は「あなた自身」ともいえます。…別に「一般公募」でなくてもいいんですよ。それぞれに「わたし」にとっての大きな決断やチャンスに置き換えて考えてもいい。これは私を叶える物語。
■追いかける夢の先で 追いかける夢の先で、僕はどこへ向かっていくんだろう。
手が届く夢の先の夢を、今は追いかけたい。
広がる世界、変わってく景色もあるけど、変わらない情熱は!
いっぱい悔しいこと乗り越えて、叶えたい夢。
変えようよ未来を、ずっと夢追いかけるよ!