#12「私を叶える物語」

 前回のラストシーンからの続き。かのんちゃんに留学して欲しいと告げる千砂都ちゃん。「世界に歌を響かせる」というかのんちゃんの小さい頃からの夢。まさにその夢を叶えるチャンスが目の前にある。だから、「私は、かのんちゃんに夢を叶えてほしい。かのんちゃんにしか叶えられない夢を」と彼女は言います。
 もちろんみんなもそう思っているけれど、今じゃなくても、という気持ちもある。断ってこの話がなくなったとしても「その時はその時」
 でも、「もしそうなったら、私たちがかのんちゃんの夢を叶えるチャンスを奪ったんじゃないかって、みんな後悔するんじゃない?」と千砂都ちゃん。誰かの夢が誰かの夢を奪うかもしれないというのは、前回のお話でも語られたことですね。
 「でも決めたのは私。私はこの学校に…!」と、あくまで自分が決めたんだからと言うかのんちゃんに、「世界に歌を響かせるんでしょう!」と珍しく強い語気で訴える千砂都ちゃん。
 グッと唇を噛みしめ、作り笑いを浮かべ、涙を流し訴えます。
 「今しかない…チャンスなんだよ…?」