原作未読。予備知識もほとんど仕入れず、ちゅんるんこと指出毬亜さんも出演されている＆天文モノっぽいということで（「放課後のプレアデス」や「スター☆トゥインクルプリキュア」など、宇宙や天体を題材にした作品は好みなので）なんとなく頭の片隅にあったTVアニメ「恋する小惑星（アステロイド）」。早速見てみたのですが、けっこう良い感じで、久々にこれは毎週ちゃんと見てみたいなと。
春。高校に入学した木ノ幡みらは、絶対入ろうと決めていた天文部がなくなっていて大ショック。みらには、幼い頃にある人物と約束した「小惑星を発見する」という夢があったのだ。今年から「天文部」と「地質研」が合併した「地学部」が出来たと聞いてさっそく入部する。部室でみらを待っていたのは個性的な3人の先輩と、そしてもう1人……。
男の子だと思っていたら実は女の子でした、女の子同士のゆるふわ仲良しストーリーというのはいかにもきらら系作品的だなぁと感じる部分（他の部から隔絶されたちょっと変わった部活＆部室というのも某作品っぽいｗ）ではありますし（笑）、タイトルからてっきり天文学方面がメインのお話かと思いきや、いきなり天文部は無くなったと言われる展開に驚いたり、まさかの地学部と合併という展開にも意表を突かれましたが、なかなか面白い物語運びだなと思ったり。何より、ゆったりとした美しいオープニング・エンディングとも相まって、全体の雰囲気作りがとても良く、絵作りもしっかりしていて物語のリズムや間の取り方なども心地いい。
自分の名前が星の名前でもあることを知って喜ぶみらちゃんが、そのことをきっかけに星に興味を持つさまや、あおちゃんの名前を星につけるために小惑星を見つけるんだという動機が可愛らしくもロマンチックですし、かといって大きくなってものすごい天文少女になっているわけでもなく、けれどいつか再会したときのためにちゃんと勉強はしているというのも、彼女らしさを表していて良いなと思ったり。一方のあおちゃんの方も、あの日であった子の事を忘れないためにくじらのアクセサリーをずっと付けている（“ミラ”はくじら座の星）というのもなかなか可愛いじゃないですか。
みらちゃんとあおちゃんのヒロイン二人はもちろん、みらちゃんの幼なじみのすずちゃんも（ちょっと歪んでいるけれどｗ）面倒見がよくていい子ですし、地学部の部長さんもいろいろ不器用で空回りしている感はあるけれど、地学の事は本当に好きなんだろうなというのが伝わってきて好印象。そんな彼女の不器用さを支えるちゅんるん演じる猪瀬さんもいいキャラですし、優しく見守る感じの元天文部の部長さんなど、どの登場人物もそれぞれに魅力的です。あと、先生なんでそんなにバーベキューにこだわるの（笑）
方や空を見上げ、方や地を見下ろす天文部と地学部が合併というのも対極ではあるけれど、なるほどある意味繋がっているなとも思うし、“キラキラ輝くもの”という共通点を見いだして部活の会報のタイトルが「KiRAKiRA」に決まる、という第１話の締めくくりもなかなかに美しくて、ああ、次も見てみたいなと思う決め手になった場面でもありました。
まぁ、今後天文学も地学要素もそこそこにゆるふわ日常モノになっていく可能性も無きにしも非ずな気はしますが、アニメーション制作を担当している動画工房と４コマ（“４コマ”ではない部分も多いけれど）系原作との組み合わせは「ゆるゆり」を筆頭に、「未確認で進行形」「三者三葉」「NEW GAME」と相性が良く、毎度映像作品としての再構築が巧いので本作も大いに期待したいところです。
TVアニメ「恋する小惑星」公式サイト