- 音楽
南條さんの個人名義楽曲では、flipSideの激しさやクールビューティーさとはまたひとあじ違った優しく透き通る様な歌声の魅力が堪能できます。
「君が笑む夕暮れ」は2曲目のアコースティックバージョンがすごく良くて、1st Mini Albumの「カタルモア」に収録されている「blue」もそうですが、アコースティックな曲はシンプルであるからこそ歌声の魅力が引き立ち、そしてまた表現力や歌唱力が問われる。歌い手としての真価が現れますね。
もう１枚は岩男潤子さんの「やさしさの種子」。
かつて「カードキャプターさくら」で自らが演じた大道寺知世として歌ったキャラクターソングを、新たなアレンジで再び“知世”で歌ったバージョンと、岩男潤子さん自身の歌として歌ったバージョンの2種類、計６曲が収録されています。ジャケットはCLAMP先生描き下ろし。
十数年の歳月を越えて甦る知世の歌声。そして素朴なジャズの音色に乗せた慈愛と深みに満ちた潤子さんご本人としての歌声に心奪われます。
岩男潤子さんは、“声優であり歌手”な人のなかではやはり、自分にとって揺るぎない頂点の一角を成す人だなぁと再認識。声優さんでこれほどまでに歌や音楽、そして表現者であることに対して真摯で、“純粋な歌声を聴かせられる”人はそうそう居ないと思うし、やはり特別な存在だなぁと。
かわいらしくふわっと優しく包み込むような、それでいて伸びやかで力強い深みのある表現力豊かな歌声が本当に魅力的です。あとなんといってもご本人の人柄ですよね。
いわゆる第3次声優ブーム（今の声優のスタイルが確立された時代）といわれる90年代に一時代を築いたものの（デビューアルバムの「はじめまして」では初っぱなからアカペラの一人多重コーラスという歌手岩男潤子の凄さをいかんなく魅せてくれましたし、壮大なスケール感を見事に歌い上げた「手のひらの宇宙」などはほんとうに素晴らしかった。パーフェクトブルーやKEYといった重く難しい役に苦悩しつつも果敢に挑戦されていましたね）、90年代終盤のアーティスト志向を強めていく過程と2000年代に入ってからは波乱の時期で表舞台からも少し遠ざかっておられましたが、2009年からはベーシストの川村竜氏のプロデュースで新境地を開き、今は声優としても活躍する傍ら、インディーズ活動的にニコ生・Ustでの不定期の生番組やミニコンサートなどで決して派手で目立った活動では無いけれど、大切に歌声を届ける活動をされています。
新陳代謝の激しい世界において、今もなお声優歌手の先駆者的存在として輝き続けているのはやはり、流行廃りに左右されない独自の音楽性や役者魂を持っていたからこそ、でしょうか。岩男さんもですが、國府田マリ子や丹下桜など、多くの第3次声優ブーム世代は2000年代以降表舞台での派手な活動こそないものの、さすが一時代を築いて生き残っただけの揺るぎない実力と存在感（オーラ）は健在、といった感じですよね。
岩男潤子ちゃんねる（niconico）
岩男潤子 X'mas Songs Medley（YouTube）
素晴らしい歌声といえば、去年の今頃も紹介しましたが、クリスマスの夜に龍が如く、龍が如く2 ORIGINAL SOUND TRACK（mora）から次の曲をぜひオススメしたい。
16.Amazing Grace ～Quartet Arrange～ 河井英里
46.Silent Night， Holy Night ～Arrenge Version～ 河井英里
故・河井英里さんが歌う、珠玉のクリスマスソングです。
本当に素晴らしい歌声です。ぜひ。
聴き入るクリスマスソング的には、こちらもおすすめ。「聖夜」 FictionJunction YUUKA【レコチョク】
楽しげなクリスマスソングだったら、笠原弘子さんの「素敵な夜に~In The Snow Land~」なんかをオススメしたい。