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TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」第3話見所チェック [アニメ]


 3話とても良かったですね。
 毎回テンポの良さや緩急の付け方の巧さが光っているのですが、1話、2話、3話のひとまとまりでも三幕構成になっているというか、シリーズ全体としての導入部分としても非常に良くまとまっていて、これからいよいよ本格的に物語が動き始める、そんな予感を感じさせる第3話でした。(第3話の感想はこちら

■「前回の~」があるからこその冒頭
 2話もそうでしたが、最初に「前回の~」をやるからこその始まり方。2話も前回のあらすじを経ているからこそ「そしてこの笑顔である」感が出ていたわけですし、今回も前回のあらすじで2話のラスト前の「次の私が始まった!」を改めて見せることで、そのすぐ後のシーンから改めて始める構成が自然な流れとして成立していると感じます。

■「やめた方が良いのではないですか?」の台詞をかぶせる
 これはよくある演出手法ですが、テーブルに突っ伏してしょげているかのんに突きつけられているかのような感じ(心配げな妹との対比でより強調されている)が面白いですよね。

■LoveLiveDays_DAY13(仮)
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 12日間の1話2話上映会皆勤賞の皆さんはきっと「ここスクショタイムにして配信して」と思ったことでしょう(笑)。
 もちろん制作時点では2話から3話の間が3週も開いて、その間にスクショタイム付き配信が行われるとは思ってもいなかったでしょうけれど、なんともタイムリーです。もしかして3話でこの撮影タイムがあるからこそ振り返り配信にスクショタイムを付けた…なんてことだったりして?
 あと、最初の1枚を撮るときの直前の撮影履歴がマンマルの写真だったのもポイントですねw

■可可ちゃんの過去
 可可ちゃんは勉強が得意というのを、2話でちょっとしたギャグ要素的に使っただけではなく、こういう家庭に育ったことがあって勉強ができる子になったんだよというのを簡潔かつ自然に描いて、かつ、勉強一筋だったからこそスクールアイドルとの出会いが衝撃だったということとちゃんとつながってるのが見事です。

■ペンライト
 「クーカー」という変わったサブタイトルを回収するネタとしてユニット名披露のくだりを用意して、そこで看板だけでなくペンライトまで準備していて、しかもそれを「応援してくれそうな人達に配る」とギャグ要素的に見せつつ、しっかりと印象に残してクライマックスの布石にしている。
 また、Aqoursでは「10」に大きな価値を与えてもらいましたが、Liella!では「ペンライトの光」にそれがもたらされた、という感じもしますね。

■サニパ
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 サニパ=人気スクールアイドル=可可ちゃんの憧れ、というのが、3話後半の重要な要素だったわけですが、ここまでに「始まりは君の空」のMVと、1話街頭ビジョン、2話で意図的に見切れて描写されていた可可ちゃんの部屋のポスター、すみれちゃんが街で耳にした「サニパ」の人気ぶりがちゃんと印象に残るように描かれていて、ちゃんと布石になってつながっているんですよね。

■勝てる気がしない展開
 街頭ビジョンに大きく映し出されたり街の女の子達の話題に上ったりと、人気のスクールアイドルであることが仄めかされてきたサニパ。そのサニパがフェスに参加してくる。そこでクーカーがいきなり勝って1位になりましたはさすがに無いと皆思ったでしょう。だとしたらどんな結末に持って行くのだろうと興味をひかれる。そしてそれに対する実に見事で鮮やかな、清々しい結末が待っていました。
 そして、じゃあどうやってスクールアイドルを続けられるようになるんだろうという次回以降への興味にもなっていくわけですね。

■静寂と光
 照明が落ちて暗くなったシーンでは、心なしか桜の花びらのスピードがゆっくりに見える印象になっている(数も少なめ)…ような気がします。息が詰まるような感覚。光に照らされ明るくなると再びサーッと流れていく感じになる。
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 暗く静まりかえった客席というのはかのんちゃんにとってのある種のトラウマなんですよね。それがペンライトによって明るい光に包まれて、エールを貰えて、歌えるようになるというのも素敵。そうそう、かのんちゃんと可可ちゃんはステージに立ってからずっと横を向いていたというのもポイントですね。ペンライトの光で客席の様子をはじめてちゃんと見る。
 あと、トラブルで照明が落ちたときにとっさにペンライトで照らすって、私たちにとっては何も不思議なことではないですよね。ライブに参加したりしてる人なら誰もそんなバカなって思わないでしょう。すごく納得感がある。身近な例だとAqoursのFirstライブ。あのとき誰ともなく桜色のペンライトを掲げたり、声援を送ったりしたではありませんか。

■手をつなぐ意味・手をつないでおけば怖くない
 手をつなぐことが歌えるよの“合図”なんですけど、それを台詞とかでベラベラ説明しない(「歌えそうだったら手をつないでください」とか言わせない)のがさすがです。
 最初はやっぱり歌えなさそうで、だから手をつなぐのを躊躇う。次は歌えると確信して、優しく、しっかりと手をつないで、そしてその瞬間の可可ちゃんの表情が手をつないだ“意味”をすべて物語っている。
 あと、手をつなぐのが歌えるよの合図でもあると同時に、可可ちゃんの不安を取り除くものとしての意味も重なっているというのもね、美しいなと。
 「始まりは君の空」の「手をつないでおけば怖くない」の歌詞はこのときの体験からきてるのかな、なんて想像も。

■「Tiny Stars」の演出
 観客のペンライトの表現は京極監督のライブシーンらしさのひとつですね。また、1話挿入歌の様なミュージカル的構成とは違い、ラブライブ!(μ's)の1期3話と同じく、ステージを見つめる将来のメンバー達の様子以外は余分なインサート無しで、ステージの映像のみで構成されているのもポイント。PVやイメージ映像ではなく、あくまで目の前で今行われているステージ、なんですね。
 見ている私たちもふたりのステージを真剣に見守る気持ちになっているし、シンプルなカメラワークながら飽きさせない構成は見事です(約2分30秒のほとんど全てはステージの映像。普通にライブ映像を見ている感覚に近い)。
 …というか、ダイナミックなライブ映像の印象がある京極監督ですが、意外とカメラは動かしてないというか、動かしてもけっこうゆっくりめで、アクロバティックで複雑な動きはあまりしないんですよね。アクセントの入れ方やカット割りが巧い。

■歌える、ひとりじゃないから!
 「Tiny Stars」はそもそも曲自体が二人以上で歌うことを想定した作りでもあると思うんですよね。一人で歌えないこともなさそうですが、二人で歌ってこそ最大限に魅力を発揮する曲になっている。

■キャラ立ての巧さ
 次回はいよいよすみれちゃん本領発揮のようですが、みんな「お、きたな!」という感じなのではないでしょうか。
 1話ではツンツンした自己紹介と「私を誰だと思ってるの!?」だけでインパクトを与え、2話ではさりげなく「サニパ」というキーワードを印象づけることに一役買っています。そして3話ではある意味照明係として密かな活躍をみせる(鼻クリームの天丼がイベント会場に潜入するきかっけになっている辺りも巧い)など、チョイ役ながらしっかりキャラが立っています。
 千砂都ちゃんも恋ちゃんも時折見せる表情が気になりますし、今のところメンバーに加わるところが容易に想像できないからこそ、逆にどういう展開になるのかが楽しみになります。
 かのんちゃんと可可ちゃんを軸に描いているけれど、千砂都ちゃん、すみれちゃん、恋ちゃんもしっかりキャラが立っていて、脚本演出の巧みさを感じさせられますね。


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