「たまゆら」を改めてシリーズ通して鑑賞したので。

　3連休、ふと思い立って「たまゆら」シリーズを最初のOVAからTVアニメ1期2期、そして完結編OVAまでシリーズ通して全部観たので、ちょっと感想的なものを綴ってみようかなと。

　「たまゆら」は、OVA2本、TVシリーズ1期・2期、そして完結編となるOVA4本からなるシリーズで、監督はサトジュンこと佐藤順一さん。
　ゆったりとした雰囲気ながら気持ちの良いリズムと過不足無くギュッと詰まったお話、そして物語る映像。何気ない表現で心の機微を巧みに描き出すさすがの手腕を堪能できるアニメ作品です。

■OVA全2巻
　シリーズの始まりは2010年11月に発売になったOVAでした。ちょうど10年前ですね。オリジナル作品として2本のOVAで完結することを前提として作られていたとはいえ、後に続くシリーズの原点であり、主要な登場人物の出会いのエピソードや、後々に繋がっていくことがぎゅっと濃縮された作品になっています。冒頭のシーンなども、この先繰り返されていくことでより深みを増していきます。
　ちなみに、そんな最初のOVAシリーズの演出は後にラブライブ！サンシャイン!!の監督を手がける酒井和男さんだったりもします。
　「たまゆら」| バンダイチャンネル

■TVアニメ1期（12話＋特別編）
　OVAシリーズの好評を受けて制作されたTVアニメシリーズ。OVAよりも前となる中学時代のエピソードからスタートしますが、いわゆる完全新作としてのリスタートではなくあくまでOVAの続きという形になっており、2話からはOVAの後の話が描かれていきます。
　そんなTVアニメの1期で好きなのは6話ですね。夕暮れの展望台で起きた出会いのエピソードと、ある日の学校の帰り道での再会の物語。限られたシチュエーションや限られた時間で描かれていくドラマとか、実はあの時っていうお話好きなんですよ。シチュエーションが限定されている故に作り手の手腕も問われるところです。
　たまゆら〜hitotose〜 第6話「それはいつかの日のこと、なので／そしてある日のこと、なので」| バンダイチャンネル

■TVアニメ2期（12話＋特別編）

　2年生になってそこで上級生が新たに物語に加わるというのがなるほどなぁと思った2期シリーズ。普通は下級生が新入部員として入ってくるところですが、あえて上級生が新入部員として加わることで、他とは違った視点と物語が紡がれていきます。
　そんな2期シリーズお気に入りは8.5話。とても素敵なお話。
　たまゆら もあぐれっしぶ 第8.5話 一日だけの修学旅行、なので ＜FOD＞
　2期8.5話はFODだと見放題で観られます。

　見ていて自然とこう「そんなことないよ」とか「嬉しいね」って語りかけてあげたくなったり、時としてビックリさせられたり、登場人物の次の台詞と自分のつぶやきがシンクロしたりというのもサトジュン作品の魅力。“わかる”瞬間があるんですよね。
　例えば実はあのときこうだった、みたいな話が出てきても、ものすごく納得感がある。

■劇場公開OVA「卒業写真」全4巻
　完結編OVAシリーズでは主人公達が3年生に進級し、進路やこれからのこと、そして様々な意味での「卒業」が、そして「これから」が描かれていきます。新入部員達も良い味出してます。
　特に、これまで積み重ねてきたもののひとつの到達点であり、シリーズ最終話へとバトンをつないでいく卒業写真第3部ラストの美しさたるや…。優しくそして美しい。
　「たまゆら～卒業写真～ 第3部 憧-あこがれ-」| バンダイチャンネル
　卒業写真4部作はバンダイチャンネルで全話配信中です。



　物語の中心となる4人だけで無く、その周りを取り巻く様々な人々が登場し、2期からは先輩が加わり、完結編OVAでも後輩が新たに登場し実は結構な人数の登場人物がいるのですが、誰一人取って付けたような所も無く、みんなそれぞれに魅力的で物語に欠かせない存在になっていて、このあたりの手腕もさすがだなぁと思わされる部分です。



　全32話（特別編含む）を通して、彼女たちの3年と少しの時間をまるで共に過ごしてきたかのような感慨深さに満ちた最終巻。最後のエンドロールには、この作品らしい暖かさと愛情が詰まっています。


　そんな「たまゆら」シリーズの全部入りBlu-ray BOXが発売になります！

　シリーズ全話に加えてサントラCDやラジオCDも含まれるということで、まさにコンプリートな内容になっています。これはもう買うしかないので。

　「たまゆら」公式サイト

たまゆら コンプリートBlu-ray BOX(数量限定生産)

• 出版社/メーカー: 松竹
• 発売日: 2021/04/07
• メディア: Blu-ray

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