ラブライブ!サンシャイン!! 2nd Season 第13話感想・その2 [アニメ]
13話感想、つづき。
Bパート。冒頭のシーンの続きです。
鞠莉もダイヤも果南もそれぞれに発って行ったということで、卒業式から数日経った頃でしょうか。「鞠莉ちゃんも果南ちゃんもダイヤちゃんも、もういないよ」と改めて言葉で言われると、本当に終わったんだなぁ、時が過ぎたんだなぁと感じさせられます。
浜辺で紙飛行機をうまく飛ばせず黄昏れている千歌に、千歌ママが言います。
「ねえ、覚えてる?昔の千歌は、上手くいかないことがあると人の目を気にして、本当は悔しいのに誤魔化して、諦めた振りをしてた」…と。
そのうえで千歌はこう言います。
「ねえ、私、見つけたんだよね。私たちだけの輝き、あそこにあったんだよね」
要するに千歌ちゃんは本当にそうだったのかまだ疑問なんですよね。でも、あそこにあった、と思うことにしている。
でも…
「本当にそう思ってる?」「相変わらずバカ千歌だね!」
「何度でも飛ばせばいいのよ、千歌ちゃん!」
そう、なんどもなんども立ち上がれるかい? Yes!! と笑うんだよ。
「本気でぶつかって感じた気持ちのたその先に、答えはあったはずだよ。諦めなかった千歌には、きっと何かが待ってるよ」
そう、本気でぶつかり合って、未来を手に入れるんだ。
その言葉に、もう一度と紙飛行機を飛ばす千歌。
フラフラと飛びつつもいけそう…でも。
「いけっ!飛べーっ!」
その言葉に後押しされるように風が吹き、その風に乗って再び舞い上がり、ぐんぐん飛んでいく紙飛行機。どこまでも飛んでいく紙飛行機を、楽しそうに追いかけていく千歌。案内所の前や弁天島の入り口、浦女前のバス停。追いかけているうちにいつしか学校の前までやって来た千歌。やがて紙飛行機は学校の屋上に舞い降ります。この一連の場面は、1話冒頭を連想させるような音楽も流れていて、あの時をリフレインするかのような感覚。
ふと見ると、迎え入れるかのように校門の扉がすこし開いている。
無人の校舎にそっと入っていく千歌。
学校の中をさまよっているうちに、いろんな思い出がよみがえってくる。
やがて屋上に辿り着き、落ちた紙飛行機を拾う千歌。こぼれ落ちる涙。
ふと聞こえる声。幻聴では無い。誰か居る。体育館へと駆けていく千歌。
普通な私の日常に、突然舞い降りたキセキ。
何かに夢中になりたくて、何かに全力になりたくて、
脇目も振らずに走りたくて。
でも…、何をやって良いか分からなくて、
くすぶっていた私の全てを吹き飛ばし、舞い降りた、
それは…、その輝きは!
体育館に駆け込んだ千歌を待っていたもの、それは…。
「千歌」「遅いじゃん」「また遅刻だよ」
体育館に集まった全校生徒。2期1話と同じ光景。
「みんな、でもどうして?」驚き戸惑いの千歌。
「じゃーん」とステージの幕が上がると、そこにはAqoursのメンバー達。
「夢じゃ無いよ」
「千歌と皆で歌いたいって」
「最後に」
「この場所で」
「約束の地で」
「待ってたずら」
「千歌ちゃん」
「歌おう!」
『いっしょに!』
「…うん!」
最後の挿入歌、「WONDERFUL STORIES」。
曲が始まって、あ!これ初めての体育館ライブのステージだ!千歌たちがAqoursのデビューとして歌った「ダイスキだったらダイジョウブ!」のステージセットだ!そうきたかー!…と感動していたら、ぱっと挿入される黒板アートの描かれた教室、そして「決めたよHand in Hand」のときと同じ演出!そしてここから時間も空間も軽々と跳躍していく最高のカーテンコール。歴代の衣装を着てのダンス(この演出はシリーズ全体を通して3DCGの制作会社が一貫していたからこそのメリットも大きかったのではないかと思います)や、思い出の場面の再現。初代Aqours時代の3年生組の姿もありましたし、「冒険!」のところがTOKYOの時の1年生組なのもある意味冒険感がありましたw
1分あまりの中で、ラブライブ!サンシャイン!!全26話を一気に駆け抜けて、そして辿り着いた答え。
わかった。私が探していた輝き、私たちの輝き。
あがいてあがいてあがきまくって、やっと分かった。
最初からあったんだ、初めて見たあの時から。
何もかも一歩一歩、私たちが過ごした時間の全てが、それが輝きだったんだ。
探していた私たちの、輝きだったんだ!
これまで見てきた物語の中に、歌に、体験してきた出来事の中に、答えは既にあった。何度も立ち上がろうって歌ってきた。ずっとそういう歌を歌ってきた。ずっと輝きはそこにあった。未来の僕らは知っていたんですよ。勇気はどこに?君の胸にですよ。
ファーストステップのステージから始まり、これまで積み重ねてきたステージをたどってきて、最後にラブライブ!の伝統ともいえる芝生のグラウンドで歌う、というのもまたニクい演出ですし、空に虹が架かるシーンで締めくくるというのも実にAqoursらしい。
3話の感想でも描きましたが、虹というのは大気中の水分が太陽光に輝いて見える現象で、まさにAqours(アクア、水)の輝きを象徴するものと言えます。
そしてラストシーンで空に架かっている虹、みんな気付いていると思いますが、よく見ると“色の無い10本目の虹”が架かっているんですよね。どんな色にもなれる10本目。それは即ち“私たちの輝き”。そして、そんな10色の虹を包み込むのが、Aqoursのシンボルカラーでもある蒼。海の青は空の青です。
そんなAqoursの全てを象徴するようなラストシーンで、カーテンコールで、文字通り“幕を閉じる”物語、というのも、実にラブライブ!らしい終わり方でした。
■私たちへのエール
振り返ってみて、改めて ラブライブ!サンシャイン!! 2期シリーズは“気付き”の物語だったなという気がします。どこかにあって、誰かが教えてくれる答え(輝き)を探して、目指して、成長し手に入れるのでは無く、それは既に自分の中に、誰もが…私たち誰もが持っているんだと、始まるんだと“気付く”物語。
私たちはずっと見てきたんだ、知っていたんだ、持っていたんだ、そうだよ、なんで気付かなかったんだろう、なんて清々しい物語だろう、というのが、13話を見終えての率直な感想でした。
また、“終わる”ということを真正面から描いてきた2期シリーズは、ひとつのコンテンツの終わりについて向き合い、考えるエピソードでもあったなと思います。
それはもちろん、物語同様いつか訪れるかも知れないAqoursの区切りの時でもありますが、同時にμ'sの区切りについて改めて向き合うことでもあったのではないでしょうか。そういう点でも、μ'sの後のAqoursだったからこそ描けたテーマだったという気もします。
シリーズ全体を通してみると、1期はμ’sの後のAqoursという状況にとても自覚的な物語でした。1期3話などは特に、その象徴的なエピソードだったと思います。
そのうえで辿り着いた「君の心は輝いてるかい」という13話のラストシーンの言葉。
そこから続く2期は、正真正銘Aqoursの物語であり、普通な私たちの物語。そして私たちへのエールだったなと。特に、今まさに中学や高校で現役の学生、という世代にとっては、本当に胸に響いてきたのではないでしょうか。
ほんとうに、シリーズ全体を通してもそうですが、2期シリーズは特に、どのエピソードも見事な完成度で、見応えがあり、とても充実したシリーズでした。何より、この13話を見てから改めて振り返ると、ますます輝いて見える!
この先まだ劇場版もありますが、まずは、酒井監督、脚本の花田先生をはじめとして、素晴らしい作品を作り上げた多くのスタッフ・関係者の皆さん。物語にそっと寄り添う素晴らしい音楽を書いてくださった音楽の加藤達也さん他、音響関係者の皆さん。そしてキャストの皆さんに心からの感謝を。
本当にお疲れ様でした、そして楽しいひとときをありがとうございます!
Bパート。冒頭のシーンの続きです。
鞠莉もダイヤも果南もそれぞれに発って行ったということで、卒業式から数日経った頃でしょうか。「鞠莉ちゃんも果南ちゃんもダイヤちゃんも、もういないよ」と改めて言葉で言われると、本当に終わったんだなぁ、時が過ぎたんだなぁと感じさせられます。
浜辺で紙飛行機をうまく飛ばせず黄昏れている千歌に、千歌ママが言います。
「ねえ、覚えてる?昔の千歌は、上手くいかないことがあると人の目を気にして、本当は悔しいのに誤魔化して、諦めた振りをしてた」…と。
そのうえで千歌はこう言います。
「ねえ、私、見つけたんだよね。私たちだけの輝き、あそこにあったんだよね」
要するに千歌ちゃんは本当にそうだったのかまだ疑問なんですよね。でも、あそこにあった、と思うことにしている。
でも…
「本当にそう思ってる?」「相変わらずバカ千歌だね!」
「何度でも飛ばせばいいのよ、千歌ちゃん!」
そう、なんどもなんども立ち上がれるかい? Yes!! と笑うんだよ。
「本気でぶつかって感じた気持ちのたその先に、答えはあったはずだよ。諦めなかった千歌には、きっと何かが待ってるよ」
そう、本気でぶつかり合って、未来を手に入れるんだ。
その言葉に、もう一度と紙飛行機を飛ばす千歌。
フラフラと飛びつつもいけそう…でも。
「いけっ!飛べーっ!」
その言葉に後押しされるように風が吹き、その風に乗って再び舞い上がり、ぐんぐん飛んでいく紙飛行機。どこまでも飛んでいく紙飛行機を、楽しそうに追いかけていく千歌。案内所の前や弁天島の入り口、浦女前のバス停。追いかけているうちにいつしか学校の前までやって来た千歌。やがて紙飛行機は学校の屋上に舞い降ります。この一連の場面は、1話冒頭を連想させるような音楽も流れていて、あの時をリフレインするかのような感覚。
ふと見ると、迎え入れるかのように校門の扉がすこし開いている。
無人の校舎にそっと入っていく千歌。
学校の中をさまよっているうちに、いろんな思い出がよみがえってくる。
やがて屋上に辿り着き、落ちた紙飛行機を拾う千歌。こぼれ落ちる涙。
ふと聞こえる声。幻聴では無い。誰か居る。体育館へと駆けていく千歌。
普通な私の日常に、突然舞い降りたキセキ。
何かに夢中になりたくて、何かに全力になりたくて、
脇目も振らずに走りたくて。
でも…、何をやって良いか分からなくて、
くすぶっていた私の全てを吹き飛ばし、舞い降りた、
それは…、その輝きは!
体育館に駆け込んだ千歌を待っていたもの、それは…。
「千歌」「遅いじゃん」「また遅刻だよ」
体育館に集まった全校生徒。2期1話と同じ光景。
「みんな、でもどうして?」驚き戸惑いの千歌。
「じゃーん」とステージの幕が上がると、そこにはAqoursのメンバー達。
「夢じゃ無いよ」
「千歌と皆で歌いたいって」
「最後に」
「この場所で」
「約束の地で」
「待ってたずら」
「千歌ちゃん」
「歌おう!」
『いっしょに!』
「…うん!」
最後の挿入歌、「WONDERFUL STORIES」。
曲が始まって、あ!これ初めての体育館ライブのステージだ!千歌たちがAqoursのデビューとして歌った「ダイスキだったらダイジョウブ!」のステージセットだ!そうきたかー!…と感動していたら、ぱっと挿入される黒板アートの描かれた教室、そして「決めたよHand in Hand」のときと同じ演出!そしてここから時間も空間も軽々と跳躍していく最高のカーテンコール。歴代の衣装を着てのダンス(この演出はシリーズ全体を通して3DCGの制作会社が一貫していたからこそのメリットも大きかったのではないかと思います)や、思い出の場面の再現。初代Aqours時代の3年生組の姿もありましたし、「冒険!」のところがTOKYOの時の1年生組なのもある意味冒険感がありましたw
1分あまりの中で、ラブライブ!サンシャイン!!全26話を一気に駆け抜けて、そして辿り着いた答え。
わかった。私が探していた輝き、私たちの輝き。
あがいてあがいてあがきまくって、やっと分かった。
最初からあったんだ、初めて見たあの時から。
何もかも一歩一歩、私たちが過ごした時間の全てが、それが輝きだったんだ。
探していた私たちの、輝きだったんだ!
これまで見てきた物語の中に、歌に、体験してきた出来事の中に、答えは既にあった。何度も立ち上がろうって歌ってきた。ずっとそういう歌を歌ってきた。ずっと輝きはそこにあった。未来の僕らは知っていたんですよ。勇気はどこに?君の胸にですよ。
ファーストステップのステージから始まり、これまで積み重ねてきたステージをたどってきて、最後にラブライブ!の伝統ともいえる芝生のグラウンドで歌う、というのもまたニクい演出ですし、空に虹が架かるシーンで締めくくるというのも実にAqoursらしい。
3話の感想でも描きましたが、虹というのは大気中の水分が太陽光に輝いて見える現象で、まさにAqours(アクア、水)の輝きを象徴するものと言えます。
そしてラストシーンで空に架かっている虹、みんな気付いていると思いますが、よく見ると“色の無い10本目の虹”が架かっているんですよね。どんな色にもなれる10本目。それは即ち“私たちの輝き”。そして、そんな10色の虹を包み込むのが、Aqoursのシンボルカラーでもある蒼。海の青は空の青です。
そんなAqoursの全てを象徴するようなラストシーンで、カーテンコールで、文字通り“幕を閉じる”物語、というのも、実にラブライブ!らしい終わり方でした。
■私たちへのエール
振り返ってみて、改めて ラブライブ!サンシャイン!! 2期シリーズは“気付き”の物語だったなという気がします。どこかにあって、誰かが教えてくれる答え(輝き)を探して、目指して、成長し手に入れるのでは無く、それは既に自分の中に、誰もが…私たち誰もが持っているんだと、始まるんだと“気付く”物語。
答えはいつでも この胸にある 気がついて 光があるよ!
そうだね 本当は 持ってたんだよ! みんな持ってた!
眠る輝き 目覚める前の力 夢を駆けてきた 物語
思い出からは 流れるメロディ 新しい夢が聞こえる
いつかまた始まるんだよ
私たちはずっと見てきたんだ、知っていたんだ、持っていたんだ、そうだよ、なんで気付かなかったんだろう、なんて清々しい物語だろう、というのが、13話を見終えての率直な感想でした。
また、“終わる”ということを真正面から描いてきた2期シリーズは、ひとつのコンテンツの終わりについて向き合い、考えるエピソードでもあったなと思います。
それはもちろん、物語同様いつか訪れるかも知れないAqoursの区切りの時でもありますが、同時にμ'sの区切りについて改めて向き合うことでもあったのではないでしょうか。そういう点でも、μ'sの後のAqoursだったからこそ描けたテーマだったという気もします。
シリーズ全体を通してみると、1期はμ’sの後のAqoursという状況にとても自覚的な物語でした。1期3話などは特に、その象徴的なエピソードだったと思います。
そのうえで辿り着いた「君の心は輝いてるかい」という13話のラストシーンの言葉。
そこから続く2期は、正真正銘Aqoursの物語であり、普通な私たちの物語。そして私たちへのエールだったなと。特に、今まさに中学や高校で現役の学生、という世代にとっては、本当に胸に響いてきたのではないでしょうか。
ほんとうに、シリーズ全体を通してもそうですが、2期シリーズは特に、どのエピソードも見事な完成度で、見応えがあり、とても充実したシリーズでした。何より、この13話を見てから改めて振り返ると、ますます輝いて見える!
この先まだ劇場版もありますが、まずは、酒井監督、脚本の花田先生をはじめとして、素晴らしい作品を作り上げた多くのスタッフ・関係者の皆さん。物語にそっと寄り添う素晴らしい音楽を書いてくださった音楽の加藤達也さん他、音響関係者の皆さん。そしてキャストの皆さんに心からの感謝を。
本当にお疲れ様でした、そして楽しいひとときをありがとうございます!
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