ラブライブ!サンシャイン!! 2nd Season 第13話感想・その1 [アニメ]
#13「私たちの輝き」
冒頭、いつもの浜辺に立てられたラブライブ!優勝旗。何度も何度も紙飛行機を飛ばすも、上手く飛ばせない千歌。ちなみにこの場面、バックでは卒業式の朝の会話が流れていて、そのまま当日朝の風景に続いていくので若干トリッキーな構成になっていますが、Bパート冒頭(卒業・閉校式が終わって数日後)の直前に位置するシーンです。そういえば1期13話もこんな感じに前後を入れ替えた構成になっていましたね。
さて、卒業式の朝。「太った?」と美渡姉に言われたりしつつ、身支度を終えた千歌ちゃんが部屋から出てきてふとお隣の梨子ちゃんちの様子を見てみると、犬を抱っこした梨子ちゃんの姿。「新しい家族のプレリュードよ」というわけで、犬が苦手だった梨子ちゃんがまさか犬を飼う日が来るとは…。しかも「飼ってみたら可愛くて仕方ないの~。よ~しよ~し」と溺愛っぷり。
犬といえば、しいたけにも子犬が誕生。まぁ、基本的に(千歌パパなどの例外を除いて)男性が登場しない作品ですしアルパカの事例もありますから、まぁ女の子だろうなとは大方予想していたのでは?
そんなこんなで、時の流れと、ささやかな変化を感じさせる冒頭シーン。
そして卒業・閉校式の学校。
1話の時と同じように木の上に登って隠れている善子(入学式だった1期1話の場面を彷彿とさせるリフレイン的なシーンですね)。なにやらよっぽど見られたくないらしく、頭を隠して逃げるように去って行きます。一瞬髪を切ったようにも見えたので、えっここにきてまさかの髪型変更wとか思ったのですが、最後だからと気合いを入れてセットしたら盛大に失敗したというオチ。いやいやこれはこれでかわいいw
荷物がすっかり無くなった部室にやってきた千歌たち2年生。
「ここ、こんなに広かったんだ」
荷物を全部片付けたときのがらーんとした感覚や郷愁というのは、引っ越しなどを経験したことのある人なら実感として伝わってくるのではないでしょうか。
そんな部室に果南ちゃんもやって来ます。
「全部、無くなっちゃったね」と言う曜ちゃんに、ホワイトボードにそっと手を触れ「そんなことないよ、ずっと残っていく、これからも」と応えます。そう、部室のホワイトボードは、まさにその象徴的存在でした。
一方理事長室では。
「鞠莉さん、言っておきますけど、おふざけはNGですわよ。最後くらいは真面目に」とクギを刺すダイヤさん。
「もちろんそのつもりデース。一番真面目に、一番私たちらしく」
「本当です…の゛!?」
なんて言ってる側から外では理事長室の窓に盛大に「がんばルビィー」と書き記すルビィちゃん…。なんでも、中庭を開放して校舎の壁にみんなで“寄せ書き”をしているのだとか。
やれやれ、という感じでダイヤさんも参加。
そしていよいよ卒業式。
卒業証書授与。鞠莉から卒業生代表の果南の手に卒業証書が手渡されます。
「なんか変だね、鞠莉からもらうなんて」
「一生の宝物だよ。大切にね」
「卒業、おめでとう!」
拍手をする全校生徒、皆それぞれに絵の具で顔を汚しているというのが、なんとも可笑しくて、そして愛おしい光景です。
最後に、生徒会長としてダイヤさんからの締めの言葉。
「今日、浦の星女学院はその長い歴史に幕を閉じることになりました。でも、わたくしたちの心に、この学校の景色はずっと残っていきます。それを胸に、新たな道を歩めることを、浦の星女学院の生徒であったことを、誇りに思います!みなさんもどうか、そのことを忘れないでください」
この言葉はどこか視聴者である私たちに向けた言葉でもあるように感じましたし、仮にいつの日か、Aqoursの活動が終わりを迎える日が来たとして、その時改めてこの言葉は重みと実感をもつんだろうなぁなんてことを思いました。
「私たちはやったんだ!」ラブライブ!の優勝旗を掲げる鞠莉。
「ラブライブ!で」「優勝したんだ!」
からのオープニング、「青空Jumping Heart」ですよ。
アンコールというか、エキシビジョン的に行われたステージ、といった位置づけでしょうか。
12話でラブライブ!決勝のステージだったことが確定していたので、13話のオープニングに持ってくるだろうなとは予想していましたが、1期オープニングのときの映像の一部が、やり遂げた、優勝したんだ、といった表情のメンバーたちのカットになっているのもグッとくるモノがあります。最後のシーンで見上げるモニタに映し出された「WINNER Aqours」の文字。
しかも単に1期OPそのままではなく、曲の後半から落ちサビにかけて続きそのまま本編に繋がっていくという特別な構成というのがまた…。
一人ずつ屋上から去って行くメンバーの中で、最後まで名残惜しそうにしていた善子ちゃんが印象的でしたね。
■それぞれのお別れ
千歌たちが2年生の教室に戻ると、そこには見事な黒板アートが。
実際に沼津で黒板アートを描かれてきたつじ写真館さんのオマージュか、と思ったらなんと、本当に黒板アートを描かれているご本人による絵だったそうで、物語と現実とがこういうかたちでリンクし、地元の方々の愛情がこうして反映されるのはほんとうに素敵なことだなぁと思いますし、ラブライブ!サンシャイン!!の大きな特徴であり魅力だと改めて感じます。
むっちゃん達がみんなで思い出しながら描いたという絵。あの時の千歌たちは、それはもう目も開けていられないくらい輝いていたという。
「私たちにも、見えてたよ。輝いてるみんなが。会場一杯に広がる、みんなの光が」
「じゃあ、ぜんぶ輝いてたんだ」
「うん、そうだよ!ぜんぶ輝いてた!」
客席の輝き、光の海という感覚は、ライブなどを経てキャストも度々語っていて、ここも現実の実体験とのリンクですし、私たちも輝いていた、みんな輝いていた、というのは、シリーズを通して描いてきたことが集約されているなと。
「じゃあ閉じるよ」…そっと閉じられる教室の扉。
ちょうどここで歌が終わるので、誰も居なくなった教室の静けさがより強調されて、なんともいえない切なさがあります。ついさっきまで笑い声が響いていた教室に、あの日の輝きの記憶だけが残されている。
1年生組は、すっかり本棚が空になった図書室へ。
空っぽになった図書室に、捨てられたわけじゃ無い、鳥みたいに飛び立っていったのだ、「新しい場所で、また沢山の人に読んでもらって、とてもいいことだなって思えるずら」と言う花丸ちゃん。消えて無くなったわけではない、新しい場所で、また新しく出会う人を楽しませるのだ、というのは、ある意味コンテンツの終わりに対するひとつの大切な考え方でもあります。
新しい場所で新しい読者に出会う本と、新しい学校に行く自分たちとを重ね合わせ、不安を感じつつも希望を抱くその姿もまた、実に彼女たちらしいなと。
そしてそんな様子に、「堕天!ホラ、行くわよ!リトルデーモンたち!」といつもの調子で誤魔化す善子も実に彼女らしい。
図書室の扉をいっしょに閉じる花丸ちゃんとルビィ。
「いっしょに閉めよ」と誘われるも「いやよ」と強がる善子。こういう湿っぽいのをあえて嫌がるあたりも良い子の善子ちゃんですが、とはいえ最後くらいは「いっしょに閉めるずら!…お願いだから」と珍しく強い口調の花丸。いっしょに閉めてあげて、みたいな感じで視線を送るルビィちゃん。1年生組のこういう関係性が良いですよね。
「今まで、マルたちを守ってくれて、ありがと」「ありがとね」「バイバイ」、3人でそっと閉じる。
黒板にはありがとうの文字。
音楽室ではピアノを弾く梨子ちゃんと、それを聴く曜ちゃん。
梨子ちゃんが演奏している「海に還る者」は、ラブライブ!サンシャイン!!を象徴する曲のひとつです。
そんなピアノ演奏の「いい音だね」からの「綺麗だね、この景色」という流れもさりげないけれど見事だなぁと思ったり。
そんな美しい景色に、「最初転校してきたとき思ったなぁ。東京じゃ絶対見ることが出来ない景色だって」と梨子ちゃん(この言葉は、Aqoursだからこそ見ることが出来た景色、というメタ的な意味合いでもあると思います)。
そんな梨子ちゃんに曜ちゃんからずっと言っておきたかった一言。
「実はね、梨子ちゃんのことが、だーーーーーーいスキ!」
「私も!」
「みんなと一緒に過ごせて、本当に楽しかった」
「うん、楽しかった」
そう言って笑顔で扉を閉め立ち去る二人。
音ノ木坂から浦の星にやってきた梨子。千歌の見ている世界に憧れた曜。
この二人はある意味“私たち”の視点のメタ的な存在でもあると思うんですよね。音ノ木坂から浦の星にやって来た梨子、憧れていた世界を取られたような気がして嫉妬ファイヤー!な(笑)曜。でもそんな二人が、本当に楽しかった、大好き、と語り合う。そしてこの二人は、一連のお別れのシーンで本当に悔いなく満足そうにしていて、そして皆を、千歌を暖かく見守っているんですよ。
最後は3年生組。理事長室でひとり涙の鞠莉。そんな鞠莉に、「鞠莉さん。あなたへの卒業証書ですわ」と、ダイヤと果南の手から渡される卒業証書・感謝状。
卒業証書 感謝状 小原鞠莉 殿
右の者は生徒でありながら本校のために理事長として尽力してきたことをここに証明し、感謝と共に表彰します。
私立浦の星女学院 全校生徒一同
「代表、松浦果南」「黒澤ダイヤ」
「受け取って、鞠莉」
一瞬躊躇う鞠莉に、「大丈夫、空はちゃんと繋がっている」と優しく声をかける果南。
「ありがとう…」
卒業証書にこぼれ落ちる涙は、以前の星座早見盤に落ちる涙を連想させます。
またひとつ、大切な宝物が増えた。
「さよなら」
学校を救う、そして、スクールアイドルをやる。そんな想いで3年間を駆け抜けた3年生。そのための力としての権威を与え支えてくれた理事長の椅子への感謝。
「最後はここ」部室とのお別れ。
「ここがあったから」
「みんなでがんばってこられた」
「ここがあったから、前を向けた」
「毎日の練習も」
「楽しい衣装づくりも」
「腰が痛くても」
「難しいダンスも」
「不安や緊張も、全部受け止めてくれた」
「帰ってこられる場が、ここにあったから」
一人一人去っていき、最後に残った千歌。
「ありがとう!」と部室の前で深々と一礼し、軽やかなステップであの日取り付けた「スクールアイドル部」のプレートを取り外す。ここに置いていかず、ちゃんと持って行く。
ここの一連のシーンの音楽が、どことなく学校のチャイムの様な旋律を奏でるというのもなかなか美しいですよね。
校門を出て、校門の前に並んでいる千歌たち9人。
…からの、全校生徒、卒業生や家族、街のみんなが並んでいる、という光景には、思わずグッときました。
そして最後の扉、校門を閉じます。
1年生組が、3年生組が、校門をひとつひとつ閉じていく。
そして最後の一つを閉じる千歌。けれど、あと少しのところで手が止まってしまう。
「浦の星の思い出は、笑顔の思い出にするんだ…。泣くもんか…泣いてたまるか!」
「千歌ちゃん」「いっしょに、閉じよ」
校門が閉じられると共に、学校の向こうに沈んでゆく太陽。
一つの歴史が、その幕を閉じる。
その2 に続く。
冒頭、いつもの浜辺に立てられたラブライブ!優勝旗。何度も何度も紙飛行機を飛ばすも、上手く飛ばせない千歌。ちなみにこの場面、バックでは卒業式の朝の会話が流れていて、そのまま当日朝の風景に続いていくので若干トリッキーな構成になっていますが、Bパート冒頭(卒業・閉校式が終わって数日後)の直前に位置するシーンです。そういえば1期13話もこんな感じに前後を入れ替えた構成になっていましたね。
さて、卒業式の朝。「太った?」と美渡姉に言われたりしつつ、身支度を終えた千歌ちゃんが部屋から出てきてふとお隣の梨子ちゃんちの様子を見てみると、犬を抱っこした梨子ちゃんの姿。「新しい家族のプレリュードよ」というわけで、犬が苦手だった梨子ちゃんがまさか犬を飼う日が来るとは…。しかも「飼ってみたら可愛くて仕方ないの~。よ~しよ~し」と溺愛っぷり。
犬といえば、しいたけにも子犬が誕生。まぁ、基本的に(千歌パパなどの例外を除いて)男性が登場しない作品ですしアルパカの事例もありますから、まぁ女の子だろうなとは大方予想していたのでは?
そんなこんなで、時の流れと、ささやかな変化を感じさせる冒頭シーン。
そして卒業・閉校式の学校。
1話の時と同じように木の上に登って隠れている善子(入学式だった1期1話の場面を彷彿とさせるリフレイン的なシーンですね)。なにやらよっぽど見られたくないらしく、頭を隠して逃げるように去って行きます。一瞬髪を切ったようにも見えたので、えっここにきてまさかの髪型変更wとか思ったのですが、最後だからと気合いを入れてセットしたら盛大に失敗したというオチ。いやいやこれはこれでかわいいw
荷物がすっかり無くなった部室にやってきた千歌たち2年生。
「ここ、こんなに広かったんだ」
荷物を全部片付けたときのがらーんとした感覚や郷愁というのは、引っ越しなどを経験したことのある人なら実感として伝わってくるのではないでしょうか。
そんな部室に果南ちゃんもやって来ます。
「全部、無くなっちゃったね」と言う曜ちゃんに、ホワイトボードにそっと手を触れ「そんなことないよ、ずっと残っていく、これからも」と応えます。そう、部室のホワイトボードは、まさにその象徴的存在でした。
一方理事長室では。
「鞠莉さん、言っておきますけど、おふざけはNGですわよ。最後くらいは真面目に」とクギを刺すダイヤさん。
「もちろんそのつもりデース。一番真面目に、一番私たちらしく」
「本当です…の゛!?」
なんて言ってる側から外では理事長室の窓に盛大に「がんばルビィー」と書き記すルビィちゃん…。なんでも、中庭を開放して校舎の壁にみんなで“寄せ書き”をしているのだとか。
やれやれ、という感じでダイヤさんも参加。
そしていよいよ卒業式。
卒業証書授与。鞠莉から卒業生代表の果南の手に卒業証書が手渡されます。
「なんか変だね、鞠莉からもらうなんて」
「一生の宝物だよ。大切にね」
「卒業、おめでとう!」
拍手をする全校生徒、皆それぞれに絵の具で顔を汚しているというのが、なんとも可笑しくて、そして愛おしい光景です。
最後に、生徒会長としてダイヤさんからの締めの言葉。
「今日、浦の星女学院はその長い歴史に幕を閉じることになりました。でも、わたくしたちの心に、この学校の景色はずっと残っていきます。それを胸に、新たな道を歩めることを、浦の星女学院の生徒であったことを、誇りに思います!みなさんもどうか、そのことを忘れないでください」
この言葉はどこか視聴者である私たちに向けた言葉でもあるように感じましたし、仮にいつの日か、Aqoursの活動が終わりを迎える日が来たとして、その時改めてこの言葉は重みと実感をもつんだろうなぁなんてことを思いました。
「私たちはやったんだ!」ラブライブ!の優勝旗を掲げる鞠莉。
「ラブライブ!で」「優勝したんだ!」
からのオープニング、「青空Jumping Heart」ですよ。
アンコールというか、エキシビジョン的に行われたステージ、といった位置づけでしょうか。
12話でラブライブ!決勝のステージだったことが確定していたので、13話のオープニングに持ってくるだろうなとは予想していましたが、1期オープニングのときの映像の一部が、やり遂げた、優勝したんだ、といった表情のメンバーたちのカットになっているのもグッとくるモノがあります。最後のシーンで見上げるモニタに映し出された「WINNER Aqours」の文字。
しかも単に1期OPそのままではなく、曲の後半から落ちサビにかけて続きそのまま本編に繋がっていくという特別な構成というのがまた…。
一人ずつ屋上から去って行くメンバーの中で、最後まで名残惜しそうにしていた善子ちゃんが印象的でしたね。
■それぞれのお別れ
千歌たちが2年生の教室に戻ると、そこには見事な黒板アートが。
実際に沼津で黒板アートを描かれてきたつじ写真館さんのオマージュか、と思ったらなんと、本当に黒板アートを描かれているご本人による絵だったそうで、物語と現実とがこういうかたちでリンクし、地元の方々の愛情がこうして反映されるのはほんとうに素敵なことだなぁと思いますし、ラブライブ!サンシャイン!!の大きな特徴であり魅力だと改めて感じます。
むっちゃん達がみんなで思い出しながら描いたという絵。あの時の千歌たちは、それはもう目も開けていられないくらい輝いていたという。
「私たちにも、見えてたよ。輝いてるみんなが。会場一杯に広がる、みんなの光が」
「じゃあ、ぜんぶ輝いてたんだ」
「うん、そうだよ!ぜんぶ輝いてた!」
客席の輝き、光の海という感覚は、ライブなどを経てキャストも度々語っていて、ここも現実の実体験とのリンクですし、私たちも輝いていた、みんな輝いていた、というのは、シリーズを通して描いてきたことが集約されているなと。
「じゃあ閉じるよ」…そっと閉じられる教室の扉。
ちょうどここで歌が終わるので、誰も居なくなった教室の静けさがより強調されて、なんともいえない切なさがあります。ついさっきまで笑い声が響いていた教室に、あの日の輝きの記憶だけが残されている。
1年生組は、すっかり本棚が空になった図書室へ。
空っぽになった図書室に、捨てられたわけじゃ無い、鳥みたいに飛び立っていったのだ、「新しい場所で、また沢山の人に読んでもらって、とてもいいことだなって思えるずら」と言う花丸ちゃん。消えて無くなったわけではない、新しい場所で、また新しく出会う人を楽しませるのだ、というのは、ある意味コンテンツの終わりに対するひとつの大切な考え方でもあります。
新しい場所で新しい読者に出会う本と、新しい学校に行く自分たちとを重ね合わせ、不安を感じつつも希望を抱くその姿もまた、実に彼女たちらしいなと。
そしてそんな様子に、「堕天!ホラ、行くわよ!リトルデーモンたち!」といつもの調子で誤魔化す善子も実に彼女らしい。
図書室の扉をいっしょに閉じる花丸ちゃんとルビィ。
「いっしょに閉めよ」と誘われるも「いやよ」と強がる善子。こういう湿っぽいのをあえて嫌がるあたりも良い子の善子ちゃんですが、とはいえ最後くらいは「いっしょに閉めるずら!…お願いだから」と珍しく強い口調の花丸。いっしょに閉めてあげて、みたいな感じで視線を送るルビィちゃん。1年生組のこういう関係性が良いですよね。
「今まで、マルたちを守ってくれて、ありがと」「ありがとね」「バイバイ」、3人でそっと閉じる。
黒板にはありがとうの文字。
音楽室ではピアノを弾く梨子ちゃんと、それを聴く曜ちゃん。
梨子ちゃんが演奏している「海に還る者」は、ラブライブ!サンシャイン!!を象徴する曲のひとつです。
そんなピアノ演奏の「いい音だね」からの「綺麗だね、この景色」という流れもさりげないけれど見事だなぁと思ったり。
そんな美しい景色に、「最初転校してきたとき思ったなぁ。東京じゃ絶対見ることが出来ない景色だって」と梨子ちゃん(この言葉は、Aqoursだからこそ見ることが出来た景色、というメタ的な意味合いでもあると思います)。
そんな梨子ちゃんに曜ちゃんからずっと言っておきたかった一言。
「実はね、梨子ちゃんのことが、だーーーーーーいスキ!」
「私も!」
「みんなと一緒に過ごせて、本当に楽しかった」
「うん、楽しかった」
そう言って笑顔で扉を閉め立ち去る二人。
音ノ木坂から浦の星にやってきた梨子。千歌の見ている世界に憧れた曜。
この二人はある意味“私たち”の視点のメタ的な存在でもあると思うんですよね。音ノ木坂から浦の星にやって来た梨子、憧れていた世界を取られたような気がして嫉妬ファイヤー!な(笑)曜。でもそんな二人が、本当に楽しかった、大好き、と語り合う。そしてこの二人は、一連のお別れのシーンで本当に悔いなく満足そうにしていて、そして皆を、千歌を暖かく見守っているんですよ。
最後は3年生組。理事長室でひとり涙の鞠莉。そんな鞠莉に、「鞠莉さん。あなたへの卒業証書ですわ」と、ダイヤと果南の手から渡される卒業証書・感謝状。
卒業証書 感謝状 小原鞠莉 殿
右の者は生徒でありながら本校のために理事長として尽力してきたことをここに証明し、感謝と共に表彰します。
私立浦の星女学院 全校生徒一同
「代表、松浦果南」「黒澤ダイヤ」
「受け取って、鞠莉」
一瞬躊躇う鞠莉に、「大丈夫、空はちゃんと繋がっている」と優しく声をかける果南。
「ありがとう…」
卒業証書にこぼれ落ちる涙は、以前の星座早見盤に落ちる涙を連想させます。
またひとつ、大切な宝物が増えた。
「さよなら」
学校を救う、そして、スクールアイドルをやる。そんな想いで3年間を駆け抜けた3年生。そのための力としての権威を与え支えてくれた理事長の椅子への感謝。
「最後はここ」部室とのお別れ。
「ここがあったから」
「みんなでがんばってこられた」
「ここがあったから、前を向けた」
「毎日の練習も」
「楽しい衣装づくりも」
「腰が痛くても」
「難しいダンスも」
「不安や緊張も、全部受け止めてくれた」
「帰ってこられる場が、ここにあったから」
一人一人去っていき、最後に残った千歌。
「ありがとう!」と部室の前で深々と一礼し、軽やかなステップであの日取り付けた「スクールアイドル部」のプレートを取り外す。ここに置いていかず、ちゃんと持って行く。
ここの一連のシーンの音楽が、どことなく学校のチャイムの様な旋律を奏でるというのもなかなか美しいですよね。
校門を出て、校門の前に並んでいる千歌たち9人。
…からの、全校生徒、卒業生や家族、街のみんなが並んでいる、という光景には、思わずグッときました。
そして最後の扉、校門を閉じます。
1年生組が、3年生組が、校門をひとつひとつ閉じていく。
そして最後の一つを閉じる千歌。けれど、あと少しのところで手が止まってしまう。
「浦の星の思い出は、笑顔の思い出にするんだ…。泣くもんか…泣いてたまるか!」
「千歌ちゃん」「いっしょに、閉じよ」
校門が閉じられると共に、学校の向こうに沈んでゆく太陽。
一つの歴史が、その幕を閉じる。
その2 に続く。
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