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ラブライブ!サンシャイン!! 2nd Season 第1話感想 [アニメ]

 #01「ネクストステップ」
未来の僕らは知ってるよ
 1期からちょうど1年と1クール。2月の1stライブで発表されてからあっという間の半年。2ndライブツアーから1週間と興奮も冷めやらぬ中、いよいよTVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!! 2nd Season」が放送開始となりました!
 1期が綺麗に幕を閉じたシリーズだっただけに、そしていよいよ本当の意味でのAqoursの物語が始まるとも言えるだけに、いったい2期がどんな物語になるのか本当にワクワクして待っていたんですよね。

■夢から覚めた夢から覚める
#01「ネクストステップ」
 さて、冒頭。「輝きって、いったいどこから来るんだろ?」と問いかける千歌。光に懸命に手を伸ばし、あとちょっと、というところで足元が崩れ落ち落下…したところで目が覚めます。…が、実はこれもまた夢で、しいたけに吠えられてびっくりしてベットから転げ落ちたところで今度こそ目が覚める千歌。なんだ夢か、とか思ってる場合ではありません遅刻です!
 それにしても、冒頭から「夢から覚める」、しかもそれもまた夢でそこからもう一度目を覚ますというのもなかなか意味深な始まり方ですね。

 一方学校の講堂では一応理事長でもある鞠莉が2学期の挨拶。「本日から2nd Seasonのスタートデース!」というのがなんともメタ的で面白い。
 それはそうと、気になるラブライブ!東海地区予選の結果はどうだったかというと…、惜しくも敗退だったようです。
 しかし、全国大会には行けなかったものの、皆の表情は晴れやかです。みんなのおかげでゼロをイチにできたし、今では入学希望者も10人まで増えている。そしてなんと、来年の春には次回のラブライブ!開催も決定。まぁ、μ'sの時代から年2回開催でしたからこれは予想の範囲内。そこへ大遅刻の千歌ちゃん登場。迷うこと無く「出よう!ラブライブ!」と高らかに宣言します。
 「1を10にして、10を100にして、学校を救って、そしたら…」
 「そうしたら、私たちだけの輝きが見つかると思う。きっと!」

■ネクストステップ
 Aパート。放課後の屋上で練習に励むAqoursメンバーたち。体が硬い善子ちゃんはともかく、腕立てがまともにできない花丸ちゃんはアレですよ、見るからに重そうなアレのせいですね。
 まぁ、そんな二人のことはともかく、次のラブライブ!はもちろんですが、まずは近々行われる学校説明会でライブを披露して学校の魅力を伝えようということに。とそこへ、鞠莉の携帯電話に意味深な着信が…。練習後、帰りのバスを待っている間も何やら浮かない表情の鞠莉。そしてそんな鞠莉の様子に気づく果南ちゃん。

 そうそう、このバス停のシーンは梨子ちゃんにいろいろ暴露される善子が面白かったですね(笑)、まさか幼稚園まで哺乳瓶放さなかったとは…。あと善子ママの声がまさかの椎名へきるには驚きました。ラブライブ!の母親役のキャスティングは毎度ビッグネームというか、おっさん世代を狙い打ってきますね(笑)
 そんなこんなで、終バスや善子の家庭の事情もあって、沼津市街地の方で放課後の練習を行うことで時間を確保する方向に。
#01「ネクストステップ」
 みんなを見送った後、海岸の桟橋に一人佇む千歌ちゃん。どことなく1期1話を彷彿とさせるシーンです。
 彼女を見つけて側に来た梨子ちゃんに千歌ちゃんは語ります。あの会場でみんなと歌ったときに、一瞬だけど、輝くってどういうことかわかった気がした、と。
 そして不意に海へ向かって駆けていく千歌ちゃん。梨子ちゃんがそれをギリギリでキャッチしてどうにか踏みとどまります。2人もろとも海へ落下、とならないあたりは1期1話との違いですね(あと、カメラの回転も逆だったりします)。
 「まだぼんやりだけど、でも、私たちは輝ける!がんばれば絶対って。…そう感じたんだ」「うん。大変そうだけどね」と笑い合う二人。
 そんな希望と幸福感に包まれたシーンから一転して、場面は夜の自室で深刻そうな電話のやりとりをする鞠莉の様子に切り替わります。二人の楽しそうな笑い声を途中でぶつっと切っての場面転換というのがまた、強烈な落差と不穏さを感じさせます。
 鞠莉の様子が気がかりで会いに来た果南に、「お待たせシマーシター!」とカタコトで陽気に振る舞う鞠莉。あからさまにアヤシい。これは果南でなくても不審に思いますw
 まぁそれはともかく、果南の質問をのらりくらりとはぐらかし「最近ウエイトがちょっと上がって…」と誤魔化す鞠莉を間髪入れず抱き上げ、「嘘だね、変わりない」と言ってのける果南ちゃんマジイケメン(ここ、2ndライブツアーでのPV上映で歓声が上がった場面ですねw「ナンでわかるの」と拗ねる鞠莉もかわいい)。
 しかし、問い詰める果南に対し、「どうしたら…いいの…」とただ涙する鞠莉。事態はかなり深刻そうです…。

 …てな場面からの後日。
 しいたけのあくびからの千歌ちゃんのあくびがまたかわいい。飼い犬は飼い主に似るというか飼い主が飼い犬に似るというか(笑)
 希望に満ちた感じの千歌のシーンから一転、深刻な事態の発生を感じさせる鞠莉と果南のシーンを挟んで、再び何も知らない脳天気な千歌のコミカルなカットに持って行くというのは、オーソドックスながらうまい見せ方ですよね。
 さて、練習場所はどうしたものか、と相談する中、席を外す鞠莉と果南。そしてそんな二人に気づくダイヤさん。
 理事長室で方々に手を尽くそうと必死な鞠莉を制し、「ダイヤは知ってるの?」と尋ねる果南。「言えるわけ無い…」と答える鞠莉でしたが、「だったらちゃんと隠しなさい」と理事長室の扉を開けるダイヤさん。こちらもお見通しでした。「この前からコソコソコソコソ。本当にぶっぶー…ですわ」と、いつもとは違って優しくたしなめるダイヤさんマジ女神…。
 3年生組はアレですね、もう同じ過ちは繰り返さないぞという強い意志を感じます。

■ミライは違ったのか
 さてさて、練習時間問題を解決すべく新しい練習場所に選ばれたのは、曜ちゃんパパのツテで借りられることになった総合施設の一室。整った設備にはしゃぐ千歌たちでしたが、「その前に話があるんだ…」と切り出す果南ちゃん。鞠莉の口から語られたのは学校説明会が中止になること、そして浦の星が正式に来年度の募集を取りやめることになったこと(急な話のようではありますが、確かに2年前から統合の模索は始まっていたし、3年生組もそれがきっかけでスクールアイドルを始めたんですよね)。希望者が10に増えたことや、これからも増えるかも知れないとしても、それは決定を覆すには足りないと言われたこと…。
 居ても建っても居られず、直接話すと飛び出す千歌ちゃんですが、鞠莉のお父さんはアメリカ在住。姉たちやお母さん、お小遣いを前借りしてでも行って、待ってもらうように直接伝えると言い張りますが、冷静に考えて無理な話です。頑として「できる!」と言い張る千歌ちゃんがなんとも切ない…。そしてそんな重苦しい空気を和まそうとする善子ちゃんマジ善き子。
 いろいろなものを投げ打ってでも学校を存続させようとしてきた鞠莉がどうしようもないと言うのだから、と果南やダイヤさんは言います。
 「でも…」と納得のいかない千歌に対し、「ちかっち、ごめんね。てへぺろ」と陽気に振る舞ってみせる鞠莉。
 「ちがう…そんなんじゃない…そんなんじゃ…」

 帰りのバスで千歌は自問します。
 「もしあの時、ラブライブ!の予選に勝って、本大会に出場できてたら…
 「未来は…違ってたのかな?
 1期の時は「廃校キター」とかはしゃいでいた千歌ちゃんでしたが、今は違います。そのことがよく感じられる場面。

 帰宅した千歌の元には、クラスメイトからの応援の折り鶴。切ない…。
 そして翌日、鞠莉から全校生徒に説明会の中止と統廃合の決定が告げられます。

■普通怪獣
 放課後、夕暮れの浜辺で落ち込んだ様子で座り込む千歌ちゃん。傍らに立つ梨子ちゃんが語りかけます。
 「私ね、こうなったのは勿論残念だけど、ここまでこれたのは良かったって思ってる。東京都は違って、こんな小さな海辺の街の私たちが、ここまでよくやってこれたなって」
 そんな梨子ちゃんの言葉に、「本気で言ってる?…それ、本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと…軽蔑する」と応える千歌。
 どこかで見たような場面、どこかで聞いたような台詞です。この梨子の言葉は1期8話「くやしくないの」での(全力でがんばったんだからそれでいいと言って無理矢理納得していた)千歌の振る舞いですよね。そしてその言葉に対して「軽蔑する」と言ってのける千歌に彼女の心の成長が見て取れるし、それを知ってるから梨子ちゃんもわざとあのときの千歌と同じようなことを言ってる。
 そしてこのシチュエーションは…
#01「ネクストステップ」
 がおー!
 「普通怪獣りこっぴーだぞー!食らえ!梨子ちゃんビーム!…こんなんだっけ?
 あのとき自分を励ましてくれた千歌と同じ様におどけてみせる梨子ちゃん。そんな彼女の様子に、ふっと笑みがこぼれる千歌。

 「やっと笑った」と安心した彼女が漏らす本心。そして苦悩。「私だって、Aqoursのメンバーよ。みんなと一緒に歌っていこうって、曲もいっぱい作ろうって思ってた。いいなんて思うわけ無い。これでいいなんて…」
 でも 「どうすればいいかわからないの…」

 この一連の場面は本当に美しかったですね。同じく1期1話を連想させるAパートの桟橋のシーンが見事な布石になっての、普通怪獣りこっぴー。そしてこの“普通怪獣”のやりとりはクライマックスへの更なる布石でもあります。

■キセキを!
 どうすればいいかわからない。どうすればいいのか。
 脳裏に浮かぶのは、つかみかけたあの輝き。
 ハッと飛び起き、居ても建っても居られず家を飛び出す千歌。
 そしてここからの展開と音楽がもう最高でした。曲の展開と場面展開とのシンクロがほんとうに見事で、カタルシスに満ちたクライマックスシーン。

 がおーーーーーーーっつ!
 普通怪獣ちかっちー、吠える。
 しかし、吠えたところで何も起こらない。誰かさんのように雨が止んだりもしない。
 だけど…
 「起こしてみせる!奇跡を絶対に!
 「それまで、泣かない!泣くもんか!
 清々しい笑顔で誓いを立てる千歌。

 と、そこへ「やっぱり来た」と曜ちゃん登場。
 そしてもちろん、みんなも来てました。みんな思う所があった。予感があった。

 私も、みんなもまだ何もしていない。
 最後まであがきたい。
 ほんの少し見えた輝きを探したい。見つけたい。

 「みんなはどう?」という千歌ちゃんの問いかけは、Aqoursのみんなはもちろん、私たち視聴者にも向けられた言葉のようにも思えます。
 応えはもちろん「いいんじゃない?あがくだけあがきまくろうよ」
 そして、やるからには…キセキを
「キセキを!」
 いやぁ凄い!力強い!

 そして朝日に照らされるなか(夜明け、朝日というのは希望的なものの象徴でもある)、思いっきり鉄棒で逆上がりをする千歌ちゃん!
 「みえ…」とか思ったら思いっきりガン見している人たちがいました(笑)
#01「ネクストステップ」
 コイツらw
 最後にこういうオチを付けてクスッとさせてくれるのもラブライブ!らしい。

 起こそうキセキを!あがこう精一杯!
 全身全霊、最後の最後まで、みんなで、輝こう!

 さあ、Next Step! のスタートです!

 冒頭での夢から覚めた夢から覚めるというシーンも象徴的でしたが、1が10になって、これを100にして学校も救って、そしたら私たちも輝ける!と意気揚々としていた矢先に統廃合確定がつきつけられ、これでもかと現実が立ちはだかり、吠えたところで何も起こらないどこまでも普通な少女たちが、何度でも何度でも立ち上がり、キセキを起こしてみせると誓い、その先に輝きがあると信じてせいいっぱい駆けていく。
 めちゃめちゃ熱い展開にクラクラする第1話でした。


■2年前と今とミライ
 ところで、1期の感想でも書いたとおり、物語は「ラブライブ!5周年」の世界だと考えているんですけど、それはすなわちラブライブ!サンシャイン!! が始動した2015年。そしてそれは今(2017年)から2年前です。
 そして、「学校側は2年前から(統廃合を)模索していた」。
 今の3年生たちが作中の時間で1年生だった頃に統廃合の話が持ち上がり、それをなんとかしようと3人はスクールアイドルを始めた。
 作中の時間軸で2年前から統廃合は検討されていて、現実の2年前にはラブライブ!サンシャイン!!がG's誌上でスタートし、そしてこのとき果南は自己紹介で廃校が確定している旨のことを語っています。廃校が確定しているっぽいことが驚きでしたが、すっかり油断していました。
 まさか2年後、それが改めて突きつけられるとは…。

 ラブライブ!サンシャイン!! にはなんというか、ゆるやかな滅びの美学的なものも感じるので(オフィシャルファンブック1にも掲載されているプロローグの一文にもそれは感じる)、もしかすると結局統廃合はやっぱり避けられない、という結末もアリかも知れないなとも思ったりしますが、果たしてキセキは起きるのか、廃校(統廃合)問題にどう向き合い、どう解決されるのかという点も含めて、2期シリーズしかと見届けていきたいと思います。

 ちなみに放送開始日の10月7日は、ちょうど2年前にAqoursの1stシングル「君のこころは輝いてるかい?」が発売になった日でもあります。たまたまうまいことタイミングがあったというのもあるかもしれませんが、ちょうど去年の9月に1期13話が放送になり、しかも「君のこころは輝いてるかい?」の言葉と共に幕を閉じてからの10月7日から2期開始。

 そして、今改めて「君のこころは輝いてるかい?」を聴くとまたひと味違いますね。だってほら、「今…みらい、変わり始めたかも!そうだ僕たちは、まだ夢に気づいたばかり」って歌ってるんですよ!?凄くないですか?

■未来の僕らは知っている
 それにしても、下手したらただのヤケクソにもなりかねないのに(笑)、穏やかで誇らしい気持ちで、そして確信めいたものを感じるのはなぜか。
 それは僕らがあの「MIRAI TICKET」のステージを“体験”してるからなのかなと。未来の僕らの中に既に「答え」があるからだと思うんです。だから、「本気で駆け抜けてこい!」と。そんな気持ちで見られるのかなと。

 「もしあの時、ラブライブ!の予選に勝って、本大会に出場できてたら未来は違ってたのかな?」と問う千歌ちゃんに、それは違うよ、あのステージはこんなにも素敵な未来をくれたよ、と自信を持って言える。
 梨子ちゃんが「曲もいっぱい作ろうって思ってた」と言ってたけど、「いっぱい作るよ!」ということを「未来の僕らは知ってる」。
 まさに、「未来の僕たちは答えを持ってる」んですよね。Aqoursの軌跡と、そして奇跡を知っている。

 1期が「僕ら」の「今」の物語だったとするならば、2期は「僕ら」とAqoursの「ミライ」と「キセキ」の物語なのかもしれない。

 そういえば、1stライブのMCで千歌ちゃん役の伊波さんは「泣かないって決めてるんだからな!」って言ってました。ある意味千歌ちゃんの誓いを守っている(もちろん後付けですが)。
 あの1stライブでの「MIRAI TICKET」の体験があって、2期を前にBlu-rayでも改めて見られるようになって、2ndライブツアーがあって、ツアーファイナルでは「MIRAI TICKET」からの「君ここ」が改めて披露されて、「君ここ」の発売日に2期がスタートして、物語はつながってるんだなぁというのを強く感じましたね。


 さて、次回「雨の音」。
 海の音だった1期に対して、2期は雨の音ときました。
 いったいどんなお話なのか、楽しみです。


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