「ラブライブ!」2nd season 第12話感想 [アニメ]
#12「ラストライブ」
第12話は、京極監督がライブパートの演出を手がけ、一部シリーズでは副監督も務めたこともある「プリティーリズムシリーズ」の監督であり、京極監督が師と仰ぐ菱田正和さんがコンテを切ったという点でも注目の回。
そして、遂に迎えるラブライブ!本戦、…ラストステージの物語です。
おっと!!まだ見てないよ、ネタばれは嫌だよ、という方はここでブラウザをそっと閉じて下さい。
冒頭、本戦でのステージの順番を決めるくじ引き。μ’sの代表者としてくじを引くのは…そうです、部長、矢澤にこ、この人しか居ない。
1期のときに講堂を引き当てられなかったにこだけど、それでもやはり、くじを引くのはにこを置いて他にいない。ましてやこれはラブライブ!本戦のくじ引きですよ。にこ以外の誰に権利があるというのか!
1期で講堂を引き当てられなかったにこのリベンジ…みたいなニュアンスも多少はあるけど、だけどある意味、“リベンジ”ではないと思うんですよね。だって、1期でのくじ引きも決してハズレだったとは言えない。結果的には講堂が使えなくて良かった。屋上で良かった。にこは実は引きが強いんです。だからこそ、そういう意味でも今回もにこがくじを引かなくてはいけなかった。最高の順番を引き当てるために。 そして見事に「最後」という順番を引き当てたからこそ…。
Aパート。
かくして見事一番最後を引いたにこ。得意げなにこに対して、相変わらずのメンバーの雑な扱い。練習よ!と飛び出していくみんなに、不満顔のにこ。そんな様子に花陽が一言「みんなあんなこと言いながら、すごい感謝してたから」とフォロー。そういえば真姫ちゃん髪の毛くるくるのクセも出てました。でも、「わかってるわよ。最後までいつもの私たちで居ようってことでしょ」とにこもお見通し。
そしていつもの屋上での練習。凛ちゃんがリズムを取っているところにもシリーズの積み重ねが現れています。5話のあの時は、練習の音頭を取るどころか、まともにリズムを取ることすらできませんでした。
楽しそうな練習風景を、どこか寂しげに見つめる穂乃果。
夕暮れ。「もう練習終わりなのかぁ」。 校門を出て信号を渡ろうとした瞬間、ふと、気付いてしまう。「もしかして、みんなで練習するのって、これが最後なんじゃ…」。
あぁ、そうだ…。明日が本番だから、前日の今日が最後の練習…。ラストライブよりも一足早く、この時間は終わってしまう。感傷的なムードになる中、にこがビシッと一声。「ダメよ!ラブライブ!に集中!」。改めて横断歩道を渡ろうとしますが、皆なかなか踏み出せない。
ならばやるだけのことをやって帰ろうと、神田明神で9人みんなでお参り。たくさん同時にお願いしたけど、みんなの願いは一つ。言葉は違えど、みんな同じ。
さ、今度こそ帰ろう。…と言ったものの、名残惜しくてなかなかお別れできない。いつもの階段を降りれば、そこにはまだ3年生達がいて、2年生も居て…。結局みんな帰らずにまた集まってしまいました。
「なんでまだ居るのよ」とにこ。「どうするの?このままじゃいつまで経っても帰れないわよ」と真姫ちゃん。この帰宅の一連のシーン、にこと真姫の二人がなんとか区切りを付けようというスタンスなのが面白いですよね。性格が良く出てる。
「朝までここに居る?」という希の冗談めかした発言に、はっと閃く穂乃果。
「じゃあさ、こうしない?」
…ということで、学校でお泊まり。
守りたかった大好きな学校で、スクールアイドルとしての練習に明け暮れた大好きな学校で、共に一夜を過ごす。これほど最後の一日にふさわしいことはない。
本来なら合宿の申請をして許可を取らないといけないところでしたが、ことりママの「もしかしたら私が見落としていたのかも」という粋な計らいで許可。職権なんてモノはくだらないことに使わず、こういう時にこそ濫用するものです! あと、このお泊まりシーンできているパジャマ、6thシングル「Music S.T.A.R.T!!」で着ていたパジャマですよね。
学校でお泊まりという新鮮な体験。夜の学校。ワクワクする気持ち。凛ちゃんも「肝試しにゃー」なんてはしゃいでます。そしてどさくさに紛れて希の策略&真姫の連係プレーでKKE(暗いの怖いのエリーチカ)という弱点が暴露されてしまう絵里。かしこいかわいいエリーチカとは何だったのか(笑)。
そして灯りを消したことで夜空が綺麗に見えるように。
「ねぇ、屋上…行ってみない?」
■このきらめく世界で僕らは出会った
いつも練習に明け暮れた屋上。その屋上から見渡す夜の景色。
視界に広がるのはきらめく夜景。光の海。そして輝く星空。
「このひとつひとつがみんな誰かの光」「この中にはきっと私たちと話したこともあったことも無い、ふれあったことも無い人がたくさん居るんだよね」「でも、繋がった」
「偶然流れてきた私たちの歌を聴いて、何かを考えたり、ちょっぴり楽しくなったり、ちょっぴり元気になったり、ちょっぴり笑顔になってるかもしれない。素敵だね」
「だからアイドルは最高なのよ」
この場面はまさに、ラブライブ!μ’sと私たちとの出会いの、μ’sとファンの関係性のメタファーのようでもあります。夜の町並みは客席。そこに見ず知らずの沢山の人が居る。煌めく灯りはペンライトの光。星空はμ’sやスクールアイドルみんなの輝き。さしづめ月はアイドルという概念といったところでしょうか。月は地球から見える天体で太陽の次に明るく、そして太陽の光を受けて輝く星であり、夜間における最も明るい天然光源です。都市部ではなかなか実感する機会が無いかもしれませんが、満月の月明かりは想像以上に明るいんですよ。
そんな美しい夜景を目にして、穂乃果が叫びます。
「私!スクールアイドルやってよかったーっ!!」
「みんなに伝えたい気分、今のこの気持ちを!」
他のメンバーも同じ気持ち。みんなで一斉に…
「みんなーっ!聴いてねーっ!!」
■ラストライブ
翌朝。いよいよ大会当日がやってきました。ラブライブ!本戦。ついにこのステージで歌うときがやってきました。しかもこのステージ、1期オープニングで歌っていたステージじゃないですか!「ここで歌えるんだよ!私たち!」
おまけに開場前のモニタに映し出される「LoveLive!」の文字、これって、「僕らのLIVE 君とのLIFE」のPVのロゴですね。なんというニクイ演出…。
日も暮れて、いよいよ開場。お客さんも続々と集まってきます。
まず駆けつけたのは雪穂と亜里沙。憧れのμ’sの晴れ舞台にいつにも増してハイテンションな亜里沙。カメラ片手に雪穂とゲートを前にツーショット。
「ここを目指す写真!」
すごい!亜里沙のこの言葉素晴らしい!!(作詞家園田海未の後継者はキミだ!w)きっといつか、亜里沙と雪穂もこのステージに立つ日が来るでしょう!
ヒデコ、フミコ、ミカも会場入り。
こんな大きな会場で大丈夫かな、緊張してるかもと不安もありますが、しかし!
「大丈夫よ、誰も居ない講堂に比べたらどうってことないでしょ!」
さすが、あの日を知っている唯一のファン達の言葉です。カッコイイ。
そして会場にやってきた穂乃果の両親に、ことりママがペンライトのおすそ分け。
「ご心配なく!」と取り出す大量のオレンジ!さすが!w
■μ’sの“ぜんぶ”を込めて!
ラストライブ用の衣装に着替えた穂乃果達μ’sの面々。「今まででいちばん可愛くしようってがんばったんだ!」とことりが誇らしく語るそんなラストステージの衣装、なんだかどこかで見覚えがある印象だ…とぼんやり感じていたけれど…
そうか、「START:DASH!!」の衣装か!!
さて、いよいよμ’sの出番です。本番前に緊張しているかと思いきや…
「もうすっかりクセになりました。たくさんの人の前で歌う楽しさが」「すっごくかわいいよ!」「今日のウチは遠慮しないで前に出まくるから」「私もセンターのつもりで目立ちまくるわよ!最後のステージなんだから!」「3年生だからって、ボヤボヤしてると置いていくわよ?」「私を本気にさせたらどうなるか!覚悟しなさいよ!」
みんな心の底からとても楽しそうです。嬉しそうです!
強がりでも何でもない。今まで積み重ねてきた物語がある。これまで歩んできたμ’sの物語のすべてが、いま、ここにある。やるべきことは全てやった。描くべき事は全て描かれてきた。だから、嘘偽りの無い、最高の姿。
「みんな、ぜんぶぶつけよう!今までの気持ちと、想いと、ありがとうを!…ぜんぶのせて歌おう!!」
円陣を組み、指で星を作る。しかし、語る言葉はもうない。
「だって本当にないんだもん。もう全部伝わってる、もう気持ちは一つだよ。もうみんな、感じていることも考えていることもおんなじ。…そうでしょ!」
全部伝わってる。これまでの物語で、現実の体験で、様々な媒体で。「もう全部伝わってる」…この言葉は、僕ら視聴者に向けられたモノでもある。
「μ’sラストライブ!全力でとばしていこう!!」
「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9!」
「μ’sミュージックスタート!」
■もう一度、ラブライブ!
μ’sのラストライブの曲は、「KiRa-KiRa Sensation!」。
これまでのμ’s楽曲にはあまりなかった、静かな、けれど力強さを感じさせる美しいイントロから始まる曲。ステージライトに照らされ、シルエットの中、瞳を輝かせ、顔を上げていく9人。
溜めて溜めて…一気に爆発するように弾けるサウンド!
私たちの物語、みんなの物語を綴った歌詞。何もかもが素晴らしい。
そして圧巻の映像はまさにμ’sの集大成。ラブライブ!のダンスPVの集大成と言える完成度。過去のシングルを彷彿とさせるショットや振り付けも所々に盛り込まれ、これまでのアニメーションPVで培ってきたあらゆるノウハウを結集した渾身のアニメーション映像にただただ目を奪われます…。輝き、色彩、躍動感に溢れた歌とダンスとステージが見る者を魅了する。
歌い終えたμ’sの9人。ひとりひとり名前を名乗っていきます。
飛び散る汗。いや、違う。これは汗とかそういう“単なるリアル”を描写したものではない。これは煌めき。彼女たちひとりひとりの、宝石のごとき輝きの結晶。
あれこれ語る言葉はもう何も必要ない。いま、私が…私たちが、ここにいる!
だから、ただ、名乗る!そして…
割れんばかりの拍手と歓声の中、万感の想いを込めて。
「音ノ木坂学院スクールアイドル、μ’s!」
「ありがとうございましたーっ!!!」
ついに終わってしまった、ラストステージ。
達成感。満足感。喜び。そして一抹の寂しさ。
ステージ裏、満ち足りた表情で涙を流し、抱き合う9人。
最高のステージができた。最高の瞬間を過ごせた。
…いや、ほんとうの最高の瞬間はまだ、これからでした。
鳴り止まない歓声が、いつしか会場一杯の「アンコール」に変わる。
みんなにそっと寄り添うような劇伴もステキだし、アンコールの声と共にステージ裏に「光」が射してくるという演出もまたこのうえなく素晴らしい…。
ヒフミトリオが、妹たちが、A-RISEが、両親が、みんなが、アンコールの声を届けてくれている。あり得ないはずのアンコール。色とりどりの光。
みんなの想いが光となり、μ’sを暖かく照らす。
穂乃果の脳裏に浮かぶあの日の誓い…。
このまま誰も見向きもしてもらえないかもしれない。
応援なんて全然もらえないかもしれない。
でも、一生懸命頑張って、私たちがとにかく頑張って届けたい!
いま、私たちがここにいる、この想いを!
いま、この瞬間、届け続けてきた沢山の想いが、届き続けていた沢山の想いが、最高の舞台で、最高のカタチで還ってきている。
鳴り止まないアンコール。1期同様男泣きの穂乃果パパかっこいい!
私たちは、ここに居る!届けたい!この想いを!
再びステージ裏に並ぶμ’s。
そしてその衣装はまさか!!!
アンコール「僕らは今のなかで」!!!
あぁ…1期のOPはやっぱりラブライブ!のステージだった!
いつか辿り着く未来だった!!
1期11話のとき、誰もが一瞬予想したであろうオープニングに繋がるこの光景。しかし出場辞退という展開によって幻に終わったラブライブ!のステージで歌う「僕らは今のなかで」が、時を経て、それもアンコールというこのうえなく最高のカタチで、遂に現実となった。
最後のステージ、最高のステージを終え、ひとつの夢を叶えたμ’s。
そんなμ’sのために、みんなが叶えてくれた夢のアンコールのステージ。
もう一度、μ’sに夢のステージを!
もう一度、ラブライブ!!
幕が開く直前、イントロが流れた瞬間にインサートされる「挿入歌:僕らは今のなかで」というテロップも絶妙すぎる!
いやね、ラブライブ!の本戦会場が「僕らは今のなかで」と同じ場所、同じステージセットだったときから、もしかして…とは思っていました。でも、(1曲という大会ルール自体にはたいして意味がないとは思っていましたが)衣装が違うし、やっぱり無いかな…と思っていたらですよ!まさかそうきたか!1期のOP映像そのままというのも完璧すぎる!
唯一差し替えられているのがダンス映像の合間に挿入されるカット。そしてそこで描かれる舞台裏。
アンコールに応えてステージに再び立とうとする穂乃果。ぐっと肩を掴んで引き留められたそこには、ヒフミトリオ!
「ちょっと待った」とばかりに差し出されたのはなんと!“あの衣装”!
おそらく1期の時に、曲も衣装もラブライブ!出場に向けて既に作っていたのでしょう。出場辞退によって披露されることがなかったその衣装のことを知っていた&思い出したヒフミが、こっそり会場に持ってきていたという神モブたちによる神展開!
ヒフミトリオ素晴らしすぎる!いやぁもう「神モブ」なんて言葉では足りないでしょ!彼女たちの素晴らしさをいったいどう讃えればいいの!?最後の最後まで最高のカタチでμ’sのステージを支え続けてくれた彼女たちに、心からありがとうと言いたい。
ほんとうにもう、ただただ素晴らしいとしか言いようのない12話。普通だったらこれで最終回ですとなってもおかしくない。でも、またあと1話ある。必要ないモノは描かないラブライブ!が、まだあと1話ある。しっかりと、心に刻みたい。
第12話は、京極監督がライブパートの演出を手がけ、一部シリーズでは副監督も務めたこともある「プリティーリズムシリーズ」の監督であり、京極監督が師と仰ぐ菱田正和さんがコンテを切ったという点でも注目の回。
そして、遂に迎えるラブライブ!本戦、…ラストステージの物語です。
おっと!!まだ見てないよ、ネタばれは嫌だよ、という方はここでブラウザをそっと閉じて下さい。
冒頭、本戦でのステージの順番を決めるくじ引き。μ’sの代表者としてくじを引くのは…そうです、部長、矢澤にこ、この人しか居ない。
1期のときに講堂を引き当てられなかったにこだけど、それでもやはり、くじを引くのはにこを置いて他にいない。ましてやこれはラブライブ!本戦のくじ引きですよ。にこ以外の誰に権利があるというのか!
1期で講堂を引き当てられなかったにこのリベンジ…みたいなニュアンスも多少はあるけど、だけどある意味、“リベンジ”ではないと思うんですよね。だって、1期でのくじ引きも決してハズレだったとは言えない。結果的には講堂が使えなくて良かった。屋上で良かった。にこは実は引きが強いんです。だからこそ、そういう意味でも今回もにこがくじを引かなくてはいけなかった。最高の順番を引き当てるために。 そして見事に「最後」という順番を引き当てたからこそ…。
Aパート。
かくして見事一番最後を引いたにこ。得意げなにこに対して、相変わらずのメンバーの雑な扱い。練習よ!と飛び出していくみんなに、不満顔のにこ。そんな様子に花陽が一言「みんなあんなこと言いながら、すごい感謝してたから」とフォロー。そういえば真姫ちゃん髪の毛くるくるのクセも出てました。でも、「わかってるわよ。最後までいつもの私たちで居ようってことでしょ」とにこもお見通し。
そしていつもの屋上での練習。凛ちゃんがリズムを取っているところにもシリーズの積み重ねが現れています。5話のあの時は、練習の音頭を取るどころか、まともにリズムを取ることすらできませんでした。
楽しそうな練習風景を、どこか寂しげに見つめる穂乃果。
夕暮れ。「もう練習終わりなのかぁ」。 校門を出て信号を渡ろうとした瞬間、ふと、気付いてしまう。「もしかして、みんなで練習するのって、これが最後なんじゃ…」。
あぁ、そうだ…。明日が本番だから、前日の今日が最後の練習…。ラストライブよりも一足早く、この時間は終わってしまう。感傷的なムードになる中、にこがビシッと一声。「ダメよ!ラブライブ!に集中!」。改めて横断歩道を渡ろうとしますが、皆なかなか踏み出せない。
ならばやるだけのことをやって帰ろうと、神田明神で9人みんなでお参り。たくさん同時にお願いしたけど、みんなの願いは一つ。言葉は違えど、みんな同じ。
さ、今度こそ帰ろう。…と言ったものの、名残惜しくてなかなかお別れできない。いつもの階段を降りれば、そこにはまだ3年生達がいて、2年生も居て…。結局みんな帰らずにまた集まってしまいました。
「なんでまだ居るのよ」とにこ。「どうするの?このままじゃいつまで経っても帰れないわよ」と真姫ちゃん。この帰宅の一連のシーン、にこと真姫の二人がなんとか区切りを付けようというスタンスなのが面白いですよね。性格が良く出てる。
「朝までここに居る?」という希の冗談めかした発言に、はっと閃く穂乃果。
「じゃあさ、こうしない?」
…ということで、学校でお泊まり。
守りたかった大好きな学校で、スクールアイドルとしての練習に明け暮れた大好きな学校で、共に一夜を過ごす。これほど最後の一日にふさわしいことはない。
本来なら合宿の申請をして許可を取らないといけないところでしたが、ことりママの「もしかしたら私が見落としていたのかも」という粋な計らいで許可。職権なんてモノはくだらないことに使わず、こういう時にこそ濫用するものです! あと、このお泊まりシーンできているパジャマ、6thシングル「Music S.T.A.R.T!!」で着ていたパジャマですよね。
学校でお泊まりという新鮮な体験。夜の学校。ワクワクする気持ち。凛ちゃんも「肝試しにゃー」なんてはしゃいでます。そしてどさくさに紛れて希の策略&真姫の連係プレーでKKE(暗いの怖いのエリーチカ)という弱点が暴露されてしまう絵里。かしこいかわいいエリーチカとは何だったのか(笑)。
そして灯りを消したことで夜空が綺麗に見えるように。
「ねぇ、屋上…行ってみない?」
■このきらめく世界で僕らは出会った
いつも練習に明け暮れた屋上。その屋上から見渡す夜の景色。
視界に広がるのはきらめく夜景。光の海。そして輝く星空。
「このひとつひとつがみんな誰かの光」「この中にはきっと私たちと話したこともあったことも無い、ふれあったことも無い人がたくさん居るんだよね」「でも、繋がった」
「偶然流れてきた私たちの歌を聴いて、何かを考えたり、ちょっぴり楽しくなったり、ちょっぴり元気になったり、ちょっぴり笑顔になってるかもしれない。素敵だね」
「だからアイドルは最高なのよ」
この場面はまさに、ラブライブ!μ’sと私たちとの出会いの、μ’sとファンの関係性のメタファーのようでもあります。夜の町並みは客席。そこに見ず知らずの沢山の人が居る。煌めく灯りはペンライトの光。星空はμ’sやスクールアイドルみんなの輝き。さしづめ月はアイドルという概念といったところでしょうか。月は地球から見える天体で太陽の次に明るく、そして太陽の光を受けて輝く星であり、夜間における最も明るい天然光源です。都市部ではなかなか実感する機会が無いかもしれませんが、満月の月明かりは想像以上に明るいんですよ。
そんな美しい夜景を目にして、穂乃果が叫びます。
「私!スクールアイドルやってよかったーっ!!」
「みんなに伝えたい気分、今のこの気持ちを!」
他のメンバーも同じ気持ち。みんなで一斉に…
「みんなーっ!聴いてねーっ!!」
■ラストライブ
翌朝。いよいよ大会当日がやってきました。ラブライブ!本戦。ついにこのステージで歌うときがやってきました。しかもこのステージ、1期オープニングで歌っていたステージじゃないですか!「ここで歌えるんだよ!私たち!」
おまけに開場前のモニタに映し出される「LoveLive!」の文字、これって、「僕らのLIVE 君とのLIFE」のPVのロゴですね。なんというニクイ演出…。
日も暮れて、いよいよ開場。お客さんも続々と集まってきます。
まず駆けつけたのは雪穂と亜里沙。憧れのμ’sの晴れ舞台にいつにも増してハイテンションな亜里沙。カメラ片手に雪穂とゲートを前にツーショット。
「ここを目指す写真!」
すごい!亜里沙のこの言葉素晴らしい!!(作詞家園田海未の後継者はキミだ!w)きっといつか、亜里沙と雪穂もこのステージに立つ日が来るでしょう!
ヒデコ、フミコ、ミカも会場入り。
こんな大きな会場で大丈夫かな、緊張してるかもと不安もありますが、しかし!
「大丈夫よ、誰も居ない講堂に比べたらどうってことないでしょ!」
さすが、あの日を知っている唯一のファン達の言葉です。カッコイイ。
そして会場にやってきた穂乃果の両親に、ことりママがペンライトのおすそ分け。
「ご心配なく!」と取り出す大量のオレンジ!さすが!w
■μ’sの“ぜんぶ”を込めて!
ラストライブ用の衣装に着替えた穂乃果達μ’sの面々。「今まででいちばん可愛くしようってがんばったんだ!」とことりが誇らしく語るそんなラストステージの衣装、なんだかどこかで見覚えがある印象だ…とぼんやり感じていたけれど…
そうか、「START:DASH!!」の衣装か!!
12話の衣装デザインの室田くんが浮上してこないからちょこっと言っちゃうとラストライブの衣装は「アルティメット・スタダ」つまり(西田デザインの)一期3話の完全アルティメイトバージョンらしいです。おそらくそのうち本人が語ってくれるかと思いますが。「さすがことりですね!」
— 西田亜沙子(モフモハー西田) (@asakonishida) 2014, 6月 24
さて、いよいよμ’sの出番です。本番前に緊張しているかと思いきや…
「もうすっかりクセになりました。たくさんの人の前で歌う楽しさが」「すっごくかわいいよ!」「今日のウチは遠慮しないで前に出まくるから」「私もセンターのつもりで目立ちまくるわよ!最後のステージなんだから!」「3年生だからって、ボヤボヤしてると置いていくわよ?」「私を本気にさせたらどうなるか!覚悟しなさいよ!」
みんな心の底からとても楽しそうです。嬉しそうです!
強がりでも何でもない。今まで積み重ねてきた物語がある。これまで歩んできたμ’sの物語のすべてが、いま、ここにある。やるべきことは全てやった。描くべき事は全て描かれてきた。だから、嘘偽りの無い、最高の姿。
「みんな、ぜんぶぶつけよう!今までの気持ちと、想いと、ありがとうを!…ぜんぶのせて歌おう!!」
円陣を組み、指で星を作る。しかし、語る言葉はもうない。
「だって本当にないんだもん。もう全部伝わってる、もう気持ちは一つだよ。もうみんな、感じていることも考えていることもおんなじ。…そうでしょ!」
全部伝わってる。これまでの物語で、現実の体験で、様々な媒体で。「もう全部伝わってる」…この言葉は、僕ら視聴者に向けられたモノでもある。
「μ’sラストライブ!全力でとばしていこう!!」
「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9!」
「μ’sミュージックスタート!」
■もう一度、ラブライブ!
μ’sのラストライブの曲は、「KiRa-KiRa Sensation!」。
これまでのμ’s楽曲にはあまりなかった、静かな、けれど力強さを感じさせる美しいイントロから始まる曲。ステージライトに照らされ、シルエットの中、瞳を輝かせ、顔を上げていく9人。
溜めて溜めて…一気に爆発するように弾けるサウンド!
私たちの物語、みんなの物語を綴った歌詞。何もかもが素晴らしい。
そして圧巻の映像はまさにμ’sの集大成。ラブライブ!のダンスPVの集大成と言える完成度。過去のシングルを彷彿とさせるショットや振り付けも所々に盛り込まれ、これまでのアニメーションPVで培ってきたあらゆるノウハウを結集した渾身のアニメーション映像にただただ目を奪われます…。輝き、色彩、躍動感に溢れた歌とダンスとステージが見る者を魅了する。
歌い終えたμ’sの9人。ひとりひとり名前を名乗っていきます。
飛び散る汗。いや、違う。これは汗とかそういう“単なるリアル”を描写したものではない。これは煌めき。彼女たちひとりひとりの、宝石のごとき輝きの結晶。
あれこれ語る言葉はもう何も必要ない。いま、私が…私たちが、ここにいる!
だから、ただ、名乗る!そして…
割れんばかりの拍手と歓声の中、万感の想いを込めて。
「音ノ木坂学院スクールアイドル、μ’s!」
「ありがとうございましたーっ!!!」
ついに終わってしまった、ラストステージ。
達成感。満足感。喜び。そして一抹の寂しさ。
ステージ裏、満ち足りた表情で涙を流し、抱き合う9人。
最高のステージができた。最高の瞬間を過ごせた。
…いや、ほんとうの最高の瞬間はまだ、これからでした。
鳴り止まない歓声が、いつしか会場一杯の「アンコール」に変わる。
みんなにそっと寄り添うような劇伴もステキだし、アンコールの声と共にステージ裏に「光」が射してくるという演出もまたこのうえなく素晴らしい…。
ヒフミトリオが、妹たちが、A-RISEが、両親が、みんなが、アンコールの声を届けてくれている。あり得ないはずのアンコール。色とりどりの光。
みんなの想いが光となり、μ’sを暖かく照らす。
穂乃果の脳裏に浮かぶあの日の誓い…。
このまま誰も見向きもしてもらえないかもしれない。
応援なんて全然もらえないかもしれない。
でも、一生懸命頑張って、私たちがとにかく頑張って届けたい!
いま、私たちがここにいる、この想いを!
いま、この瞬間、届け続けてきた沢山の想いが、届き続けていた沢山の想いが、最高の舞台で、最高のカタチで還ってきている。
鳴り止まないアンコール。1期同様男泣きの穂乃果パパかっこいい!
私たちは、ここに居る!届けたい!この想いを!
再びステージ裏に並ぶμ’s。
そしてその衣装はまさか!!!
アンコール「僕らは今のなかで」!!!
あぁ…1期のOPはやっぱりラブライブ!のステージだった!
いつか辿り着く未来だった!!
1期11話のとき、誰もが一瞬予想したであろうオープニングに繋がるこの光景。しかし出場辞退という展開によって幻に終わったラブライブ!のステージで歌う「僕らは今のなかで」が、時を経て、それもアンコールというこのうえなく最高のカタチで、遂に現実となった。
最後のステージ、最高のステージを終え、ひとつの夢を叶えたμ’s。
そんなμ’sのために、みんなが叶えてくれた夢のアンコールのステージ。
もう一度、μ’sに夢のステージを!
もう一度、ラブライブ!!
幕が開く直前、イントロが流れた瞬間にインサートされる「挿入歌:僕らは今のなかで」というテロップも絶妙すぎる!
いやね、ラブライブ!の本戦会場が「僕らは今のなかで」と同じ場所、同じステージセットだったときから、もしかして…とは思っていました。でも、(1曲という大会ルール自体にはたいして意味がないとは思っていましたが)衣装が違うし、やっぱり無いかな…と思っていたらですよ!まさかそうきたか!1期のOP映像そのままというのも完璧すぎる!
唯一差し替えられているのがダンス映像の合間に挿入されるカット。そしてそこで描かれる舞台裏。
アンコールに応えてステージに再び立とうとする穂乃果。ぐっと肩を掴んで引き留められたそこには、ヒフミトリオ!
「ちょっと待った」とばかりに差し出されたのはなんと!“あの衣装”!
おそらく1期の時に、曲も衣装もラブライブ!出場に向けて既に作っていたのでしょう。出場辞退によって披露されることがなかったその衣装のことを知っていた&思い出したヒフミが、こっそり会場に持ってきていたという神モブたちによる神展開!
ヒフミトリオ素晴らしすぎる!いやぁもう「神モブ」なんて言葉では足りないでしょ!彼女たちの素晴らしさをいったいどう讃えればいいの!?最後の最後まで最高のカタチでμ’sのステージを支え続けてくれた彼女たちに、心からありがとうと言いたい。
ほんとうにもう、ただただ素晴らしいとしか言いようのない12話。普通だったらこれで最終回ですとなってもおかしくない。でも、またあと1話ある。必要ないモノは描かないラブライブ!が、まだあと1話ある。しっかりと、心に刻みたい。
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