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「ラブライブ!」2nd season 7~9話振り返り [アニメ]

 ラブライブ!2期シリーズは、μ’sがより強く輝くための最後のステップアップと、訪れる卒業へ向けての積み重ねが一歩一歩描かれている(逆に言えば、シリーズの結末を描くために必要なことを逆算して描いている)、そんな感じがします。
 これまでのエピソードでは、原動力の再確認や、A-RISEという大きな存在と並び立つための強さの獲得。1期で積み残した個々の問題の解決と成長などが描かれてきました。7~9話は、そんな今までの(2期だけでなく1期も含めての)積み重ねを経た上での最後の仕上げであり、結実していく物語といったところでしょうか。
 なぜこういうことを描くのか、描いてきたのかということにきちんと意味があって、ラブライブ!という作品は、明確なビジョンの元に、そこへ至るためにいろんなことをコツコツ積み重ねている物語だと改めて実感します。

#07「なんとかしなきゃ!」7話感想
 7話は穂乃果達の成長ぶりと3年生の引退(卒業が迫ってきている)を印象付ける回でもあり、振り返れば9話に繋がってくる話でもあったのかなという気もしますね。9話のクライマックスの展開を描くためにも、生徒会としての責任の自覚と成長、そして生徒からの確かな信頼を得る過程を描く必要があった。

■1stライブの衣装が着られない…
 あまりにも残酷な現実の思い知らせ方です(笑)

■以外と意志は強い花陽
 ランニングの途中で見つけたご飯屋さん。しかし、ごはんの誘惑を懸命に振り払おうとする花陽。穂乃果に引きずり込まれる格好で結果的に誘惑に負けてしまうワケですが、その後のダイエットはきちんとこなしているんですよね。一方で穂乃果はやることは一応やるんだけど誘惑にめっぽう弱いというか、嬉し事に積極的というか、そんな感じ。

■フレームの外のにこ
 予算会議の場面、冒頭部分では巧みににこの姿が隠されています。で、「にこちゃん!?どうしてここに?」の所で初めてちゃんと映って、あ、居たんだ、となる(直前のカットでちらっとだけ特徴的なピンクのカーディガン姿が見切れていて、視聴者は「あ、にこがいる」と気づけるようになっているのもポイント)。

■アイドル研究部の部長
 部長であることをすっかり忘れ去られるにこ。もはやお約束ネタです。ただ、この場面は生徒会も部長もみんな2年生だとばかりのところに3年生がいるとは思ってなかった、という側面もある。

■花瓶に隠れる
 穂乃果が予算について説明する場面では、巧みに美術部部長の様子が見えないようなレイアウトになっています。面白いのは花瓶で隠れるレイアウト。花瓶のすぐ後ろは壁なので、実際にはこういう位置から見ることはできない(実写なら壁をぶち抜いたり、こういう画が撮れるセットを作ったりする)。
 あからさまに美術部部長の表情が見えないというアングルをつくるためにわざわざ花瓶があり、花瓶越しの画になっている。

 こういう場面に限らずですけど、ひっかかりを感じさせるような台詞や場面、映像には、高確率で何かしらの意図がある。

■パフェ
 「帰り、パフェでも食べてこうか?」
 「今日もパフェ、食べにいく?」
 似たようなことが8話でもある。

#08「私の望み」8話感想
 8話は希の望みの回であり、「Snow halation」の誕生秘話でもあり、また、μ’sのもうひとつの結成秘話が明らかになったことで、この9人が集っていることの意味や1期の物語がよりいっそう深みを持ったものになった。そんなエピソードでした。そして、「みんなで」というキーワードは、次回9話で更に広がることになります。

■希のやりたいこと
 希が珍しく…というか初めて自分から具体的な提案をします。事情を知る絵里はなんとか実現させようとがんばり、真姫はそんな変化に当事者以外でただひとり気付く。それは1期8話や10話で描かれたものがあったからこそ。

■のぞまきえり
 μ’sの頭脳であり、似たもの同士で不器用な3人でもある。
 ちなみに、電撃G's magazineの初期の読者投稿コーナー担当もこの3人(のぞまきえりが読者コーナー、にこりんぱながラジオ、ことほのうみがニコ生担当だった)。

■勇気
 みんなで歌をつくりたいという願いをいまこそ実現するときと“チャレンジする勇気”。しかしなかなかうまくいかない。“諦める勇気”。

■今見たら、カードもそれがいいって
 でもカードの絵柄は見せていない。カードはそう言っていない。

■時間経過
 希の部屋を訪れてからの一連のシーンは、時間経過と会話の変化の描き方が面白い。最初はお湯を沸かすところでひとり暮らしだったという話。「隠してたわけやないよ、えりちが大事にしただけやん」で急須のふたを閉める(これは1期8話での絵里のドアを閉める表現と似たようなニュアンスを感じる)。
 砂時計のアップのカットから絵里が希の気持ちを代弁し始め、砂が落ちきったところで終わります。また、この間はカメラがキッチンの内側に行くことは無く、終始リビングからのショットのみで、希はカウンター越しの背中だけ、表情も見えません。
 砂が落ちきったところで再び希が話し始め、お茶が出来上がって運んだところから希の回想。お茶を手に取った後もう一段台詞の無い回想を挟んで、「だからこの話はおしまい」。窓越しに日が沈んだ様子を見せて、夕日のオレンジから蛍光灯の明かりになった室内(外が暗くなるだけの時間が経過した)からは、「…って、希は言うんだけど」と他のメンバーを呼ぶくだりになる。

■楽しみにしてた
 「えりちがおおごとにしただけやろ」という希に、絵里は「嘘、μ’s結成したときからずっと楽しみにしてたでしょ」と言います。きっと、絵里には「ウチ楽しみやねん」みたいに常々語っていたのでしょう。そう考えるとホント…。

■回想
 小学校時代の希の回想シーンは、濃いめの色彩でコントラストも強め。一方、音ノ木坂以降の回想は彩度が低く明るい。

■窓に映る姿
 「だからこの話はおしまい」と語るカットは、部屋の窓に映り込んだ室内の様子で描かれています。こういった何かと向き合うというシチュエーションにおいて窓や鏡に姿が映り込むという表現が、2期シリーズでは印象的に用いられている気がします。

■ともだち
 「友達、なんだから」
 「友達、なんやから」
 似たようなことが7話でもあった。

■つらつらと箇条書きしておく
 1期1話。屋上の穂乃果をのぞき見。
 1期8話。「えりちは本当は何がしたいんやろって。一緒にいるとわかるんよ。えりちが頑張るのは、いつも誰かのためばっかりで、だから、いつも何かを我慢しているようで…」
 1期10話。「ほっとけないのよ。よく知ってるから、あなたに似たタイプ」。「うちもずっと見てきた。何かある毎にアドバイスもしてきたつもり。それだけ思い入れがある」。真姫だけにヒミツの告白。標準語。
 2期6話。部屋の外で聞き耳。ひとり路側帯の外から見守る。
 スノハレPV。「うち幸せ」

#09「心のメロディ」9話感想
 9話はもちろん最終予選当日、「Snow halation」のお披露目の回なのですが、もうひとつのテーマとして、ことほのうみに残された課題の克服と、10人目のμ’sの存在というものが描かれた回でもありました。
 9話はもうホント隅から隅まで素晴らしくて…どう言葉にすれば良いのやら…。

■失敗は繰り返したくない
 しっかりと休養をとり体調を整える穂乃果。あの時みたいな失敗を繰り返すわけにはいかない。

■マジか…


■カードのお告げ
 8話を経てのお馴染みカードのお告げは、また違った風に見えてきますね。

■アルパカ
 アルパカ登場回はメンバーが集う回。10人目のμ’s。

■もうひとつの「μ'sのはじまり」
 最終予選会場のステージを目の当たりにして圧倒されるシーン。胸のドキドキのような音楽が流れ始めます。
 音ノ木坂では学校のみんなが穂乃果達のために手伝ってくれている。
 この一連の場面で流れている劇伴は「μ’sのはじまり[LM36]」です。そう、1期8話で絵里と希が加入し、遂にμ’sが9人となったあの場面で流れていた曲です。この場面でこの曲が流れることには大きな意味がある。

■みんなの夢
 雪も降ってるから欠席していいと理事長直々のお許しがあるにもかかわらず、そういうわけにはいかないと学校説明会の来場者への案内をし、講堂での挨拶に出る。生徒会としての責任もあるし、何より、この学校説明会はもうひとつの“いつか夢見た舞台”でもある。廃校を阻止したい…という根底にある願い。沢山の人が(しかもこんな大雪なのに)音ノ木坂に魅力を感じて説明を聞きに来てくれている。それはラブライブ!出場と同じくらい嬉しく、大切なこと。
 そして、大事な最終予選の当日なのに学校説明会も精一杯頑張っくれているし、雪かき手伝うとか当たり前のように申し出ちゃう。そんな穂乃果たちだからこそ音ノ木坂のみんなは本気でμ’sを支え、愛し、応援し、そして道を作ってくれるのです。

■力強く穂乃果を支えることりと海未
 ことりの言葉に後押しされ、まず穂乃果が進んで、転ぶ。ことりが追いかける。ためらいつつ海未が後を追う。すごく象徴的。
 そして猛吹雪の中で、今までずっと穂乃果に引っ張られ、穂乃果に付いてきたことりと海未が、穂乃果に付いていくだけや二人の背中を追いかけるだけではなく、一緒に前に進みたいと強く叫び、願う。穂乃果の背中を力強く支え、押していくような構図。突風に押され、それでも押し返されること無く前へ進もうとする様子が、その願いの力強さを表している。

■海未のやりたいこと
 「二人の背中を追いかけてるだけじゃ無い!やりたいんです!私だって誰よりもラブライブ!に出たい!9人で最高の結果を残したいのです!!」

■傘を差す意味・1
 傘を差していることで風の強さや突風に抗う感じ、穂乃果を押している感がより力強く伝わる。傘を差さずにただ手で顔を隠すような感じだったら、なんか弱々しくというか、守りに入っているように見えるでしょう。

■猛吹雪のシーンの暗さ
 絶望的な状況、悲壮感漂う劇伴。猛吹雪のシーンは他のシーンと比べて暗く、陰影も強い。だからこそ続く場面の開放感と静寂がより晴れやかに、明るく、やさしく、清々しく感じられ、よりいっそうの成功への確信とカタルシスにつながっていく。

■猛吹雪という風景
 猛烈な吹雪で前に進めない。挫けない強い意志をもってしてもどうにもならない圧倒的な自然の猛威。
 そんな猛吹雪が、ぴたっと止む。吹雪の中、ふと顔を上げて「何か」を目にした瞬間、それまでの猛吹雪が嘘のように穏やかになる。
 これは、ひとつは猛烈な吹雪というのがそもそも現実ではなく、ある種の心象風景であるということ。実際にはここまで猛烈な吹雪じゃないけど、穂乃果たちはそう感じている。不安と絶望感と恐怖がそう感じさせている。また、それに対抗する強い意志の表現するための舞台装置としての風景でもある。
 そして、それを振り払ってくれる「何か」を目にしたことで吹雪が嘘のように止む。目にしたのは、音ノ木坂の生徒全員の想いが形となった「道」=「僕らの道」。ことほのうみの3人が大きく成長を遂げたとき、そして、学校から会場までの道を音ノ木坂の全生徒で“切り開いたその瞬間”(穂乃果達がその道を目にした瞬間)、穂乃果たちを押し潰さんとしていた吹雪の景色(不安と恐怖)が振り払われた。そしてまた、音ノ木坂全校生徒の想いの力が自然の猛威を凌駕した。そういうことを象徴している描写でもあると思います。

■校門前の信号機
 音ノ木坂の校門前の信号機には示唆的なものがある思うんですよね(1期ではことりの横断に合わせて点滅~赤信号になったりとか)。で、今回。
 吹雪の中で懸命に進もうとする場面では、横断歩道の信号機は青。行け、進め。
 横断歩道を渡り、ヒフミトリオに促される場面は、信号は赤。戻るな、振り返るな。
 学校のみんなが作ってくれた道を駆けていく場面では、信号は再び青。走れ!行け!

■全校生徒
 1stライブの時の観客はゼロでした。ヒフミトリオの懸命のちらし配りにもかかわらず誰も来なかった。13話では講堂を一杯にし、2期3話では他校まで手伝いに来てくれた。そして今回。道を作ろうというヒフミトリオの呼びかけに応じたのは、全校生徒でした。

■“ぼくら”がつくった道
 音ノ木坂の「みんな」がつくってくれた「道」。
 文字通り、目の前にぼくらの道がある。そうだ!進め!
 校門の前の並木道を駆けて行くというのもどこか「ススメ→トゥモロウ」を思い起こさせるものがあります。あの時、3人だけで歌い通った道。今度は音ノ木坂のみんなが作ってくれた道を、3人がみんなのエール(応援歌)を背に走り抜ける。

■傘を差す意味・2
 とても軽やかに駆けているように見えるでしょ。
 傘には風を受けてふわりと舞い上がるようなイメージもあるし、モノトーンな画面に明るくカラフルな彩りも添えている。他の生徒がみんなレインコート姿で3人だけが制服に傘という対比も、3人を特別な存在に見せている。

■除雪作業
 音ノ木坂の全生徒が除雪作業をして道を作ってくれた場面。理屈抜きでグッと来る場面ですが、あえてちょっとだけ裏設定を妄想してみる。
 まず、除雪作業自体は穂乃果たちが外に出てくるより前から着手していたはず。おそらく説明会の最中に電車ストップの知らせを受けて、最悪徒歩で行くしかないかもしれないと考えた。また、当日は説明会ということで全校生徒が登校していたわけではなかったはず(他のメンバーが学校に行く必要が無かったことからもわかる)。なので、学校に来て既に除雪を手伝っていた生徒は学校の周辺から(また、一部の生徒は学校にあった使えそうな道具を持って配りに行って)、まだ自宅にいた生徒などは知らせを聞いて各々すぐに駆けつけられるルート上の最寄りの場所を、既に会場に集まっていた生徒は会場から遡るように除雪して道を作ろうとヒフミトリオは呼びかけた(あるいは、道を作ってという呼びかけに、各々が自分の状況を鑑みてじゃあ私達は道の途中をやるね、とか、会場のみんなを集めて逆方向から行くよ、とか申し出た)。その呼びかけに生徒全員が呼応し、一斉にルート全体で除雪を行ったことで短時間で「道」ができあがり、要所要所で先回りしてのナビやサポートもできた。校庭が雪に埋もれてしまっていたのは、道の除雪を最優先にしたから。…みたいな。まぁ、そんなこまけぇこたぁどーでもいいよね(笑)

■傘をさす意味・3
 絵里に抱きつく場面で傘を放るというシチュエーションをつくるため。
 ヒント:スノハレのPV

■大泣き穂乃果
 いつも力強くみんなをひっぱってくれる穂乃果が、いまこの瞬間だけは安堵のあまり大粒の涙を見せる。1期で1stライブにお客さんが居なかったときでさえ、ラブライブ!を辞退した時でさえ見せなかった大粒の涙。堰を切ったように溢れ出る本音。
 穂乃果は再挑戦を決めたその時からずっと、またうまくいかなかったらどうしよう、また失ったらどうしようという怖さと戦い続けていたのかもしれません(1話の躊躇いの一因でもあったのでしょう)。
 そんな穂乃果を、音ノ木坂のみんなが支えてくれた。これまでがむしゃらにがんばって、届けてきた想いが、最高の形で還ってきた。最高の恩返し。
 本番直前、最後の最後で描かれた、穂乃果に残された課題からの成長と解放。
 また、この場面の穂乃果の言葉はラブライブ!というプロジェクト自体の歩みともダブってくるものがあってグッときます…。

■みんなで叶える物語
 9人みんなの言葉を紡いでつくった歌。応援してくれるともだち、家族。音ノ木坂のみんなが支え、導いてくれたからたどり着けた場所。みんなのおかげで今、ここに立っている。「だからこれは、みんなで作った曲です!」
 穂乃果が最後にこの言葉を言うためにここまでのドラマがあり、これまでのドラマがあったからこそ穂乃果はより確固たる自信と万感の想いを込めてこの言葉が言える。


■それは僕たちの奇跡(軌跡)
 2月の大雪のライブとオーバーラップしてくる9話のエピソードは、意図したものなのか偶然の産物なのか、一視聴者としては知るよしも無いところではありますが、すくなくとも2期でスノハレをやる、雪を降らせるというのは当初からシリーズ構成上も想定されていたはずで、物語の展開や内容的にも最初から大雪の話だったんだと思います(綿密に、明確な意図を持って画づくりやシリーズ構成が行われている作品でもありますし、描いてきたこと、描きたいこと、表現したいことから逆算しての必然としての大雪でもあると思う)。実際、ライブ直前の時点で4話のアフレコだったそうなので、時期的に脚本も出来上がっていたでしょうし、作画作業にも入っていたはず。だから、ほんとうに偶然だったんだと思います。まさに「神様のいたずら」。
 追記:のぞえりラジオ第23回でもシナリオが既に出来ていたことが明言されました。
 ■8/19追記:脚本の花田さんのツイートによると大晦日の時点で10話の脚本執筆中だったそうなので、ライブ時点で9話の脚本が既に確定し作画等に入っていたことは間違いないとみてよいでしょう。

 …ということは、この写真もやはり、「これはなんという偶然!」とばかりに再現した、といった感じだったのでしょうね。


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