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「ラブライブ!」2nd season 1~3話振り返り [アニメ]

 TVアニメ「ラブライブ!」2期シリーズ、1話~3話までの見所なんかをいろいろ書ききれなかったことなんかを織り交ぜつつ振り返ってみようかなと。

 2期1~3話は、1期同様起承転結の「起」であり「序破急」の構成になっており、また、1期の1~3話とよく似た内容(1話で目標設定、2話で曲作り、3話で初ライブ)になっています。…なっていますが、同じでは無い。
 1話は何故やるのか、何故挑むのかという動機・原動力の再定義・再確認。
 2話は自分たちの曲やパフォーマンス作りに対する自信の獲得。
 3話は最大のライバルと対峙し目の当たりにする衝撃の体験と一定の克服。
 これらのステップアップするプロセスを最初の3話である程度済ませた感じですね。

1話「もう一度ラブライブ!」1話感想
■生徒会長は誰だ
 ヒフミトリオが「生徒会長お願いします」で絵里の方を向いた(ように見える)流れで絵里が立ち上がるので、「お、絵里の挨拶か」と思う。けれど絵里は拍手をし始め、ステージの袖を照らすスポットライト、そして現れた人は…。という導入部分。巧みにミスリードを誘い、まさか…まさか…とドキドキさせる作りになっているのですが、壇上で進行を勤めているのがヒフミトリオだったり、絵里が立ち上がったときの周囲の反応やにこの緊張した表情などで生徒会長が既に絵里では無いということが仄めかされています。

■視聴者を一気に引き込む導入部分
 1期からの視聴者にとっては穂乃果が生徒会長になっているという驚き。初めての視聴者にとっても、その後唐突に始まるミュージカルシーンのあまりの破天荒さに「なんだこれw」とびっくりしたはず。ファンにとっては「そうそうこれこれこのノリ!」という嬉しさもあって、インパクトは絶大。
 1期1話を知っている視聴者なら、CM中も夢なの?夢オチなの?まさかホントなの?とドキドキさせての「夢じゃない…だと…」で、この上ないほどに見事な“つかみ”に、ただただ脱帽です。
 また、ラブライブ!開催の情報を受けて校内を駆け回るシーンでは1期でも印象的だったサブキャラクターのヒフミトリオやアルパカをさりげなく登場させていきます。

■バトンを渡していく
 前生徒会コンビののぞえりは、現生徒会のことほのうみへ。アイドル部部長のにこは、にこりんぱなに。世代の交代や物事が伝承し受け継がれていくさまには、時間の経過とある種のリアリティを感じさせられます。

■1期のセルフオマージュ
 1話には1期シリーズを彷彿とさせるシーンなどが多数描かれています。
 「いやぁ、今日もパンがうまい」は1期でもお馴染みの光景。
 電話で話し合う場面の画面分割も1期でみられた独特の手法。
 自宅で雪穂から開催が3月と聞かされて気持ちが動くシーンの劇伴は1期1話で同じようにきっかけの一つとなったアルバムを見る場面と同じ。
 ラストの回転するカメラで穂乃果が境内を駆け抜けるシーンは1期でも特に印象的に用いられていた表現。
 これぞラブライブ!という期待に応えてくれてる部分でもありますし、1期との繋がりや、1期からの変化、進展をより印象づけています。

■躊躇い
 穂乃果にとってラブライブ!は入れ込みすぎて迷惑をかけてしまったイベント。だからやっぱりちょっとためらいがあるし、臆病になってしまう。やりたいからやるとは言ったものの、立場や責任とかいろいろ感じて躊躇ってしまう。
 Bパート、冒頭で問い詰められるシーンでは困った表情でしたが、その夜雪穂の話を聞いて、後日廊下に掲示された「LoveLive!」の張り紙を見たときの穂乃果の表情はどこか決心したような表情です。その直後にこに対決を挑まれるワケですが、この頃には既にやっぱり出たいという気持ちに傾いていたのかもしれませんね。

■「やりたいこと」から「今しかできないこと」へ
 やりたいからやる、そしてやりたかったこと、それは今できている。だから別に「出なくてもいいんじゃない?」と思った(「出たくない」じゃなくて「出なくてもいいんじゃない?」)。前回のラブライブ!には出られなかったけど、でも、いまこうして充実している。
 けれどそこであることに気付かされる。開催は来年3月。そしてそのあとは3年生の卒業が待っている。今度のラブライブ!出場は、やりたいこと以前に「今しかできないこと」。ならやらなければ。そして後悔したくない。

■原点に立ち返り、頂点を目指す。
 廃校阻止のために始めて、それが達成された後、やりたいからやるという動機を改めて実感し、そして今度は今しかできないことに全力で最高の結果を求める。
 やりたいからやる、という原点。可能性を感じた、そして道がある。ならば進むしかない!そして進むなら全力で頂点を目指す!

■9人の最後のライブ
 1期12話では、穂乃果は9人で最後のライブをやりたくなくて逃げてしまった。けれど、今回は今の9人でできる最後のライブだから全力で挑んで最高の結果を残したいと思った。この変化。

■雨、止めーーーーっ!
 理屈的に捉えるなら、「たまたま止んだ」「通り雨だった」ということだけど、まぁそんなことどうでもいい。理屈抜きの、この突き抜けたカタルシスが素晴らしい。
 どんよりとした曇り空、しとしとと降り注ぐ雨がぱあっと晴れ渡って清々しい青空になり、燦々と光が降り注ぐ。そして穂乃果が指さす先に太陽があり、他のメンバー達はその降り注ぐ光を浴びているという構図。そこに意味があり意図がある。
 ここは曇り、ここから雨を降らせたい、こういう風に光を当てたいと考えて、そこに意図を込めてそいういう画を撮るのが映像作品であり、そういう絵を作ることができるのがアニメ作品。ならば、雨止め!と言って雨を止ませてしまう穂乃果は作り手や監督のメタ的投影でもあり、それは即ち穂乃果の言葉がこのアニメ作品自体に対する決意表明でもあるということではなかろうか。なんてね。

■半歩下がって、でもしっかり第1歩を踏み進めた1話
 穂乃果の「出なくてもいいんじゃない」発言で、メンバーたちの勢いと一緒に(2期が始まった興奮やら強烈なインパクトの怒濤の冒頭やらの流れとも相まって)イケイケムードになっていた視聴者の気分をも一旦落ち着けさせる。ハイテンポだったAパートに対して、ゆったりとしたテンポで進むBパート。
 まぁまぁちょっと落ち着こう。そのうえで、いったん状況を整理して、出たがらない理由、出たい理由、出る意味を見つめ直す。
 いきなりエンジン全開で突っ走りすぎるのではなく、あえて一旦立ち止まり、半歩下がって少し後退した位置から改めてしっかりと、しかし大きく第一歩を踏み直すことで、1期で学び積み重ねてきたことがしっかりと継承され前へ進んでいることを描き、気持ちの再確認と動機付けをよりしっかりとしたものにすると共に、新シリーズの導入としても入りやすく、視聴者を付いて来やすくしている。
 Aパートの勢いのまま突っ走っていたら、(新規視聴者は特に)若干の置いてけぼり感を感じる視聴者も居たかもしれませんからね。

2話「優勝をめざして」2話感想
■対比
 海に行った1期に対して、山へ行く2期合宿回。
 うみという名前なのに山が好きな海未。
 星空凜という名前だから星を好きにならないとね。

■電車のカット
 Aパート冒頭での電車のカット(進行方向が左から右へ)と、電車に乗って合宿地にやってきたというシークエンスがあることで、終盤の電車の1カット(同じ構図で右から左へと逆になっている)のみで合宿先から帰っているということが表現されている。

■爆睡穂乃果
 2話では穂乃果は何かと寝てばかり。いわゆる天丼ネタだけれど、1期では穂乃果が機能しなくなったことで駆動力を失ったμ’sが、2期では多少頼りにならない状態でも動いていける。それぞれがそれぞれの役割で駆動させていく。お風呂での穂乃果の台詞にもそれが表れている。あと、寝てばかりという印象もお風呂でのことりの「またぁ」の台詞でリラックスするシーンが活きてくる。

■リストバンドを取っていくリス
 リストバンドと掛けてリスなんだろうと思うけれど、意外とこの回のキーとなる存在。
 まず、にこがリストバンドを大切にしていること。リスがにこのリストバンドをなぜか気に入っているということ。そして、リスは山荘の近くに生息しているということ。
 まず凛がさんざんな目に遭うことのきっかけとして機能。その結果川に落ちて暖炉に火をいれることになり、暖炉に火を入れることになる(暖炉に火を入れたい穂乃果→火は入れたくない真姫→結局火を入れる羽目に→真姫のため息の一因も?)。
 で、最後に連想ゲーム的に視点(場所)を移動させて山荘に残してきた寄せ書きのカットに飛ばすための視点の橋渡し役にもなっている。リストバンドが無いことに気付くにこ(音ノ木坂の屋上)→さてはあのリスの仕業か!?→森のリスの映像(山荘付近)→山荘の暖炉の寄せ書き。

■3人の逃亡
 単に部屋に居ないというだけじゃなくて、「探さないでください」という書き置きや、「タスケテ」と大げさに書き残して居なくなることで展開にスピード感が出ている(単に部屋に居ないだけだと「あれ?どこいったんだろ?」程度のことにしかならない)。
 そして、大げさな脱出をしている割に目と鼻の先の木陰で、しかも3人揃って落ち込んでいるというギャップの面白さ。

■流れ星
 実際に流れたのかは判らない。海未も凛ちゃんも横を向いていて見ていない。もちろんその瞬間のカットがインサートされていないので視聴者も見ていない。海未が言うように希が切っ掛けを与えるためについた嘘かもしれないし、もしかしたら本当に流れていたのかもしれない。

■真姫ちゃんが弾いている曲は…
 「僕らは今のなかで」のピアノアレンジ…の様な気がする。

3話「ユメノトビラ」3話感想
■1期3話との対比
 ことほのうみのμ’sミュージックスタート!から始まった1期3話。
 ツバサの「始まる…」という言葉から始まった2期3話。
 ライブ直前に花陽が駆けつけ、μ’sメンバーが集った1期3話。
 ライブ直前に音ノ木坂のみんなが駆けつけた2期3話。

■最低限の設定だけを示す
 アバンタイトルでルールをよく把握していない穂乃果を見せておいてその流れでAパート冒頭でさくっと最低限の説明を済ませる。必要な情報を必要なだけ描いて、必要の無いプロセスはばっさり省く。

■A-RISEとμ’s
 3話で最も重点を置いて描かれたのがA-RISEとμ’sの対比。
 息を切らすμ’sと息を切らさないA-RISEというのは要所要所でみられる。
 ビジュアル的には白を基調とした制服のUTXに紺を基調とした制服の音ノ木坂。黒と紫を基調としたステージ衣装のA-RISEに対し白と青を基調とした衣装のμ’s。

■カメラの揺らぎ
 「そして何より、負けたくないと思っている」というツバサの宣言を受けの穂乃果のアップでは、カメラが僅かに揺れている。続くツバサのアップでは微動だにしない。
 退室際に穂乃果から投げかけられた「私たちも負けません」の思いがけない一言を受けて、ツバサのアップではカメラが僅かに揺れている。続く穂乃果のアップでは微動だにしない。

■即答する穂乃果
 ツバサからのUTXの屋上を使ってはどうかという申し出に穂乃果は即決します。
 どうせ話の展開的にUTXでライブをすることになるのだから場所選びで更に悩むシーンなど意味が無いし端折った方がいい。そんなの尺の無駄遣い。
 もちろん、穂乃果らしいという場面でもあるし、A-RISEにとってμ’sはますます興味深い存在になったはず。

■ランキングの対比
 他のグループの遥か上を行くA-RISEのグラフに対し、μ’sは急上昇していくグラフが単独で描かれる。他のグループのグラフと対比して描かれる圧倒的王者であるA-RISEと、他と比べてということとは関係なく観る者を虜にしていくμ’s。
 また、今回も例のごとく投票のしくみやら何やらは描かれない。A-RISEが他のアイドルの上を行っている、μ’sのポイントが急上昇している、ということが印象的に画的に面白く描けることの方が重要だから。

■ライブシーンの対比
 「Private Wase」と同様、手描きアニメーションオンリーのA-RISEのライブシーン。黒を基調としたシックな衣装。背景やカメラワークを限定的にする代わりに固定カメラを中心にビシッと決め、流れるような動きとカット割りのリズムで魅せる映像が特徴的なA-RISE。
 対照的に白と青を基調としたふわっとした衣装で、満天の星空の下、のびのびと歌い踊るμ’s。単独のアニメーションPVとしては相変わらずの完成度なのだけれど、A-RISEのライブと連続して描かれることで、どこか荒削りだけれど楽しそうに精一杯歌って踊ってるルーキー…という風に見える。
 そしてこの対比は「ラブライブ!μ’sのダンスPVといえば2D+3D」という培ってきたモノがあってこそでもあります。
 あと、A-RISEはホームでμ’sはアウェーという点もポイントですね。

■ライブシーンのイメージ
 青を基調としたライブシーンはどことなく「START:DASH!!」のライブを思い起こさせますが、それ以上に、ラストショットが1期8話の「僕らのLIVE 君とのLIFE」を連想させる演出になっていたと思います。息を切らし満足感の表情を浮かべる姿や星空の元で9人並んでいる姿は、青空の下で9人ならんでいた「ぼららら」と似ています。
 深い意味は無いのかもしれませんが、μ’sのステージが終わった後拍手をしている生徒達の中にヒフミトリオ居ないみたいなんですよね。ということはやはりあのライブシーンの照明音響カメラって…。


 1期シリーズは、廃校阻止を目標に始まり、その手段としてラブライブ!出場を目指し、最終的にはやりたいからやるという原点に帰結し、μ’sがμ’sになった物語。
 2期でも基本的に同じ…というか、その延長線上にある物語だと思います。だから、穂乃果はラブライブ!に出なくてもいいんじゃないと言う。ラブライブ!に出るという目的だけでは次なる物語はドライブされない。やりたいことが今しかできないことと重なったとき、物語は動き出した。

 僕らは今のなかで。僕たちの奇跡(軌跡)。
 きっと青春が聞こえる。いつまでもずっと。

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