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「ラブライブ!」第12話感想 [アニメ]

 #12「ともだち」
#12「ともだち」
 無理がたたって倒れてしまった穂乃果。
 ここまでやってきたのだからとライブ続行を主張するにこ。いつになく真剣です。
 ですが、それは難しい。それに、突然のアクシデントに帰り始めるお客さんもちらほら…。ライブ続行は…断念せざるを得ないようです。

 ■決められていたこと
 オープニング明け。
 「申し訳ありませんでした」と穂乃果の母に詫びる絵里。どうやらあれから数日経っているようです。…ということはことりちゃんの結論は…。まぁ、それはそうと、さすがは穂乃果ママ。どうせいつものことだからと余裕です。
 当の穂乃果も「風邪だからプリン3個食べてもいいって」などとヘンなところでご機嫌の様子。
 ただ、やはりライブの件は気にしているようです。
 体調も良くなってきたし、「ラブライブ!」出場決定までまだ少しあるから何か埋め合わせもかねたいと言います。…が。
#12「ともだち」
 「ラブライブ!には出場しません」という絵里の一言。
 無理をしすぎたのではないか、こういう結果を招くためにアイドル活動をしていたのか、と理事長からも問われ、みんなで相談した結果エントリーを取りやめたのだそう。
 誰が悪いでは無く、無理をした穂乃果も、気付かなかった皆も悪い。皆の責任。…とはいえ、気持ちは晴れません。夕暮れの帰り道。「あと少しだったのになぁ」と呟くにこの言葉には重みがありますね。
 一方、改めてエントリーのランキングを見てそこにμ’sの名前が無いという事実に涙を押し殺す穂乃果。自分が引っ張ってきたのに、みんなで頑張っていたのに、ついこの前までそこに名前があったのに、自分のせいで…。普段明るく元気な穂乃果だけに、落ち込む姿は本当に辛いものがあります…。部屋に独りということもあり、3話の時でさえ堪えた涙が零れます。
 そしてことりは…、荷造りの最中。どうやら行くことに決めたようです…。
 そこへことりママ。「穂乃果ちゃんには話したの?」と訊きますが、「明日…話す…」とことり。
 「ちゃんと話しなさいよ、大切なともだちでしょう」という言葉が重く響きます。

 穂乃果の知らないところで、いろんなことが決まっている。
 いつの間にか決まっている苦しみ。変わっていく世界。

 街のムードがA-RISE一色に変わっていく中、やはりどうしても気持ちの整理が付かない穂乃果。でもいつまでも気にしていても仕方ありません。何より、学校を存続させるためにも頑張らなくては。理事長も活動自体を禁止したつもりは無いようで、ライブ活動も続けていけそうです。でも、無理は禁物…となんとなく周りも見えるようになったかのような穂乃果。あれ、そういえばことりちゃんが居ません。海未ちゃん曰く、ちょっと電話すると言って降りていったとのことですが、海未ちゃんはどこか浮かない表情です。
 と、そこへ慌てた様子で1年生トリオ登場。「た…」「た…」「タスケテェ」。

■ひとまず回避された廃校
 志願者急増で来年度の入学願書受付が決定したとのお知らせが。つまり、少なくとも次年度の学校存続が決定したことになります。廃校はひとまず回避されました。「さ、再来年は判らないけどね!」などと言いつつ嬉しそうな真姫ちゃんカワイイ。
 とそこへことりちゃんもやってきます。すかさず飛びついて喜びを分かつ穂乃果。
 「学校続くんだって、私たち、やったよ!」
 ことりも、みんなも嬉しそうです。
 でも、次のライブは?大急ぎでやる必要も無くなってしまいました。
 そんな中、どこか浮かない表情のことりは、買い物があるからと穂乃果と別れ一人下校します。そんな様子に「なんか、元気ないよね」と感じた穂乃果。絵里や希も気にしていたようで、学園祭の前頃から何か悩んでいる風だったと。
 「…そんなに前から」と呟く穂乃果。…そんなに前から悩んでいたのに。相談してくれなかった?気付かなかった?

#12「ともだち」
 一方、急ぎの買い物の言い訳で逃げてきたことりを待っていた海未ちゃん。
 「遅らせれば遅らせるほど、つらいだけですよ」とことりを諭します。タイミングを逸すれば逸するほど難しくなる。
 もう決めたこととは言っていますが、どうにも力ない…。
 「でも、決める前に穂乃果ちゃんに相談できてたら、なんて言ってくれたのかなって。それを思うと、うまく言えなくて…」
 「もしも」相談できてたら…。ことりは穂乃果に止めて欲しかったのでしょうか?穂乃果はことりを止めたのでしょうか?難しい問いです。もしも…。
 でも、時間は戻りません。…後悔先に立たず、です。


■9人以上でも以下でもダメ
 Bパート。
 部室で学校存続の祝賀会。はりきって挨拶するにこ。安定のスルー。皆嬉しそうで、学校存続に人一倍力を注いできた絵里もどこか肩の荷が下りた思いのよう。嬉しそうな穂乃果達の様子を見て、自分が居なくても同じ結果だった気がすると言いますが、希が言うには「そんなことない」「μ’sは9人。それ以上でも以下でもダメ」というのがカードのお告げだそうです。
 ともあれ、廃校も無くなって、気を取り直して頑張ろうと前向きになってきた穂乃果…でしたが、ふと目をやると暗い表情のことりと海未の姿。
 ことりを諭す海未ですが、やはりみんなの楽しいところに水を差したくなくて躊躇うことり。そんなことりに代わり、ついに海未ちゃんが告白します。

 「突然ですが、ことりが留学することになりました」

 出発は2週間後。もうすぐです。(この場面、穂乃果の表情が意図的に見えない演出になってるんですよね…)
 静まりかえり、動揺を隠せないメンバー達。
 学園祭で皆がまとまっているときに言うのは良くないと気を遣っていたということ。前から服飾の勉強をしたいと思っていたところに、母の知り合いからの誘いがあったということ。高校卒業まではおそらく戻ってこないかもしれないということ。

 「どうして言ってくれなかったの」
 海未ちゃんは知ってたのに言ってくれなかった。
 ことりちゃんはともだちなのに言ってくれなかった。
 居なくなっちゃうのに、どうして言ってくれなかったの?
 ずっといっしょだよって言ったのに。ともだちなのに…。

 でも…。別れが辛い、寂しい、言いたかった。それはことりも同じです。

 「何度も言おうとしたよ…」

 でも穂乃果が夢中だったから、ライブが終わったらすぐに言おうと思ってた。相談に乗ってもらいたかった。でも、「あんなこと」になって。

 「訊いて欲しかったよ!穂乃果ちゃんには、一番に相談したかった!」
 「だって、穂乃果ちゃんは…はじめてできたともだちだよ!」
 「ずっとそばにいたともだちだよ!」
 「そんなの…そんなの当たり前だよ!
 ことりにとってどれほど穂乃果が大切な存在だったか痛いほど伝わってきます…。
 大粒の涙をボロボロとこぼしながら部室を飛び出していくことりに、ただただ呆然とする穂乃果。

#12「ともだち」

 「ずっと、行くかどうか迷っていたみたいです」…海未ちゃんがそっと語ります。
 むしろ行きたがってなかった様子だったこと。ずっと穂乃果を気にしていたこと。穂乃果に相談して意見を訊きたがっていたこと。本当にライブが終わったらすぐ相談するつもりだったこと。

 穂乃果のショックに打ちのめされた表情が辛いシーンです。酷いことを言ってしまった。気付いてあげられなかった。自分が「あんなことに」してしまったせいでことりが相談するきっかけを潰してしまった。反省したはずなのにまた“見えなくなって”しまっていた。このときの穂乃果にはいろんな想いが渦巻いていたことでしょう…。

 「謝ったって…もう…」
 一人落ち込む穂乃果。パソコンのモニタには、A-RISEの映像。手が届かない存在。
 「私、何やってたんだろう…」

#12「ともだち」

■大きくそして本質的な問いかけ
 後日。ことりの門出を祝ってライブをやろうと提案するμ’sメンバー。
 しかし、穂乃果は重く思い詰めたような表情のままです。
 「私がもう少し周りを見ていれば」「自分が何もしなければ」こんな事にはならなかったと自暴自棄に言う穂乃果。
 「そうやって全部自分のせいにするのは傲慢よ」と絵里は正します。それを言っても何も始まらないし誰もいい思いをしない。その通りです。その通りですが、その通りでしかないし、今の穂乃果には通じません。
 「ラブライブ!」にも今度こそ出場するんだから落ち込んでいる暇は無いというにこ(ですが、学年的におそらくにこにとっては最後のチャンスだったはずです)。そんなにこの言葉にもう学校存続も決まったんだから出たってしょうが無い、A-RISEみたいにもなれっこないと言い放つ穂乃果。
 その言葉に、にこは本気で怒ります。
 「あんたが本気だと思ったから!本気でアイドルやりたいんだって思ったからμ’sに入った」「ここに賭けようと思ったのよ!」「それを“こんなこと”ぐらいで諦めるの!?やる気をなくすの!?」
 メンバーの誰よりもアイドルに対して真摯で、本気で、そして一度失っているにこの言葉は、重い。
 そしてそんなにこを目に涙を浮かべて抑える真姫…。

 「じゃあ、穂乃果はどうすればいいと思うの?どうしたいの?」という絵里の問いに対する穂乃果の答えは…。

 「やめます…。私、スクールアイドル、やめます…」

 思いもかけない穂乃果の言葉に、呆然とするメンバー。
 立ち去ろうとする穂乃果に一人駆け寄り、そして、思いっきりその頬を叩いたのは…
 海未ちゃん…。

 震える手。溢れる涙。海未は言います。
 「あながたそんな人だとは思いませんでした…」
 「あなたは最低です!」

#12「ともだち」


■「ともだち」
 今回のサブタイトル「ともだち」。あぁ、そうきたか…という感じでした。
 なるほど、なるほど、「ともだち」…か。

 「ともだち」だからこそ夢中な穂乃果に水を差したくなくて言い出せなかったことり。
 「ともだち」だからこそことりの気持ちを尊重して一歩引きすぎてしまった海未。
 「ともだち」だからこそ相談に乗ってあげたかった穂乃果。

 「ともだち」なのに遠慮してしまったことり。
 「ともだち」なのに代わりに相談してあげられなかった海未。
 「ともだち」なのに気付いてあげられなかった穂乃果。

 でも、…だから、紛れもなく彼女たちは「ともだち」です。

 「ともだち」だから、海未は涙を零しながら本気で穂乃果の頬を叩いた。

 「ともだち」ってなんだろう。…と思う。
 「ともだち」っていいなぁ。…と思う。
 青春だなぁ。…と思う。だから…きっと、青春が聞こえる
 12話は、3話、8話に並ぶほどに素晴らしい回でした。

 次回、「μ’sミュージックスタート!」

 廃校阻止のためでも無い。「ラブライブ!」に出場するためでも無い。ほんとうに、心からやりたいと思ったライブを見せてくれるに違いないと期待しています!


 …最終回で海未ちゃんにほっぺ叩かれた穂乃果がわんわん大泣きして「いやだいやだーっ」て駄々こねたらカワイイだろうなーなんて妄想しつつ(笑)。
 だってほら、3話でも泣くのをぐっと堪えちゃったし、12話でも押し殺すような涙だったし、最後に一度思いっきり泣きたいだけ泣いて欲しいなーって。泣きたいときは泣いていいんだよ穂乃果ちゃん…。


■真に辿り着くべき場所へ
 廃校阻止、ラブライブ!出場、すべてをいったん取り上げて、「やるったらやる!」「やりたいからです!」と言い続けてきてμ’sを引っ張ってきた穂乃果に問われます。
 じゃあ、穂乃果のやりたいこと、やりたかったことは、何?…と。
 廃校阻止のためにやる必要も無くなった。ラブライブ!にも出ないことになった。じゃあ、何のためにμ’sをやるの?穂乃果にとってμ’sは何なの?メンバーの皆は何のために?自分のため?ことりのため?学校のため?μ’sは何のために?


 やはり、いろんな意味で11話・12話というのは1~3話と対になっているというか、3話で提示された目標の“真の”到達点に向けてというか、違う角度から改めて「ファーストライブ」の壁に挑み、真の「ファーストライブで誓った夢」に辿り着くためのお話という気がします。8~9話あたりでなんだか達成されてしまったような気になっていましたが、そうじゃない。
 何より、ファンならにやりとする様々な小ネタをあれだけ仕込んできたというのに、3話の「ファーストライブ」で(冒頭でさらっと言ってはいますが)かけ声決めようと言いながら使われず、そしてあの8話でさえ使われず、今の今まで肝心のライブ前で使われてこなかったμ’sの“お約束”が、最終13話のサブタイトルなんですよ!スタートなんですよ!
 3話「ファーストライブ」の誓いを―、これからもμ’sが夢を叶えていくために、未来に向き合うために、11話12話で描かれた試練は必然であり乗り越えないといけない。
 がんばれ穂乃果。頑張れμ’s!


 ■関連というか、補足的な?
 今のなかで「変わり続ける」ことを描いたラブライブ!
 ラブライブ!演出的みどころチェック(10~12話)
 「ラブライブ!」第3話感想


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